個人型DC,確定拠出年金
(写真=Thinkstock/Getty Images)

確定拠出年金制度を導入している事業所や個人は、導入以来右肩上がりで増えている。厚生労働省のHPによると、2015年3月現在では事業主数は約19000社、加入者数は企業型確定拠出年金(以下、企業型)で約505万人、個人型確定拠出年金(以下、個人型)で約21万人と前年同時期と比べて8%〜16%増だ。

しかし、投資信託や定期預金、保険などたくさんの商品がありすぎてどれを選んで良いか分からず全て定期預金で運用している人も多いようだ。そんな投資初心者向けに投資信託の選び方のコツを解説していこう。

そもそも確定拠出年金とは?

確定拠出年金の目的は簡単に説明すると、「老後の資金を自分で管理運用して準備する」というものだ。会社が退職金制度や、確定給付型の企業年金を準備していた時代もあるが、運用不足により資金が足りなくなると、会社が補填しなくてはならないなど責任が大きく、業績にも影響をあたえるようになった2012年のAIJ事件は記憶に新しい。

そこで、自分で運用する「自己責任」型の準備として確定拠出年金が2001年に導入された。

確定拠出年金は企業型と個人型があり、企業型の場合、掛金は事業主が拠出し、そのお金を自分の判断で運用し増やしていくという仕組みだ。毎月拠出できる金額は最高55000円と決まっており、事業主の掛金を越えない範囲であれば自分でも上乗せして拠出することが可能。

加入できる人は、制度を導入している事業所の従業員や、条件を満たせばパートタイマーもOK。個人型は、企業型を導入していない事業所の従業員や、自営業者などの国民年金の第1号被保険者である。2015年4月に国会に提出された確定拠出年金法等の一部を改正する法律案が成立すれば、サラリーマンの配偶者や公務員などにも範囲は広がる。

メリットとデメリットを理解する

確定拠出年金のメリットは大きく3つある。

まず毎月運用のために拠出した金額は、収入として計算されないため、所得税や住民税の支払いを抑える効果がある。つまり公的年金と同じ所得控除ができるということだ。

二つ目は、運用して増えたお金に税金がかからないこと。長期間運用することを考えると、かなりの優遇だと言える。そして

三つ目は受け取る時の税金だ。一括で受け取る場合、退職金の扱いとなり「退職所得控除」が受けられる。勤続年数(確定拠出年金の場合、加入年数)が長いほうが、控除できる金額も多くなる。つまり拠出時、運用時、受け取り時とすべての期間で税制優遇が受けられるのである。

デメリットは「自分で運用する」ために商品選びや、金融商品などの知識が必要なことだ。投資初心者にとっては、これがかなり高めのハードルかもしれない。そして運用成績によっては、元本より減ってしまう可能性がある。その他には確定拠出年金は公的年金と位置付けられているので、原則60歳までは引き出し(一部を除く)もできないし、受け取ることもできない。

金融商品はどう選べばいいのか?

確定拠出年金のメリットである、運用益の非課税制度を最大限利用しようと思った場合、投資信託などのリターンの見込める商品を組み込む必要があるのだ。投資信託を選ぶときは、まず初めに「どんな資産へ投資しているか」「どの地域(国)へ投資しているか」などを確認する必要がある。例えば、日本株式や外国株式、日本債券や外国債券、不動産(REIT)などである。先進国なのか新興国なの日本円なのか外貨なのかなどだ。

投資先により、当然リスクとリターンのレベルが違う。次に市場の平均(ベンチマーク)よりも大きなリターンを目指す「アクティブ運用」なのか、市場の平均(ベンチマーク)にそったリターンを目指す「パッシブ運用」なのかの運用方針を確認する。

リスクを減らしつつリターンを狙うためには、これらの金融商品をうまく組み合わせて分散し、リスク管理しながら運用していくことが重要なのだ。この部分は、投資初心者にはハードルが高いポイントなので、そこでオススメなのが、バランスファンドとインデックスファンドの組み合わせだ。

バランスファンドは、株、債券、不動産など複数の資産がバランスよく組み込まれている。そのため大きく値下がりするリスクを軽減することができるほか、リバランスも行ってくれるので初心者や面倒くさがりの人向きなのである。特に国内と海外に分散しているものを選ぶとよい。ただし、バランスファンドは信託報酬などの手数料が高いのに注意する必要がある。手数料は確実にあなたのお金を減らす、いわば「損失」であるので、極力低いものを選んでほしい。

インデックスファンドとは市場の平均(ベンチマーク)にそったリターンを目指す投資信託である。例えば、日本で言えば日経平均やTOPIXである。一般的に信託報酬などの手数料が安い。どちらも過去の運用成績は必ず確認しておくとよい。

確定拠出年金は、60歳まで引き出すことができないというデメリットがあるが、しかしそれは、見方を変えれば、老後資金のための制度であり、途中で引き出すことができない方が、老後準備にとっては問題ないはずだ。そして、長期運用による複利効果が大きく発揮されるのである。

黒須かおり ファイナンシャルプランナー(AFP)、相続士(日本相続士協会)
女性を中心に、一生涯を見守るFPとしてライフプランのコンサルティングを行う。住宅ローンや教育費から、相続や老後のマネー相談まで、幅広い資金計画のアドバイスを手がけている。現在女性起業家を中心とするコンサルタントとしても活動中。 FP Cafe 登録FP。

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