国民年金の計算方法とは
では、毎年の国民年金の保険料はどのように計算されているのか見ていこう。
計算の基礎となるのが、平成16年の制度改正で決められた保険料額である。それに保険料改定率をかけて求める。保険料改定率は、前年度保険料改定率に物価変動率に実質賃金変動率をかけた、名目賃金変動率をかける。本年まで、増加をしてきた保険料だが、平成29年以降は1万6900円で固定となる。
続いて、受給額の計算は以下のようになる。
(保険料納付期間(月)+免除の月数)÷480か月×78万100円=受給額
最低25年間の納付期間が必要であったが、それに満たない場合は支給対象外であったが、「10年以上」の期間と要件が緩和された。つまり、今まで受給の対象となっていなかった方も対象となる可能性があるので、確認してほしい。計算式をご覧いただいて分かるように、厚生年金とは違い、所得の過多と納付期間ではなく、納付期間のみがその金額に影響を与えるのである。
知っておきたい!年金の保険料免除制度とは
最後に、保険料免除制度について解説しよう。
本来20歳以上60歳未満の方は、所得によらず一律の保険料納付が義務であると説明した。しかし、経済的に支払いが難しい場合には「未納」のままにせず、「国民年金保険料免除・納付猶予制度」を活用してほしい。
保険料免除制度とは、本人、世帯主、配偶者の前年収入が一定額以下の場合や、失業した場合など「全額」「4分の3」「半額」「4分の1」のいずれかの額が免除される制度だ。
保険料免除や納付猶予になった場合は、受給資格期間である10年に参入することができる。ただし、年金額の計算時にはその期間の保険料金額は2分の1となる。(平成21年3月までの免除期間は3分の1)受給する年金額を増やすためには、追納することも可能だ。
未納のままにしておくと、障害基礎年金や遺族年金はもちろん、老齢年金が受けられない場合があるので、早めに申請することをお勧めしたい。
厚生年金の計算方法は、実はとても複雑である。それに対し、国民年金の計算は単純と言えるだろう。繰り返しになるが、納付期間が金額に大きく影響することになる。ぜひ、未納になっている方は免除の申請を行って欲しい。(ZUU online 編集部)
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