(写真=PIXTA)

東京23区には、それぞれ子育て支援や医療サービスの充実度など行政の政策に差がある。さらには、住んでいる人の年収や職業にも大きな違いがある。総務省統計局のデータを活用して算出した23区の年収ランキング「ワースト5」と「トップ5」の特徴を紹介しよう。

まずはワースト5「19位〜23位」

19位 江戸川区「346万円」 平均年齢が都内で3番目の若さ

(写真=PIXTA)

19位は、346万円で「江戸川区」。東は千葉県と接しており。北は小岩、南は葛西臨海公園までが区域だ。総武本線、都営新宿線、東京メトロ東西線に京葉線と各線が都心からつながっており、交通の便は比較的良い。区の平均年齢は42.83歳と都内で3番目に若いことや、中学3年生まで医療費の助成が受けられる制度など子育て支援に力を入れていることから、ファミリー向けの区であることが分かる。

(写真=PIXTA)

20位は、荒川区の345万円。都電荒川線が横切る古くからの住宅エリアだ。区の面積も小さく人口も少なく、目立った観光スポットもないどちらかというと地味な区かもしれない。港区や中央区とは反対に昼間の人口が極端に少なく夜になると人が帰ってくるエリアだ。

つまり事業所など働く場所の数が少ないことをあらわしているが、その中で目立つのが製造業の多さだ。かつて工業地帯だったことの名残といえるが、小規模な企業が多く周囲の平均年収を下げることにつながっているようだ。

21位 北区「344万円」 幅広い層に支持!

(写真=PIXTA 赤羽自然観察公園)

21位は北区の344万円。19、20位との差はほとんどなく、取り立てて「貧しい」というほどの金額ではない。京浜東北線の赤羽駅と王子駅を中心とした区域で、荒川を挟んで埼玉県と接している。区内には飛鳥山公園、清水坂公園、赤羽自然観察公園など公園が多い。区内の単身者向け物件の家賃相場は8万円程度(1K、新築)。

山手線の内側よりは少し下がるため、幅広い層に支持されている。長いアーケードを持つ十条銀座商店街や赤羽スズラン通り商店街、霜降銀座商店街など新旧入り交じる商店街が並び物価も比較的安いため、中流層の住みやすさにつながっているようだ。

22位 葛飾区「333万円」 人情味が残る下町エリア

(写真=PIXTA 柴又帝釈天)

22位の葛飾区の平均年収は333万円。「こち亀」や「男はつらいよ」でおなじみの区だ。劇中のイメージそのままの人情味が残る下町エリアで、住み慣れた人には居心地の良い街だ。人気は京成押上線・立石駅周辺や北部の水元エリア。治安の良さが若い女性などに支持されている。京成線は京急線と乗り入れているものの、都心部に出るには日暮里駅や押上駅で乗り換える必要があり、少し不便な交通事情が単身者用世帯(1K、新築)で6万8000円という家賃相場に影響していそうだ。

23位 足立区「324万円」 利便性向上、かつてのイメージに変化

(写真=PIXTA 西新井大師)

そして23区の中で一番平均年収が低いのが足立区。その金額は324万円。日暮里・舎人ライナーと東武スカイツリーライン、つくばエクスプレスが縦断している23区最北の区だ。以前は治安が悪いイメージがついて回っていたが、最新の犯罪発生率は1.626%。新宿区(3.319%)や中央区(2.750%)と比べると低くなっている。

単身者用世帯の家賃は平均で6万9000円ほど。しかし2015年3月に北千住駅を通る上野東京ラインが開業。利便性が向上したため経済効果が周辺地域に派生することが期待されておりかつてのイメージとは大きく変わっていくかもしれない。

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