DC
(写真=PIXTA)

確定拠出年金の魅力の一つに、自分で運用方法を選べるということがある。しかし「金融商品に詳しくないし、資産配分をどうしてよいかわからない」という人も多いのではないだろうか。そこで、今回は「アセットアロケーション」の考え方について紹介したい。

アセットアロケーションとは?

アセットアロケーションとは、「アセット=資産」を「アロケーション=配分」することで、リスクを低減しつつできるだけ多くのリターンを得ることが目的だ。

アセットアロケーションは、売買のタイミングや銘柄選びなどよりも投資パフォーマンスへの影響が大きく、投資の意思決定プロセスの中で最も重要なものと言っても過言ではない。専門家の中には、投資成果の9割がアセットアロケーションで決まるという人もいるほどだ。

投資では「ハイリスクハイリターン」「ローリスクローリターン」といわれるように、高いリターン(利益)を得るためには相応のリスクを取らなければならないのが原則だ。投資の際に、投資対象の組み合わせを工夫してリスク軽減を狙うのがアセットアロケーションだ。同じようなリターンやリスク特性を持つ投資対象のことを「アセットクラス」と呼び、できるだけ同じアセットクラスに偏らないように資産を分散させることがアセットアロケーションの基本となる。

「リスク」と「リターン」の考え方

これまで、「リスク」と「リターン」という言葉を使ってきたが、リスクとリターンは、必ずしも対の概念ではないことを理解いただきたい。リスクが損失でリターンが利益と思っている人も多いが、金融の世界ではリターンは収益だが、リスクは損失ではなく「変動幅(振れ幅)」になる。たとえば、100の資産が101~99の範囲で変動するものと、150~50の範囲で変動するものがある場合、前者の方がリスクは少ないことになる。結果的に100の資産が150になり利益が50出たとしても、その資産がハイリスクなことに変わりはないのだ。