DC
(写真=PIXTA)

確定拠出年金における「移換」とは、確定拠出年金に加入していた人が企業を離退職し、加入資格を失った場合の、年金資産の移動手続きのことを指す。移換にはさまざまなパターンが考えられるため、自分の場合はどうなるのかを良く理解しておくことが必要になる。そこで、ここでは代表的なパターンについて、注意すべきポイントを概観しておくことにしたい。

手続きは離退職から6ヶ月以内に開始する

まずは移換の時期についてだが、もし6ヵ月以内に手続きを開始しなかった場合には、年金資産は自動的に売却・換金されて、国民年金基金連合会に移換される。この「自動移換」になると、全く運用ができなくなり資産が増やせなくなるだけにとどまらず、通常の移換手数料以外に余計な手数料がかかったり、4ヵ月目になると管理手数料が発生したりと、さまざまな不都合が生じることになる。なので、離退職した人は、速やかに移換の手続きをとるよう心掛けたいところだ。

離退職後に「自営または無職」になった場合

まず国民年金保険料の全部または一部が免除承認されているかどうかを確認する。免除承認されていた場合には、個人型DCの運用指図者になるか、もしくは脱退一時金の請求を行う。通算拠出期間が3年を超えており、かつ年金資産が50万円超だった場合には、個人型DCの運用指図者になる。

一方、免除承認されていない場合には、個人型DCの加入者もしくは運用指図者になる。もし年金資産が1万5,000円以下だったら、脱退一時金の請求を行うことも可能だ。