離退職後に「転職」した場合

まず、転職後の勤務先が企業型DCの制度を採用しているかどうかを確認する。制度があるのに加入していない人で、「年齢制限や勤務年数制限による」もしくは「加入はできるが企業型DCを選択しなかった」というのがその理由だった場合には、個人型DCの運用指図者になるか、もしくは脱退一時金の請求を行う。通算拠出期間が3年を超えており、かつ年金資産が50万円超だった場合には、個人型DCの運用指図者になる。

制度があるのにその他の理由で加入していない場合は、転職先に企業型DCの制度がない場合と同じだ。厚生年金基金や確定給付企業年金などの企業年金等の対象者なら、個人型DCの運用指図者になるか、もしくは脱退一時金の請求を行う。通算拠出期間が3年を超えており、かつ年金資産が50万円超だった場合には、個人型DCの運用指図者になる。

企業年金等の対象者以外の人は、個人型DCの加入者になるか、もしくは運用指図者になる。年金資産が1万5,000円未満の場合には、脱退一時金を請求することもできる。

離退職後に「公務員等」になった場合

国家公務員共済組合、地方公務員等共済組合、私立学校教職員共済制度を指す「共済年金等」の組合員の場合には、個人型年金の加入資格はないが、個人別管理資産を個人型年金に移換し、運用だけを行うことは可能である。もしくは脱退一時金の請求を行う。通算拠出期間が3年を超えており、かつ年金資産が50万円超だった場合には、個人型DCの運用指図者になる。

一方、厚生年金の被保険者になっている人の場合には、「転職」と同じなのでそちらを参照してほしい。

自分の場合はどのパターンに該当するのかを見極める

移換には様々なケースが考えられるだけに、面倒になって放置してしまいかねない。離退職した場合には、なるべく早い時期に概ねの方向性を把握したうえで、手続きの詳細等については運営管理機関に相談してみよう。(提供: 確定拠出年金スタートクラブ