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(写真=PIXTA)

税制の流れが「個人増税、法人減税」の傾向にあると言われる中、自分が会社員である限り、税の軽減メリットを追求するのは無理だと諦めている人も少なくない。けれども実際には、工夫次第で税負担を軽くすることも出来るのだ。ここではそうした制度の代表的な例をいくつか列挙してみることにしたい。

まずは所得控除を最大限に利用する

所得税法は、各納税者の個人的事情を加味する目的で、医療費控除や扶養控除など14種類にのぼる所得控除の制度を設けている。要件を把握することで、せっかくの税軽減機会を逃すことがないようにしたい。

例えば医療費控除だが、本人分の医療費だけではなく、生計を一にする配偶者や親族が支払った医療費も控除の対象になる。また、扶養控除の対象となる「同居老親等」についても注意が必要だ。長期入院は同居とみなされるのに、老人ホームなどに入所している場合には、その老人ホームが居所となって、同居とは認められない。

生命保険料控除についても、締結日が2011年末までか、もしくは2012年以降だったのかによって扱いが異なってくる。保険期間が5年未満の生命保険などの中には、控除の対象とならないものもあるので注意が必要だ。

「給与所得者の特定支出控除」と「住宅ローン控除」

所得控除のほかに利用する人が多いのは、「給与所得者の特定支出控除」と「住宅ローン控除」の2つだろう。前者は給与所得者が、通勤費や転居費、資格取得費などの勤務必要経費について一定の控除が受けられるというものだ。

後者は住宅を新築した場合や、新築の住宅を購入した場合が対象になる。取得物件の床面積などに細かな規定があるほか、贈与による取得や生計を一にする親族などからの取得は対象にならないこと、勤務先からの借入金は無利子もしくは1%に満たない低利の場合対象とされないこと、などにも注意が必要だ。