DC
(写真=PIXTA)

NISA(少額投資非課税制度)はじわじわと浸透しつつあるようだ。専用口座の開設数が2015年末には987万口座(前年同期比で約2割の増加)となった。年間120万円までの投資で得られた売却益や配当が非課税になる特典が与えられているだけに、「投資を始めるならNISAで」と思っている人も多いことだろう。

確かに投資を考えているのであれば、その税制メリットに目をつけない手はないだろう。しかし、投資を考えるうえでの選択肢はまだある。どのような手段が取れるかを把握し、それぞれの制度の特徴を理解した上で行動していくことが望ましいといえる。そこで紹介したいのが、米国の制度を模範にしたことから日本版401Kとも呼ばれる「確定拠出年金(DC)」である。

では、それは具体的にどのような制度なのか? 老後のための備えのように、より長いスパンでの運用が前提となるケースに適した同制度についてみていこう。

確定拠出年金制度とは?

相互扶助(お互いに助け合う)方式の公的年金とは違ってDCは加入者ごとに掛金が個別管理されており、完全に自分の老後のために自分で備える仕組みになっている。その名の由来は、「毎月の拠出額(掛金)が確定していること」にある。将来の給付額については、自分で選んだ選択肢の運用成果次第で変わってくる。

DCには2つのタイプがあるが、ここで注目したいのは、同制度を導入している勤務先を通じて加入する「企業型」ではなく、自営業者や企業年金のない会社員のために設けられた「個人型」である。なぜなら、法律が改正されて2017年1月から専業主婦や公務員も任意で加入できるようになることで、より多くの方に関係ある制度だと考えられるからだ。