株式に投資をしてみようと考えた時に、やはり気になるのが株主優待の内容だろう。自分のニーズに合った株主優待を提供してくれる企業には、当然ながら親近感が湧いてくるものだ。
一方で日常生活を顧みると、特に意識しないままに「牛丼屋」や「ファストフード店」、「カフェ」、「ファミレス」といった業種の企業を利用していることに気付く。こうした業種には、500円前後から1000円未満で気軽に商品やサービスを提供してくれる、いわゆる「ワンコイン企業」が名を連ねている。ワンコイン企業のうち、飲食店を展開している企業の株主優待を12社集めてみた。
すき家、なか卯で使える食事優待券2〜60枚 ゼンショー
外食最大手のゼンショー HD <7550> は、牛丼首位の「すき家」を柱に、ファミレスの「ココス」、ファミリー焼肉の「宝島」、丼ぶりと京風うどんの「なか卯」、回転寿司の「はま寿司」など 、誰もが「なるほど、あの店もゼンショーだったのか」と頷いてしまうほどに名の知れた、財布に優しい飲食チェーン店舗を幅広く事業展開している。
同社の株主優待は年2回、3月末と9月末の株主名簿に記載された株主を対象に、所有株数が100株以上300株未満の株主には500円の食事優待券を2枚、300株以上500株未満なら6枚、500株以上1000株未満なら12枚、1000株以上5000株未満なら24枚、5000株以上なら一律で60枚を贈呈するというものだ。この優待券は同社のほとんどの店舗で利用できるが、一部に使えない店もある ので、あらかじめ確認しておいた方が無難だろう。
牛丼300円サービス券を10〜40枚 吉野家
牛丼屋というと、やはり老舗の「吉野家」を思い浮かべる人も多いかもしれない。2017年5月24日付の日経MJ「飲食業16年度ランキング(第43回)」によれば、うどんの「はなまる」や寿司の「京樽」、ステーキの「アークミール」などのグループ企業を加えた同社全体の売上高は、国内第6位のポジションにあった。
吉野家 HD <9861> の株主優待は、2月末と8月末の半期ごとに300円のサービス券を、100株から999株の株主には10枚、1000株から1999株なら20枚、2000株以上なら40枚を提供するというものだ。この優待券は、店舗で販売しているすべての商品を対象としており、かつ複数枚の利用も可能になっている。
この優待券はグループ企業の各店で使えるが、競馬場内の店舗や臨時店舗など一部に例外もある ので、あらかじめ確認しておいた方かよいだろう。また、10枚綴りの優待券1冊を「吉野家外販商品詰め合わせセット」と引き換えることもできるという。
東京チカラメシなどで使える優待券3〜12枚 三光マーケティングフーズ
三光マーケティングフーズ <2762> は創作料理の「金の蔵」や大衆酒場の「アカマル屋」、個室空間が売りの「月の雫」、炭火串焼の「東方見聞録」、多国籍料理の「黄金の蔵」など、多彩な居酒屋、外食店を展開している。創業時の原点に立ち戻るというコンセプトのもとに、焼き牛丼の「東京チカラメシ」を手掛けている。
同社の株主優待は、12月31日および6月30日現在の株主および実質株主に対し、FC店を含むグループ店舗で使用できる1000円の株主優待券を、所有株式数100株の株主には3枚、200株以上500株未満なら6枚、500株以上なら12枚提供するというもの。また、精米を希望する場合には、所有株式数に応じてそれぞれ1kg、3kg、5kgを選択することもできる。
イタリアンやカフェで使える優待券3000〜3万円分 クリエイト・レストランツ・HD
クリエイト・レストランツ・HD <3397> の原点は、渋谷の東急百貨店で20年以上の歴史を持つ老舗「TANTO TANTO」にあるという。その後同社は立地に合わせてメニューや内装を変え、主として百貨店やショッピングセンターなどに、多様なイタリアンレストラン、カフェなどを展開している。
同社の株主優待は年2回、毎年8月31日及び2月末日現在の株主名簿に記載または記録された1単元、100株以上の株主を対象に、500株未満なら3000円分の食事券を、500株以上1500株未満なら6000円分を、1500株以上4500株未満なら1万5000円分を、4500株以上なら3万円分を提供するというものだ。
とりどーる、コナズ珈琲などで使える割引券2000円〜1万円相当 トリドールHD
焼き鳥店を発祥とするトリドール HD <3397> は、セルフサービス形式で本格的な讃岐うどんを提供する「丸亀製麺」や、炭火焼鳥・釜めしの「とりどーる」、醤油ラーメンの「丸醤屋」、ハワイアンカフェの「コナズ珈琲」ほかの多様な店舗を、世界中の都市・地域に1000店以上に展開している。
同社の株主優待は、毎年9月30日現在の株主名簿に記載された同社株式1単元、100株以上を保有している株主を対象に、同社国内店舗で利用できる100円割引券を提供するというものだ。保有株式数が500株未満なら20枚綴りの2000円相当、500株以上1000株未満なら60枚綴りの6000円相当、1000株以上なら100枚綴りの1万円相当が提供される。
ドトールやエクセルシオールで使える優待カード1000〜5000円分 ドトール・日レス HD
ドトール・日レス HD <3087> の傘下には、ドトールコーヒーショップやエクセルシオールカフェなどを展開する「ドトールコーヒー」のほか、多業態型直営レストランチェーン中心の「日本レストランシステム」、ベーカリー・ショップ等の「サンメリー」、コーヒー豆や紅茶を輸入している「プレミアムコーヒー&ティー」などがある。
同社の株主優待は、毎年2月末日現在の株主名簿に記載された1単元、100株以上保有の株主を対象に、優待カードを提供するというもの。100株以上300株未満なら1000円分、300株以上500株未満なら3000円分、500株以上なら5000円分が提供される。
サンマルクや鎌倉パスタなどで使える優待カード サンマルクHD
サンマルク HD <3395> の傘下には、直営とFCの「ベーカリーレストランサンマルク」や直営の「サンマルクカフェ」、直営の和風イタリアン「鎌倉パスタ」、回転寿司の「函館市場」など、多様なコンセプトの店舗を展開しているグループ企業が揃っている。
同社の株主優待対は毎年3月31日を基準日に、提示するだけで直営店・FC店の全店で割引サービスが受けられる優待カードが交付されるというものだ。この優待カードは有効期間中なら何度でも繰り返し利用できる上、一括払いなら同伴者も同じ扱いになるという優れものだ。
串家物語などで仕える食事券や優待商品セット フジオフードシステム
フジオフードシステム <2752> の原点は、人の温もりを感じさせ、家庭の味を提供する昔ながらの大衆食堂 「まいどおおきに食堂」に見ることができる。予算や栄養バランスを考えながら、その日の気分に合わせた組み合わせが、忙しいサラリーマンや女性の人気を捉えているのだ。他にも同社は自分で串揚げを楽しめる「串家物語」や、コシのある細麺が売り物の「つるまる」、手作り居酒屋の「かっぽうぎ」などのブランドを展開している。
同社の株主優待は、6月末と12月末の株主名簿に記載又は記録された株主を対象に、年に2回、100株と200株の保有株主には3000円相当の優待商品1セットを、300株以上1000株未満なら2セットを、1000株以上なら4セットを提供するというものだ。また、株主優待の食事券も配布されているという。
ガストやジョナサンで使える優待券3000円〜3万6000円 すかいらーく
カフェレストランの「ガスト」や中華料理の「バーミヤン」、カフェのレストランの「ジョナサン」などを幅広く展開しているすかいらーく <3197> は、業績の低迷で2006年にMBOを実施し、2014年10月に再上場した経緯を持つ。
同社の株主優待は半期に一度、保有株式に応じて食事券が提供されるというもので、他の各種割引券との併用が可能な、お得感のある株主優待だ。6月末日を基準日に、100株から299株の株主には3000円、300株から499株なら9000円、500株から999株なら1万5000円、1000株なら3万3000円が贈呈される。
また12月末日基準日に100株から299株の株主には3000円、300株から499株なら1万1000円、500株から999株なら1万8000円、1000株なら3万6000円が贈呈される。
年間の贈呈額は100株から299株の株主なら6000円、300株から499株なら2万円、500株から999株なら3万3000円、1000株なら6万9000円ということになる。
サイゼリヤの「イタリア食材セット」など サイゼリヤ
サイゼリヤ <7581> は低価格イタリアンファミレスの「サイゼリヤ」を直営展開している。自社のオーストラリア工場で食材を生産する一方、中国への展開にも力を注いでいる。
同社の株主優待は、イタリア食材を贈呈するというもので、8月末の所有株式数が100 株以上 500 株未満の株主には2000円相当のパスタ、オリーブオイル等の品物が贈呈される。また、500 株以上 1000 株未満の株主なら、 1万円相当のパスタ、オリーブオイル等の「イタリア食材セット」とチョコレート等の「イタリアお菓子セット」、イタリアワイン等の「イタリア アルコールセット」の3種から1種を選択できる。 さらに1000 株以上の株主なら、2万円相当のパスタ、オリーブオイル等の「イタリア食材セット」とチョコレート等の「イタリアお菓子セット」、イタリアワインなどの「イタリア アルコールセット」の3種から2つ選べる。
ファミレス・ココスで使える優待券・割引カード ココスジャパン
ゼンショーHD傘下のココスジャパン <9943> は、グループ内の再編を機にファミレス事業に特化しており、首都圏を中心に「ココス」を事業展開している。
同社の株主優待は年2回、3月31日および9月30日現在の株主を対象に食事優待券と「ストックホルダーゴールドカード・シルバーカード」を贈呈するというものだ。100株から199株所有の株主には半期で500円券2枚の優待券と、税込飲食代金が5%割引になるシルバーカードが、200株から499株なら半期で500円券4枚の優待券と、税込飲食代金が10%割引になるゴールドカードが、500株から999株なら半期500円券12枚と10%割引のゴールドカードが、さらに1000株以上なら、半期で500円券24枚と10%割引のゴールドカードが提供される。
和食「さと」で使える優待券1万2000円相当 SRS HD
SRS HD <8163> は、日本一の店舗数を誇る和食ファミレスの「さと」や、390円の海老天丼を主力とする「さん天」、一人前を二つの椀に分けて出す大阪名物を演出する「夫婦善哉」などを、関西圏を地盤に展開している外食中堅だ。
同社の株主優待は、3月31日時点と9月30日時点の同社株主名簿に記載または記録された1000株以上保有の株主を対象に、それぞれ消費税込み1万2000円相当となる500円の優待券24枚を提供するというものだ。この優待券は、「和食さと」、「夫婦善哉」、「にぎり長次郎」、「CHOJIRO」の 各店舗で利用できるほか、1回の利用枚数には制限がないので、家族連れや団体での利用も可能だという。 (ZUU online編集部)
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