搭乗優待が魅力的な航空会社の株主優待。ヤフオク!にも航空会社の株主優待券などの出品が見られるが、JALが150件程度なのに対し、ANAは700件超(2018年3月現在)と人気だ。ANAの株主優待はどういう内容なのか、そしてヤフオクでの取引価格の相場はどれくらいなのか探ってみた。

100株以上の保有で搭乗優待を受けられる

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(画像=PIXTA ※写真はイメージです)

ANAの株主優待は、毎年3月末、9月末時点でANAホールディングス <9202> 100株以上を保有している株主が受けられる。

優待内容は、ANA国内線の搭乗優待券と、ANAグループ各社・提携ホテルで利用できる各種優待券のほか、株主専用サイトからは、機体工場見学会への申し込みや、9月末時点での株主に届けられるカレンダーの種類(壁掛け型・卓上型)の選択などが可能だ。

3月末時点での株主には、同年6月1日から翌年5月31日までの1年間有効な搭乗優待券と、同年6月1日から11月30日まで有効なANAグループ優待券が発送される。また、9月末時点での株主には、同年12月1日から翌年11月30日までの1年間有効な搭乗優待券と、同年12月1日から翌年5月31日まで有効なANAグループ優待券が発送される。

片道1区間で普通運賃が半額になる

まず搭乗優待だが、これはANA国内線の全路線(共同運航便を含む)の片道1区間を普通運賃から50%割引で利用できるというもの。

100株以上の保有で優待券1枚、200株以上の保有で2枚、300株以上の保有で3枚、400株以上の保有で4枚(400株超過分200株ごとに1枚追加)、1000株以上の保有で7枚(1000株超過分400株ごとに1枚追加)、10万株以上で254枚(10万株超過分800株ごとに1枚追加)が発行される。

株数が多いほどにもらえる枚数が増えていくと考えればいいが、株数との比率でいうと400株までがもっとも効率がいい。なお、3月9日の株価で計算すると、株主優待を受けられる最低限度の100株を取得するには41万8700円の投資金額が必要となる。

では、搭乗優待によって、どれくらい安くなるか? 目安として、3月25日~10月27日の期間における「羽田-那覇」便を例に挙げると、片道50%オフで2万2900円の料金となる(ピーク時期は2万4050円)。空席さえあれば、搭乗当日であっても、この優待料金でチケットを取れるので使い勝手もいい。なお、マイル積算比率は75%となっている。

この搭乗優待を受けるには、「株主優待番号ご案内書」と呼ばれる優待券が必要だ。これは、3月末時点での株主には5月中旬ごろに、9月末時点での株主には11月中旬ごろに発送される。

「株主優待番号ご案内書」には「株主優待番号」と「登録用パスワード」が記載されており、後者はスクラッチ加工で隠されている。搭乗優待を受けるには、航空券購入時か搭乗手続きまでに、スクラッチ部分をコインなどで削った上で、「株主優待番号」と「登録用パスワード」を登録する必要がある。

登録は、ANA公式サイトのほか、ANA予約・案内センター、ANA空港カウンター、ANA取扱旅行会社、空港に設置されている自動チェックイン機などで可能。ANA公式サイトでは航空券購入後、早めの登録を推奨している。

万が一、搭乗優待を受ける航空券をキャンセルして払い戻しを受けた場合でも、株主優待番号の有効期間内であれば、株主優待番号と登録用パスワードを再度利用できる。

ホテル代金20%オフ、パックツアー7%オフの優待券冊子も

ANAの株主優待では、この搭乗優待のほか、ANAグループ各社・提携ホテルの優待クーポン券の入った冊子を株主1名に対して1冊発行する。こちらは、100株以上で1冊しかもらえない。

まずクーポン券の目玉となるのが、全国のANAインターコンチネンタルホテル、ANAクラウンプラザホテル、ANAホリデイ・イン(大阪難波は対象外)などの宿泊優待だ。冊子には、ベストフレキシブル料金(予約日や滞在日程によって変動するお得な宿泊料金)からさらに20%を割り引く(室料のみ)割引券6枚が付く。

優待券1枚で1室何泊でも利用できるので、ANAグループのホテルをよく使う人にはうれしいクーポン券だろう。利用除外日があるものの、ビジネス利用ならあまり問題にならないはずだ。

さらに、ホテル関係のクーポン券として、レストラン・バーでの飲食優待10%割引券5枚、婚礼の飲食代10%割引券1枚、対象ホテルでの宴会・会議の室料15%割引券3枚などが付く。タイミング次第では、婚礼の飲食優待などは、数十万単位での節約になるかもしれない。

そのほか、国内・海外パッケージツアー商品(ANAスカイホリデー・ANAハローツアー・大人のゆとり旅・ANAワンダーアース)の7%割引券が各2枚ずつ、空港内売店(ANA FESTA・ANA DUTY FREE SHOP)の10%割引券5枚、ゴルフプレー(武蔵の杜カントリークラブ・早来カントリー倶楽部)の料金優待券計7枚などの優待券が付いてくる。これらの優待券を上手に活用することで、よりお得に旅行を楽しめるだろう。

搭乗優待を使う? それともヤフオクに出品する?

では、これらのANA株主優待は、ヤフオク(「ヤフオク!」)ではどれくらいの価格で出品されているのだろうか?

出品されているのは、そのほとんどが搭乗優待を受けられる「株主優待番号ご案内書」で、1枚約3000円から。即決価格は3700円を超える位がボリュームゾーンとなっている。1枚あたり同じぐらいの値段で、複数枚セットでの出品も多い。

これを前提にまず出品側から考えてみると、1枚あたり3000円台となれば、ANA国内線に乗る予定のある人は、ヤフオクに出さずにそのまま使ったほうがお得ということになる。

しかし、国内線に乗る予定のない人、旅行日程が早くからわかっていて「旅割」などの割引運賃を利用できる人、あるいは、バニラエアやピーチ、ジェットスターなどのLCC(格安航空会社)を利用する人は、ヤフオクを利用して搭乗優待を現金化するほうがお得だ。

先の例で、「羽田-那覇」便の片道50%オフ料金が2万2900円と記したが、例えばLCCのジェットスターであれば「成田-那覇」間が片道1万円を切ることも珍しくない。料金が8000円だとすれば、搭乗優待をヤフオクで3700円で売ると、実質4300円で那覇まで飛べることになる。これは、ANA正規料金の約10分の1の価格だ。

ただし、LCCは時期によって価格が変動することに注意したい。「成田-那覇」間でいうと、ピーク時期には片道2万円を超えることもあり、その場合、搭乗優待を使ってANAに搭乗したほうが賢明だろう。

また、LCCは就航路線や本数が限られ、機内サービスも有料だ。一方、ANA国内線は路線も本数も多く、機内サービスも基本無料なので、やはり使い勝手の面で捨てがたいものがある。

ANAの搭乗優待を使うか、LCCを使って搭乗優待をヤフオクに出品するかという選択は、ケース・バイ・ケースで考える必要がありそうだ。

番号・パスワードのみを通知する出品には注意

では次に、ヤフオクで搭乗優待を購入する(落札する)ケースを考えてみたい。

冒頭でも記した通り、株主優待の最低条件である100株を取得するには41万8700円の投資金額が必要なわけだが、投資ではなく株主優待だけが目当てなら、これは少々大きい金額といえる。

そこで、ANA国内線に搭乗する予定があり、搭乗優待だけを利用したいなら、ヤフオクでの搭乗優待購入が選択肢の一つとなる。

その際、先ほども紹介したように、複数枚使う予定があればセットになっているほうがお得だ。往復利用が多いだろうから、最低でも2枚セットで購入することになるだろう。

そこまでは基本として、ここでさらに、ヤフオクで株主優待を購入する際に押さえておくべきポイントを二つ挙げておきたい。

まず一つ目は、株主優待番号と登録用パスワードの記載された「株主優待番号ご案内書」が手元になくても、航空券の予約・購入ができるということ。つまり、先に航空券を押さえておいてから、ヤフオクで「株主優待番号ご案内書」を購入するという順序でもいいことになる。

さすがに出発直前ではタイミング的に難しそうだが、後から株主優待を購入できるのは便利だ。

もう一つのポイントは、落札者に対して「株主優待番号ご案内書」を送付せず、株主優待番号と登録用パスワードだけを知らせて、「株主優待番号ご案内書」は一切送付しない形をとる出品が存在することだ。

これは、郵送にかかる経費や手間をはぶいた取引方法だろう。確かに、仕組み上は株主優待番号と登録用パスワードだけがあれば搭乗優待を受けられるのだが、ANA公式サイトを見ると、搭乗優待の手続き後も実際の搭乗が終了するまで「株主優待番号ご案内書」を大切に保管するようにうながされているため、万一のことを考えて、やはり、落札後は実物を送付してもらったほうがいいだろう。

規約上、メルカリには搭乗優待は出品できない

ANAグループ各社・提携ホテルの優待クーポン券冊子についても触れておこう。

先に述べたように、ANA株主優待のヤフオクへの出品のほとんどは搭乗優待を受けるための「株主優待番号ご案内書」だが、クーポン券冊子も少ないながら出品されている。

価格の相場感は即決価格で300~450円程度。パッケージツアー料金割引券だけが1枚100円で出品されていることもある。「ANA優待券」の名称で出品されていることが多いので、搭乗優待を受ける「株主優待番号ご案内書」と間違えないよう注意したい。

なお、フリマアプリのメルカリでは、規約により「金銭と同等に扱われるもの全般の販売」が禁止されており、以前は扱うことのできた株主優待券は現在出品禁止となっている。うっかり出品してしまい、取り消しされた出品者がたくさんいるようだ。

ただし、いわゆるクーポン券などを扱う「優待券・割引券カテゴリー」は健在で、こちらではANAの優待クーポン券冊子が出品されている。規約上のボーダーラインが不明瞭だが、メルカリにおける優待クーポン券冊子の相場感としては、300~400円程度となっている。(ZUU online編集部)