アンリツ <6754> をご存知だろうか? 投資初心者には馴染みが薄いかも知れないが、株式市場では「5G関連銘柄」として知名度も人気も高い上場企業である。スマートフォンや通信基地局等からの電波が正しく出力されているかを調べる通信計測器では世界トップクラスであり、次世代通信規格「5G」の普及になくてはならない企業の一つである。

注目されるのは、6月29日にアンリツの株価が年初来高値となる2656円を付けたことだ。今回はアンリツの最新動向をお届けしたい。

アンリツ、株価は過去4年で5倍

(画像=SasinP / pixta, ZUU online)

アンリツは神奈川県厚木市に本社を構える計測機器大手で、創業は1895年と長い歴史を誇る企業だ。BtoB(企業間取引)が中心なので、決して知名度が高いとは言えないが通信技術の発展には欠かせない技術を有している。具体的には携帯端末や通信基地局、ネットワーク等からの電波が正しく出力されているかを調べる計測機器を、通信事業者や端末メーカー、半導体メーカー等に販売している。通信機器が「5G」に対応しているのか、様々な環境下において意図した通りの動作を達成できているのか、セキュリティは万全なのか……といったことを確認するためにアンリツの技術は必要不可欠なのだ。

株式市場で「5G関連」で注目度の高い銘柄としては通信大手のNTT <9432> 、KDDI <9433> 、ソフトバンク <9434> のほか、通信機器メーカーのNEC <6701> 、富士通 <6702> 、半導体大手の東京エレクトロン <8035> 、アドバンテスト <6857> 、電気通信工事で最大手のコムシスホールディングス <1721> などがあるが、アンリツも同じように「5G関連」として度々注目を集めている銘柄でもある。

冒頭で述べた通り、アンリツの株価は6月29日に2656円の高値を付けているが、これは2001年のITバブル以来約19年ぶりの水準でもある。ちなみに、アンリツの株価は過去4年間で約5倍に上昇、年間パーフォーマンスは2017年で2倍、2018年はプラス20%、2019年はプラス42%、そして2020年は新型コロナ危機の影響を受けながらも6月の高値まででプラス22%を記録している。

新型コロナ禍でも業績好調、5G関連が追い風