(本記事は、安井将弘氏の著書『これが最後の投資になる! はじめてのアンティークコイン投資』セルバ出版の中から一部を抜粋・編集しています)

プロセスその1:予算

(画像=eisenhans/stock.adobe.com)

(1)予算を決める

株でも投資信託でも、投資を行う場合、誰もがまず投資につぎ込む予算を考えると思います。コイン投資も同じです。まず、コイン投資にどのくらいの予算を組むのか、そこが第1のステップです。

ただし、株などと異なるのは、アンティークコインというのは、じっくり時間をかけて値上がりしていくことが少なくないため、5~10年は持っておくという前提で購入していただくのがよろしいかと思います。ですから、生活費の一部を削って、などの投資は絶対に行わないでください。

また、これはアンティークコインに限ったことではありませんが、投資を行う場合は分散投資がおすすめです。預金に○パーセント、株に○パーセント、FXに○パーセント、そして、コイン投資に○パーセントというようなイメージで、ご自身のポートフォリオを作成してから、始めていただくと、より安心して投資に取り組めることでしょう。

アンティークコインは、その美術品的な価値の高さから集めていくほどに、次々と良品が欲しくなってしまう傾向にあります。最初は安価なコインから始めて、そのコインを売却して増えた予算で、次のワンランク上のコインを求めていくという方法もあります。その方法で、ずっと欲しかった憧れのコインを手にしたお客様も実際におられます。その際、私は、あくまで予算の範囲内での購入をおすすめしております。

アンティークコインの価格もピンからキリまでありますが、もしも気軽に始めたいという場合なら、エリザベス女王のモダンコインから始めて、予算を増やしていくという方法もあります。この場合ですと、数十万円台からでも始めることができます。

今の時代、銀行などに預金をしていてもほとんど金利はつきません。であれば、同じ期間、銀行に預けておくよりは、コインとして保有し、値上がりしたところで売って、リターンを得るという方法がおすすめです。

(2)売り時の目安を考えておく

コインを購入する際には、ぜひ売り時の目安も考えておいていただければと思います。たとえば株式の場合、手持ちの株の価格が買ったときの20%値上がりしたら売ると決めておくという利益確定法を実践している方もいらっしゃるかと思います。逆に損切りの場合は、買った時の価格より7%下落したら売りに出すというパターンもあるでしょう。

コインの場合は、利益確定の割合がもう少し高く、これまでのお客様のデータから価格が1.5倍~2倍に上がったときが売り時だとお考えになっていらっしゃるようです。コインの場合は、株価のように短期間での値動きはありませんから、長い期間持っていただくことが前提とはなりますが、150%~200%の値上がりということになります。

つまりコインの場合は、株のように細かく値動きを気にする必要はなく、ずっと持っていていただいて、値上がりしたタイミングで売りに出すだけでコインの資産を1.5倍から2倍に増やすことができるとも言えるのです。

ただし、これまではアンティークコイン市場は活況で、25年間一度も値下がりすることなく上がり続けてきましたが、これからも同じような値動きをするとは限りません。またコインによっては、調整局面が入る可能性もありますから、万が一値下がりしたときに、どれくらいになったら売ればいいかを考えておいていただく必要もあります。

コインの場合は時間を置くほどに希少性が高まってきますから、いったん値段が下がったとしても、また上がる可能性が高くなっております。こうした目安を考えておくことで、急激に値上がりしたときや、値下がりしてしまったときにも落ち着いて対処ができるのではないかと思います。

(画像=『これが最後の投資になる! はじめてのアンティークコイン投資』より)

(3)コインの出口戦略を考える

出口戦略とは、もともとベトナム戦争時にアメリカ国防省が用いた言葉で、戦況が不利な状態から、いかに損害を抑えつつ撤退するかという方策を示すものでした。それが転じて経済用語としても使われるようになり、企業の経営が不振に陥ったときに、経済的な損失を最小限に抑えるとか、あるいは、最近では、投資のために使ったお金を最大限、回収するといった意味でも用いられています。

ここで言う出口戦略とは、もちろんコインに投資したお金をコイン売却時に、最大限、回収するという意味です。

コイン投資をされているお客様にアンケートを取ると、

「買ったコインの価格がどれくらい値上がりすれば売りたいですか?」

という問いに対して、最も多かったのが、「1.5倍から2倍」という答えでした。

投資の利ざやという観点からすると、なかなかの高リターンです。しかし、アンティークコインの場合は、条件さえ整えば、このリターンを得ることは決して不可能ではありません。

では、コインに投資したお金をよりよい状態で回収するにはどうすればよいのでしょうか?

答えは、案外シンプルで、長く保有することなのです。コインに限らず時計や家具などアンティーク品は、時間が経つほどに希少性が高まり、プレミアがつきやすくなります。同様に、アンティークコインは、長く持ち続けるほど、リターンが大きくなる性質を持っています。半年や1年で売却するのではなく、10年、20年と長く保有していただいたほうが、結果として利ざやが大きくなります。

しかし、長く持ち続けることで市場価格から大きくかけ離れて、下落する可能性はないのかと心配する方もおられるかもしれませんが、アンティークコインについては、これまでの実績から見ても、とても安全性の高い資産です。ほとんど値下がりすることはありませんが、その分、値上がりもゆっくりです。FXや仮想通貨のように、値段の上がり下がりが激しく、それゆえに買ってすぐ利益がポンと出るたぐいの投資とは、性質が異なります。

ですから、株やFX、債権といったペーパーアセットと組み合わせ、安全性の高い実物資産として保有していただくのに最適なのです。いわば、アンティークコインは、ハイリスクハイリターンのペーパーアセットを補完する資産という位置づけです。

さらに言うなら、コイン投資が盛んな欧州では、希少なコインは自分の世代で換金するのではなく、親から子へと代々受け継いでいく資産としての位置づけが一般的です。もしも自分の世代で生活資金に余裕があるなら、急いで換金する必要はありません。ぜひお子様、お孫様へとコインを受け渡していただければ、おそらく子孫のほうが驚くような実入りが期待できるはずです。

なお、ご子息への譲渡を視野にアンティークコインのご購入を検討されている場合は、購入するコインのおすすめの組み合わせ等がございます。この点に関しましては企業秘密となりますので、店頭で個別にご説明させていただければと思います。

コインを長期保有することの利点は、他にもあります。人生100年と言われる時代です。長く生きているうちには、万が一のことが起こり、思いがけないまとまった支出が必要になる場面もあるかもしれません。そうなった場合には、長期保有していたコインを売却することで、突然の支出に備えることが可能なのです。

ただし、アンティークコインの場合は、これまでは、売却時に現金化するのに時間がかかりすぎるというデメリットがありました。オークション等で売却するにも数か月間もの時間がかかっていたのです。そうしたお客様にとっての不利を改めるべく、弊社では手軽にコインの売買ができるコインのフリマアプリ「コインプラザ」を開発中です。本書の出版とほぼ同時に完成している予定です。

日本では戦後、蚤の市のようなフリーマーケットからスタートしました。しかし、インターネットが普及した今の時代では、ヤフオクやメルカリといったネットオークションが主流です。コインの売買もこうした時代の波に沿うべきだと考えて、稼働を計画したアプリです。内容は、フリーマーケットとオークションが合体したような、お客様に売買の楽しみを満喫していただけるスタイルとなっています。

このアプリが稼働すれば、お客様ご自身が直接、気軽にコインの売買を行っていただけます。しかも手数料は市場のオークションと違い、リーズナブル。コインの出口戦略にまた1つ、新たな道が拓けます。ぜひご期待ください。

プロセスその2:コイン選び

(1)コインの値上がり傾向について

さて次はいよいよコイン選びですが、まずコインを選ぶ前に、コインの値上がり傾向について、ご説明しておきましょう。

突然ですが、ここで問題です。

発行数100枚で、単価が10万円のコイン
発行数10枚で、単価が100万円のコイン

この2種類のコインがあり、どちらもコレクターに人気があると仮定します。さて、どちらのコインを買えば、より短期間での値上がりが期待できるでしょうか?

これまで繰り返しご説明してきた、コインの希少性ということに気づいて下さった方にとってはたやすい問題だったかもしれませんね。

そうです、答えは発行数10枚、100万円のコインです。もちろんコインの種類にもよりますが、多くの場合、発行枚数が少なく価格の高いコインのほうが値上がり率が高くなる傾向にあります。一見、価格の安い10万円のコインのほうが早く売れそうに思われますが、ポイントとなるのは発行数なのです。

私どもがコインを購入されたお客様にアンケートをとったところ、多くのお客様が次にコインを売る場合、「買った値段の1.5倍~2倍の値段」で、売りに出すことを希望されていました。

ですから単価10万円のコインは次に売り出されるときは、20万円という価格が設定されることになります。一方、単価100万円のコインは次に売り出される時は単価が200万円という価格となります。

こうした値動きを繰り返しながら、コインの価格は上昇していくわけですが、発行枚数が多いコインのほうは市場からすべて売れてしまうまでに時間を要します。100枚コインがあるということは、新たな買い手を100人見つけなければならないということでもあるからです。一方、10枚のコインのほうは、その10分の1の人数の買手が見つかれば、市場からコインがすべて消えていきます。

さて、次にコインが市場に現れるとき、発行数100枚のコインの価格は、40万円ですが、10枚のコインのほうは、すでに価格が400万円にまで跳ね上がっています。しかも、売り切れるサイクルは、10枚のコインのほうが圧倒的に早いと言えます。この繰り返しによって、枚数が多く安価なコインよりも、希少性が高く、価格も高いコインのほうが値上がりが大きくなっていくのです。

この問題では、わかりやすいように単純化して文章にいたしましたが、実際、コインを販売しておりますと、希少で価格の高いコインほど、早く値上がりしていく傾向にあることは間違いありません。

(2)コインを選ぶ

さて、大まかな予算が決まったら、いよいよコイン選びです。

私のおすすめは、イギリスコインですが、ぜひ色々なコインをご覧になって、「これだ」と思える1枚を選んでいただきたいと思います。コインに限らず、なんでもそうですが、それに費やす時間に比例して「目が肥えてくる」ことがあるからです。

どうして私が、あらかじめ購入したいコインの目星をつけておくことをおすすめしているかというと、お店とのコミュニケーションを効率よく行うためです。たとえばあなたが大きな金貨が欲しいと思って、訪ねたお店が銀貨中心の品揃えだったとしたら、全くの無駄足ということになりかねません。あらかじめカタログなどで、好みのコインを絞って、そうした商品を置いているお店を訪ねたほうが効率的なのは言うまでもありません。

その際、「どの国のどういう素材のコインが欲しい」といったようにできるだけ具体的に店側に伝えたほうが、好みに合ったコインを出してもらえます。実は大きな金貨が欲しいと思っていたのに、お店側から銀貨を案内されても、お互いに時間の浪費ということになってしまいます。

また、あらかじめこのようなコインを購入しようと目安を決めておけば、お店でいろいろなコインを紹介されたとしても、つい衝動買いしてしまう可能性を防ぐことができます。

では、好みのコインをどのように探したらいいのでしょうか?昔はコインの販売店やコインショーなどに出向かないと、コインを見ることはできませんでしたが、最近では本書のような書籍はもちろんのこと、ネットでも様々なコインの写真が掲載されています。また、本格的に取り組みたい方には、世界共通のコインのカタログといったものも発行されています。

不思議なもので、数多くのコインを見ているうちに、その細部の違いや、デザイン、レリーフの巧さなどが、自然にわかるようになってきます。なぜか無性に心惹かれるコインというものがありますので、ご自身の運命のコインを探してみるという方法もありだと思います。

(画像=『これが最後の投資になる! はじめてのアンティークコイン投資』より)

また、コインへのこだわりは特になくて、とにかく値上がり重視で、という選び方ももちろんあります。そのような場合は、コイン販売店などにご相談いただくのが一番です。コインに詳しい専門スタッフがいるショップなら、コインに関する様々な知識を披露してくれることでしょう。そうした会話を楽しむことができるのも、コインショップならではの魅力と言えるかもしれません。

コインと言えば、金貨というイメージがあるかと思います。そして、金貨と銀貨を比較すると、同じデザインであれば、やはり金貨のほうが価格が上です。しかし、中には、銀貨なのに金貨をはるかに超えるレコードプライスを叩き出している物もあります。アメリカで2013年のオークションで市場最高額の約11億円もの価格がついたフローイング・ヘア・ダラーと呼ばれる1枚です。

ちなみに「ウナ&ライオン」の金貨は、状態にもよりますが、最新のデータでは4000万円台~8000万円台となっています。状態のよいものであれば、それ以上の金額となります。それに対して、銀貨は発行数がわずか8枚とされており、やはり3200万円ものレコードプライスを出しています。

さて、コインを購入される際にお客様からよくいただくのが「金貨と銀貨、どちらを購入すればよいのでしょうか?」というご質問です。これに対して私は、金貨と銀貨を併せ持っていただきたいとお答えしています。その理由については、本書では明らかにすることができませんので、ぜひ直接お目にかかってお伝えできればと思います。

安井将弘(やすい・まさひろ)
株式会社コインパレス代表取締役社長。近畿大学付属高校卒、帝塚山大学卒、奈良県出身。日本におけるアンティークコイン投資の第一人者。2008 年まで勤務した神戸の商社を退職後、家業のサン薬局チェーンのプロパーとして勤務、沖縄(宮古島)での建築見習い、その後有料老人ホームへの勤務を経て退職する。恩師より頂戴した1枚のコインを機に独立。ヤフオクの「アンティークコイン部門」で月間売上No.1 を達成する。自らコインショップの株式会社コインパレスを設立し代表取締役に就任。神戸に日本初の本格アンティークコインのショールーム兼ラウンジを開設。アンティークコインのコンシェルジュとして日夜研鑽に励む。

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