CONNECTは、大和証券グループが運営するスマホ証券サービス。月10回まで手数料無料で、単元未満株にも投資できる。スマホとの親和性が高く、初心者でも利用しやすいサービスといえるだろう。ここでは、証券口座の開設を検討している投資初心者に向けて、CONNECTの特徴や利用するメリット、注意点などを解説しよう。

1,CONNECTの3つの特徴は?

大和証券,コネクト,単元未満株,メリット,デメリット
(画像=CONNECT公式サイトより)

まずは、大和証券グループの新スマホ証券「CONNECT」の主な特徴を3つ紹介しよう。

特徴1,口座開設から資産管理までスマートフォンで完結

CONNECTの特徴として、まずスマートフォンとの親和性が高いことが挙げられる。口座開設や入金、売買取引、資産管理など、一連の流れをすべてスマートフォンで完結できるのだ。

本人確認書類の提出も、スマートフォンで撮影して送信すれば完了。後日郵送されるログイン情報をもとにアプリにログインすれば、入金や取引を始められる。口座開設やログインだけでなく売買注文も、初心者でも操作しやすいように画面が設計されている。

特徴2,毎月10回まで手数料無料のクーポンが使える

証券会社選びで重要なのは、取引手数料だろう。CONNECTでは毎月10枚まで無料クーポンを受け取ることができ、クーポンを使うと国内株式の取引手数料が無料になる。現物取引でも信用取引でも利用でき、余ったクーポンは翌月まで繰り越せる。信用取引口座を開設すれば、さらに毎月10枚の手数料無料クーポンがもらえる。

特徴3,少額投資ができるサービスが充実

CONNNCTは初心者に向けて、少額投資ができるサービスを複数用意している。

例えば「ひな株」は単元未満株を取り扱うサービスで、株式を1株から取引できる。

「まいにち投信」は、投資信託を毎日100円から積み立てられるサービスだ。買付手数料がかからず、信託報酬も低い銘柄が揃っているため、積立投資に適している。

「Stock Point for CONNECT」を利用すれば、Pontaポイントや永久不滅ポイントなどのポイントを運用することもできる。

このように、多額の資金を用意できない人でも投資ができるよう、便利なサービスが充実している。

2,CONNECTの基本情報を紹介

上記のような特徴のあるCONNECTだが、会社情報や取扱商品などの基本スペックを整理しておこう。

CONNECTのサービス基本情報一覧(2021年11月10日現在)

会社情報 会社名 株式会社CONNECT
(大和証券グループ)
設立 2019年4月1日
資本金 83億円(資本準備金を含む)
自己資本規制比率 370.2% (2021年9月末)
口座開設数
口座 口座開設手数料 無料
口座管理手数料 無料
入出金・振替 入金方法 日本円
リアルタイム入金
(平日8:30~18:00)
無料
出金日数 ・平日0:00~8:29の場合、8:30頃に反映
・平日8:30~15:29(※)の場合は即時反映
※15:00~15:30は一部の金融機関で非対応
・その他の場合、当日は指定不可
出金手数料 ・一部の金融機関を除き無料
・以下の銀行口座への振込は
月3回まで無料、
4回目以降は1回あたり154円(税込)
・楽天銀行
・新生銀行
・GMOあおぞらネット銀行
リアルタイム入金
提携金融機関数
ツール・サービス PC版取引ツール Webサービスあり
スマートフォン版
取引ツール
・CONNECTアプリ
(iPhone・Android)
現物株注文方法 ・成行
・指値
(Webサービスのみ、寄付、引け、不成を提供)
執行条件付き注文
自動売買発注方式
取扱商品 株式 ・現物株取引
・単元未満株(ひな株)
・IPO
・信用取引
・Stock Point for CONNECT
先物・オプション
外国株 ・米国株
その他 ・投資信託
(つみたてNISA対応)
・ひな株USA
株式取扱銘柄 ・東京証券取引所上場株式
(ETF・REIT含む)
※CONNECTのホームページを元に筆者作成
※現物株式、ひな株は一般NISA対応

3,CONNECTの手数料―手数料無料クーポンをもらえる

ここからは、CONNECTの各種手数料を見ていこう。

取引種類 手数料 上限
現物株 売買代金の0.033% 660円
信用取引 売買代金の0.033% 330円
ひな株 無料  
※ひな株は買い注文の場合、時価に手数料相当0.5%を加えた価格を画面に表示

現物取引(単元株)の手数料は一律で売買代金の0.033%、上限は660円(税込)だ。ただし毎月10枚まで手数料無料クーポンをもらえるので、その範囲で手数料が無料になる。ひな株(単元未満株)の手数料は、約定金額に含まれる仕組みになっている。

信用取引の手数料も売買代金の0.033%で、上限は330円(税込)。信用口座を開設していれば、さらに手数料無料クーポンを毎月10枚までもらえる。

投資信託の買付手数料は、全銘柄で無料だ。

4,CONNECTの6つのメリット

ここまでCONNECTの基本情報や手数料について説明してきたが、ここからは口座を開設することで得られる6つのメリットを見ていこう。

メリット1,手軽に始められてアプリも使いやすい

CONNECTはスマホから手軽に口座を開設でき、入出金も取引もスマホでできる。書類を手で記入したり郵送したりする手間がかからないため、思い立ったらすぐ始められるのが魅力。本人確認書類も、スマホで撮影した画像を送信するだけなので簡単だ。

ペーパーレス・印鑑レスで口座を開設できるため、デジタルに慣れている人にとっては利便性が高い。

メリット2, 取引手数料が安い

取引手数料の安さもメリットとして挙げられる。現物取引でも信用取引でも、月に10枚まで手数料無料クーポンをもらえるため、5往復分の取引は手数料がまったくかからない。

スイングトレードや長期トレードであれば、手数料をまったく支払うことなく取引をすることもできるだろう。しかも、余ったクーポンは翌月に繰り越せる。

手数料無料クーポンを使い切った後も、現物取引は売買代金の0.033%で上限660円、信用取引は0.033%で上限330円とわかりやすい料金体系であり、初心者にやさしい。

メリット3,単元未満株の取引ができる

CONNECTのひな株では、1株単位で取引ができる。通常、株式投資は単元株(100株単位)でしか取引できないため、ある程度まとまった資金が必要になる。例えば1株2万円なら、200万円(=2万円×100株)を用意しなければならない。

しかしひな株では、1株分の資金があればその銘柄に投資できる。基本的に株主優待は単元株を対象としているため受けられないが、配当は単元未満株でも株数に応じて受け取れる。

初心者は、まずひな株を利用してさまざまな業界の銘柄に投資し、リスクを分散するのもよいだろう。ただし、CONNECTの手数料無料クーポンは単元株が対象で、ひな株は対象外であることに注意したい。

メリット4, ポイント投資もできる

CONNECTには「StockPoint for CONNECT」というサービスもあり、ポイント投資をすることもできる。Pontaポイント、永久不滅ポイント、ドットマネーのポイントなどをStock Pointに交換すると、ポイントを投資に回すことが可能だ。

投資である以上、ポイントが減るリスクはある。これは現金による投資と同じだ。しかしポイントが減ったとしても、心理的・経済的なダメージは小さいだろう。

貯めているポイントがあるものの活用できていない人は、ぜひ利用してほしい。

メリット5, 大和証券グループが手掛けるサービスなので安心

CONNECTは、大和証券グループ本社が100%出資した子会社が運営するサービスだ。新興企業のサービスのようにも見えるが、大手証券会社がバックに付いているので安心して利用できる。

メリット6, IPOサービスが充実している

メリット5と関連するが、大和証券は主幹事銘柄を含めてIPO取扱銘柄数が多い。CONNECTでは、大和証券が引き受けるIPO銘柄の抽選にも参加できる。

CONNECTに配分されるIPO株は、その100%が抽選で配分される。70%が完全抽選で、30%は以下の条件に該当する人に対する優遇抽選だ。

・年齢が39歳以下
・NISA口座開設者
・信用取引口座を開設
・信用取引の建て玉を保有
・投資信託の残高を保有

2020年7月にサービス開始したCONNECTの口座数は、他のネット証券会社と比べると少ないはずだ。よってIPOの当選確率が他よりも高い可能性があるため、IPO株を狙っている人は口座を開設しておきたい。

5,CONNECTの4つのデメリット

数々のメリットがあるCONNECTだが、以下のデメリットも押さえておこう。

デメリット1,外国株取扱がないなど取扱商品が多くない

CONNECTで売買できる株式は、東京証券取引所の上場株式のみだ。外国株式や債券、先物、オプション、金、プラチナといった商品は取り扱っていない。CONNECTは投資初心者向けで、これから国内株式の取引を始める人のためのサービスといえる。

デメリット2,現物株式の注文方法は成行と指値のみ

初心者でもスマホで簡単に操作できることを重視しているため、注文方法が限定されている。株式の注文方法は成行と指値のみで、執行条件付き注文や自動売買などはできない。

デメリット3,CONNECTとStockPoint for CONNECTは別のアプリ

まずStock Point for CONNECTでポイント運用から始めて、慣れたら株式取引をしたい人もいるだろう。しかしCONNECTアプリとは別のアプリであり、株式取引と同時に行いたい人は2つのアプリを操作する必要がある。

デメリット4, NISAでIPO銘柄を購入できない

CONNECTでは、NISAでIPO銘柄を購入できない。SBI証券やマネックス証券、auカブコム証券などでは、NISA口座でIPO銘柄も売買できる。

大和証券グループであるメリットをIPO投資において享受できるとはいえ、課税対象となってしまうことは覚えておきたい。

6,CONNECTはどんな人におすすめ?

ここまで解説した内容から、CONNECTは以下のような人に向いているといえるだろう。

・入出金や取引などをスマホで完結したい人
・国内株式を安い手数料で取引したい人
・少額投資をしたい人

CONNECTはスマホで口座を開設でき、入金や取引もアプリを使って簡単にできる。サービス内容もシンプルで、投資初心者でもわかりやすい。

手数料無料クーポンを使えば毎月10回まで無料で取引できるので、東京証券取引所の上場企業の株式に、手軽に投資してみたい人に適している。

ひな株を利用すれば単元未満株も取引できるため、少額の資金で投資を始めたい人にもおすすめだ。自分のニーズと合致すると感じたら、CONNECTで口座を開設するとよいだろう。

監修者・近藤真理
証券会社の引受業務やビジネス系翻訳携わったのち、個人投資家として活動。現在は総合証券、ネット証券の両方を使いこなし、経済、金融、HR領域で多数の媒体で執筆中。2019年にフィナンシャルプランナーの資格取得。

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