本記事は、栗原毅氏の著書『 眠れなくなるほど面白い 図解 肝臓の話』(日本文芸社)の中から一部を抜粋・編集しています

人気のストロング系チューハイ(9%)はヤバい飲み物

(画像=PIXTA)

●体への負担もストロング!

ストロング系缶チューハイは、コンビニなどで販売されており、確実に酔える高いアルコール度数と、ジュースのような清涼感と甘さでグイグイ飲めるのが売りのお酒です。一般的にはアルコール度数が7%を超えるとストロング系と呼ばれています。そんな身近な存在であるストロング系のお酒は実はヤバい飲み物なのです。

ヤバい理由はふたつ、ひとつ目はアルコール度数の高さです。アルコール度数9%の缶チューハイ(500ミリリットル)の純アルコール量は36グラムあり、これはアルコール度数43%のウイスキーロック(30ミリリットル)3.5杯分に相当します。さらにアルコール度数12%の場合は純アルコール量は48グラムになり、ウイスキーロック4杯分に相当し、1缶だけでも肝臓への負担はかなりのものになります。

ふたつ目は缶チューハイに含まれる単糖類の存在です。フルーツの味を売りにした缶チューハイには単糖類である果汁と甘味料・コーンシロップが添加されています。単糖類は体内での分解・吸収の速度が速く、血糖値が急上昇しやすいため、脂肪が溜まる原因になります。

気軽に酔えて飲みやすいストロング系缶チューハイには肝臓に大きなダメージを与える強烈なアルコール度数と、脂肪肝に繋がる多くの単糖類が含まれているのです。

(画像=『眠れなくなるほど面白い 図解 肝臓の話』より)

居酒屋の生○○サワーの落とし穴

●生○○サワーはまったくヘルシーじゃない

居酒屋の定番と言えるお酒のひとつに「生◯◯サワー」というものがあります。頻繁に目にするのは、「生レモンサワー」や「生グレープフルーツサワー」で、甲類焼酎に炭酸水、シロップ、その場で絞ったフルーツの果汁を混ぜて飲むお酒です。一見すると添加物が入っていない生のフルーツを使ったサワーは、ほかのお酒よりも健康的でヘルシーと思われるかもしれませんが、それは大きな間違いです。

甲類焼酎を割るのに使われる炭酸には、血管を広げて血の流れをよくするという働きがあり、アルコールが早く脳に行き届くようにします。少量で酔える反面、飲み過ぎるとロック、水割り、お湯割りよりも体への負担が大きくなります。

サワーに含まれている糖質の存在にも注意が必要です。サワーを飲みやすくしている果汁やシロップは果糖であり、肥満の原因に繋がります。実は一般的なレモンサワー1杯の糖質は約20グラムあり、3杯飲むとなんとご飯1杯相当の糖質を摂取したことになります。ついつい飲み過ぎてしまうとかなりの量のご飯を食べるのと同じなのです。

このように飲みやすい生◯◯サワーには炭酸と果糖という落とし穴があり、ほかのお酒より太りやすいので気をつけましょう。

(画像=『眠れなくなるほど面白い 図解 肝臓の話』より)
栗原毅(くりはら・たけし)
1951年新潟県生まれ。北里大学医学部卒業。前東京女子医科大学教授、前慶應義塾大学特任教授。現在は栗原クリニック東京・日本橋院長を務める。肝臓の専門医としての日本の第一人者。脂肪肝の改善こそがメタボリックシンドロームの予防・改善に役立つと提唱。治療だけでなく予防医療にも力を入れている。血液サラサラの提唱者のひとりとして知られる。

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