本記事は、栗原毅氏の著書『 眠れなくなるほど面白い 図解 肝臓の話』(日本文芸社)の中から一部を抜粋・編集しています
酔っ払いやすいお酒はコレ!
●炭酸や温かいお酒は酔いやすい
アルコール度数が高いものはまだしも、炭酸入りや温かいお酒はなぜ吸収されやすいのでしょうか?その理由について説明します。
炭酸には胃や腸の動きを活発にする効果があります。さらに喉越しの良さが増すため、一度に飲む量も多くなりがちです。ワインはアルコール度数が低く、最初から飲むのに適したお酒ですが、スパークリングワインは炭酸を含んでいるため、乾杯のときに1杯飲む程度にしておくのが賢明と言えるでしょう。
温度が高いお酒もアルコールの吸収が早くなるので注意が必要です。日本酒で言えば熱燗が最も吸収されやすく、以下、ぬる燗、常温、冷酒の順になります。冬の寒い日に熱燗を飲むと、体が温まって顔が赤くなることがあります。あれはアルコールが素早く吸収されてフラッシャー(フラッシング反応)が起こった状態と考えられます。これは、アルコールが分解されてできる発がん性が疑われるアセトアルデヒドの影響で、顔などの毛細血管が拡張して赤くなることです。熱燗などの温かいお酒を飲む場合は、最初にビールを1、2杯飲んでおくのがベターです。また、量を守らなければ意味がありません。強いお酒は1、2杯と決めておき、飲み過ぎないように注意してください。
チェイサーは肝臓にも尿酸値にも効く魔法の水
●小まめな水分補給で脱水症状を防ぐ
お酒を飲んでいるとトイレが近くなります。これはお酒で水分を摂っているからではありません。アルコールが体内に入ると、尿を我慢する作用がある抗利尿ホルモンが抑制され、尿意を感じやすくなるのです。この利尿作用によって必要以上に尿が出てしまうと、体の水分が失われ、脱水症状を引き起こします。
お酒を飲んだあとに喉の渇きを感じたり、唇が渇くことはないでしょうか?実はこれが、脱水症状のサインであり、こってりとしたラーメンが食べたくなるのも、尿と一緒に塩分が排出されているからなのです。脱水症状を起こすと肝臓のパフォーマンスが低下し、アルコールの分解も滞ってしまうほか、尿酸値も上がり痛風の危険も。二日酔いもアルコールの分解が終わらないために起こる現象なので、脱水症状は二日酔いの間接的な原因とも言えます。
お酒を飲むときは、必ず水分を一緒に摂りましょう。目安としては、飲んでいるお酒と同量の水が良いでしょう。日本酒1合なら180ミリリットル、焼酎なら2倍の水割りといった具合です。だからこそ、チェイサーはとても理にかなった代物と言えます。家で飲むにしろ、外で飲むにしろ、チェイサーやその代わりとなる水あるいはお茶を用意しておきましょう。
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