本記事は、栗原毅氏の著書『 眠れなくなるほど面白い 図解 肝臓の話』(日本文芸社)の中から一部を抜粋・編集しています
休肝日は不要!
●週単位で考えればストレスなし!
「週に1~2日は休肝日」という考えが、なかば常識になっていますが、休肝日の翌日に我慢した反動でたくさん飲んでしまったらまったく意味がありません。
そのため、現在は1週間単位でアルコールの摂取量を管理するのが合理的という考えが主流です。つまり、休肝日は不要というのが新しい常識なのです。
厚生労働省は「1日の純アルコール量20グラム」を基準値としています。許容量ということであれば、1日40グラムまでですので、1日あたり20~40グラム、1週間あたり140~280グラムに収まるようにコントロールしてください。これなら自分の判断で調整できるので、休肝日で飲めないといったストレスもありません。週末に宴会があるので、週の前半はセーブしておき、宴会のとき、ガンガン飲むということもできます。
ただし、女性は一般的に男性よりも肝臓が小さく、アルコール処理能力が劣ると考えられており、女性ホルモンがマイナス因子になるとも言われています。世界各国の1日許容量(下図参照)を見ても、ほとんどの国で女性は男性の3分の2から半分となっています。そのため、1日15~30グラム、週換算で105~210グラムが女性の基準と考えてください。
『お酒は太る』はウソ
●太るのはお酒ではなく“糖質”のせい
ぽっこり出たお腹を「ビール腹」というように、「お酒を飲むと太る」というのは常識となっていました。ビール500ミリリットルのカロリーは約200キロカロリーあり、ご飯一膳分のカロリーに匹敵するので頷ける話です。
しかし、アルコールに含まれるエネルギーの多くは、熱量として放出されることがわかっており、体内に蓄積されにくいとも言われています。各国の研究によって、アルコール摂取量と肥満に関連性がないこともわかってきました。
それでは、なぜお酒をよく飲む人は太っているように思われるのでしょうか?実は、太らせているのはアルコールではなく、フルーツ系サワーなどの甘いお酒、一緒に食べるおつまみ、締めのラーメンなどに含まれる糖質の取り過ぎが原因なのです。
糖質は、体を動かすために必須のエネルギー源である中性脂肪に合成され、血中に放出されます。しかし、消費されなかった中性脂肪は、内臓脂肪や皮下脂肪に蓄積されてしまうのです。
果糖やコーンシロップなどの甘味料が含まれたお酒を何杯も飲んだり、糖質たっぷりのおつまみを食べたりすることで、中性脂肪が大量に合成され、肥満の原因となるわけです。
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