本記事は、栗原毅氏の著書『 眠れなくなるほど面白い 図解 肝臓の話』(日本文芸社)の中から一部を抜粋・編集しています

肝臓に効く最強のおつまみ―とりあえずの一品―

食物繊維,野菜
(画像=PIXTA)

●食物繊維が豊富な食べ物は強い味方!

アルコールは体内で分解・解毒され、二酸化炭素や水などに形を変えて排出されます。この分解・解毒作業の大半を担っているのが肝臓です。一度に大量のアルコールを吸収すると、肝臓に大きな負担がかかってしまうため、できるだけ吸収量を減らしたいところです。

居酒屋でお酒を飲むときは、“とりあえず”で料理も合わせて注文することが多いでしょう。そんなときには食物繊維が豊富な品を選択するのがオススメです。食物繊維は消化されにくく、長い時間、胃や腸にとどまるため、アルコールの吸収効率を下げる働きがあります。

食物繊維が多い食材といえば、キャベツ、セロリ、ゴボウ、レタス、トマト、アスパラガス、タマネギ、白菜など。特にアルコールの血中濃度を3分の2~半分ほどまで減らすと言われるトマトや、アルコールの分解酵素を活性化するビタミンUが含まれているキャベツがオススメです。ほかにも、きのこ類や豆類、海藻類、こんにゃくなどは食物繊維が豊富。メインの品を頼む前に、これらの食材を使った料理を食べておくのが理想的です。また、お酒を飲む前にヨーグルトやチーズなどの乳製品を食べておくのも有効でしょう。乳製品にはアルコールの分解を助ける善玉物質が含まれているので、肝臓の仕事を減らし、負担を軽減できるのです。

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(画像=『眠れなくなるほど面白い 図解 肝臓の話』より)

肝臓に効く最強のおつまみ―メインの一品―

●理想のおつまみは高たんぱく、低糖質

乾杯も終わって落ち着いてきたら、メインの品を注文すると思います。このとき肝に銘じておきたいのが、「高たんぱく、低糖質」です。たんぱく質というのは、丈夫な筋肉を作るだけでなく、肝機能の向上にも貢献します。

たんぱく質は肉や魚、卵、大豆などに含まれます。その中でもアルコールの分解を助けるビタミンB群を含んだ食材がオススメです。具体的には豚肉、うなぎ、カレイ、サケ、ブリなどです。野菜ならにんにくの芽はビタミンB群がたくさん含まれています。

そのほかには、ビーフジャーキーやスルメなど、噛みごたえのある食材も優良です。噛むという行為は血流をよくするほか、しっかり噛むことで唾液の分泌量が増え、口の中の細菌を減らすことにも繋がります。冬場なら鍋物も選択肢のひとつでしょう。たっぷりの野菜(食物繊維)に加え、肉や魚などでたんぱく質を摂ることができます。貝類に含まれるタウリンや亜鉛には、肝臓の働きを良くする効果があるので、牡蠣やはまぐりもオススメです。

たんぱく質が良いからといって、最初から焼き鳥や唐揚げをバクバク食べてしまうと、胃に負担がかかってしまいます。まずは枝豆や冷奴など、軽いものから食べていき、そのあとでメインの品に手を付けましょう。

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(画像=『眠れなくなるほど面白い 図解 肝臓の話』より)
眠れなくなるほど面白い 図解 肝臓の話
栗原毅(くりはら・たけし)
1951年新潟県生まれ。北里大学医学部卒業。前東京女子医科大学教授、前慶應義塾大学特任教授。現在は栗原クリニック東京・日本橋院長を務める。肝臓の専門医としての日本の第一人者。脂肪肝の改善こそがメタボリックシンドロームの予防・改善に役立つと提唱。治療だけでなく予防医療にも力を入れている。血液サラサラの提唱者のひとりとして知られる。

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