
投資において「損切り」は、とても重要です。損切りの重要性がより高いといえるのがFXです。実際には、損切りができないばかりに損失が大きくなってしまったり、資金の大半を失って市場から「退場」してしまったりする人もいるほどです。FXの初心者を脱却して中上級者へとステップアップするためには、適切な損切りが欠かせません。
本稿では、FX中上級者になるための知識も交えて経済アナリストであり日本金融経済研究所代表理事として活躍中の馬渕磨理子さんにFXや損切りについて指南していただきました。

京都大学公共政策大学院で法律、経済学、行政学、公共政策を学び、修士過程を修了。トレーダーとして法人のファンド運用を担う。その後、金融メディアのシニアアナリストを経て、現在は、一般社団法人日本金融経済研究所 代表理事、大阪公立大学客員准教授に就任し、企業価値向上の研究を大学と共同研究している。イー・ギャランティ株式会社社外取締役。楽待株式会社社外取締役。
馬渕磨理子さんに教わる「為替市場の値動き」
まずは、馬渕さんに為替市場の値動きについてお聞きしました。
FX中上級者として意識しておくべき各市場の特徴
――最初に、FXの市場時間についてお伺いします。中上級者を目指していくのにあたって、市場の特徴や狙うべき時間帯はありますか?

馬渕さん(以下敬称略):しっかりと需給があって大きく動く時間帯を狙うのがセオリーだと思います。1日のなかでいえば、日本時間なら夜9時くらいから深夜1時くらいまでですね。東京市場は値動きが鈍く“眠たい”ことが多いので、ロンドン市場が始まる夕方からNY時間を狙っていくのがいいと思います。
ただし、マーケットが開いたタイミングや重要な経済指標が発表されるタイミングをまたぐのはあまりおすすめしません。
――経済指標を狙いたいFX投資家は多いと思いますが、あまりおすすめしないというのはなぜですか?
馬渕:関心の高い経済指標ほど、数日前までに織り込まれている可能性が高く、いざ経済指標が発表されると材料出尽くしになることが多いんです。経済指標狙いのトレードをするのであれば、数日前の織り込み始めているタイミングから狙うほうがいいです。
指標が発表されたタイミングで乗っかるのは、スリッページが発生したりスプレッドが拡大したりして不利になることも多いです。「経済指標=イベント」のようになっていて、大きな利益を狙えるイメージがあるかもしれませんが、不用意に飛び込むとやられるリスクも高くなります。
――今のマーケットではトランプ発言との向き合い方を考える必要があると思いますが、馬渕さんはどう捉えておられますか?
馬渕:そもそも向き合えないので、向き合わないほうがいいです(笑)。言うことが刻一刻と変わりますし、真剣に向き合いすぎると振り回されて大変な気がしてしまいます。それよりも、アメリカの景気や利下げの見通しなど、大きな目線で見ることのほうが重要です。
――トランプ発言はそのなかの一要素に過ぎないということですね。
馬渕:第一次政権の頃から一貫してトランプ大統領は米ドル安を望んでいるので、実際のマーケットも米ドル安に向かっています。発言にブレはありますが、アメリカは米ドル安に誘導していきたいという、大きなメッセージはあるわけです。1つ1つのトランプ発言に振り回されるのではなく、大局的な方向性を見ることが大事だと思います。
為替相場の変動要因を深堀り
――主要国の中央銀行のスタンスも為替相場に多大な影響を及ぼします。金融政策の視点から見た為替相場の展望をお聞かせください。
馬渕:アメリカは金利を下げる方向で、「年内にあと何回利下げがあるか」が市場の関心事です。政府・日銀は利上げを止めているものの、「年の後半に2回は利上げをしたい」という雰囲気がまだ残っています。この流れで見えてくるのは、円高米ドル安という既定路線です。6月3日に日銀総裁「無理に利上げせず」といったハト派的発言は気になりますが。基本的には利上げ路線だと見ています。
しかし、急に出てきた関税政策が間違った方向に進んでアメリカ国内のインフレを悪化させてしまったら再利上げという最悪のシナリオになります。それをマーケットは織り込んでいないので、この場合は株や為替のクラッシュが懸念されます。
――ユーロについてはいかがですか?
馬渕:ECBも利下げ方向なので、基本的にはユーロ安です。アメリカ、EUともに利上げを続けてきた最中、日本だけが利下げをしていました。海外は、インフレとデフレを繰り返していて金利でそれを調整してきたんですが、日本だけはずっとデフレ。
バブル崩壊の波乱を避けるために仕方なかったとはいえ、日本だけが「3周遅れ」みたいになっています。
――ようやく日本もインフレモードということですか。
馬渕:でも実は、政府は公式にデフレ脱却宣言をしていないんですね。物価上昇に賃金上昇が追いついていないので、今もできるだけ安いものを買いたいというデフレマインドから脱却できていない感があります。
皆さんの前でお話をしているとマインドの変化がよくわかるんですが、以前はインフレの話をしてもピンと来ていない印象でした。今では「今年の20万円が来年のいくらになっているか?」と考える人が出てきて、インフレ思考の端緒についた段階でしょうか。
大口投資家と同じ市場で戦っている事実を理解しよう

――近年、ストップ狩りに象徴されるように大口投資家の動向を意識するべきという論調が見られます。馬渕さんはどうお考えですか?
馬渕:大前提として、個人とは比べ物にならないほどの資金を動かす大口投資家が同じ市場にいる事実を認識しておくべきです。目の前の画面の向こうに彼らがいると思ったら、何気なく参戦することが怖くなりませんか?
――当然の事実とはいえ、改めて認識すると安易なことはできないですね。
馬渕:この事実を踏まえて、彼らの取引に巻き込まれないよう、違うところでトレードをするのがいいと思います。先ほどの「経済指標の直前から参戦するのをおすすめしない」というのも同じ理由です。彼らは、金額が大きいので少しの利幅でも十分利益が出ますが、個人だとそうはいきませんよね。
――テクニカルがしっかりと効くような相場、トレンドが明確に出ている相場などがいいですか?
馬渕:そうですね、そういう戦いやすい相場で格言通り「頭と尻尾はくれてやれ」のトレードが安全です。
FX中上級者を目指すなら知っておきたいトレード手法
――テクニカル分析についても、これを知っておくといいというアドバイスをいただけますか?
馬渕:簡単なものとしては、チャートにある前回の高値や安値。これを超えてくるとトレンドができやすくなります。ただしこれだけだと弱いので、移動平均線を絡めて当面のトレンドを把握するのがいいと思います。
それに加えて、RSIを使うのもいいと思います。RSIでは相場の過熱感がわかるので、例えば右肩上がりなのに前回の高値を超えられていないような場合、押し目と思って買いたくなりますよね。そこでRSIが低めでそんなに強くなければ、「上昇圧力がそこまで強くはないかも?」と見ることもできるわけです。
馬渕磨理子さんに教わる「より効果的な損切り戦略」
為替がどんな要因で動くのか、トレードする際に注意すべき点、知っておきたいトレード手法を教えていただきました。続いて、今回のメインとなる「損切り」について伺います。
馬渕さんおすすめの損切りマインドと戦略

――FX初心者から脱却していくには、損切りがとても重要だと考えています。なかなか損切りができない投資家が多いことを受けて、馬渕さんからアドバイスをいただけますか。
馬渕:感情が入り込む余地を少なくして、機械的なルールで損切りをするのが一番楽かもしれません。「口座資金の2%を超えたら損切り」という具合です。損切りは心苦しいですが、自分の資金を守るための重要な選択肢です。
――それがわかっていてもなかなか自分で損切りができない人も多いですよね。
馬渕:やはり一度経験してみないとわからないと思います。1回も失敗したことがない人が、素直に損切りできるとは思えません。身に染みて、損切りの大切さを知るのが最も確実ですね。
――損切りができず大損につながる典型的なパターンというのはありますか?
馬渕:どのトレードにも明確な根拠が必要です。それなら、利益確定や損失確定についてもエントリーの前から決まっているはずです。しかし、何となくトレードをしてしまうと、こうしたルールがないままのエントリーになります。
何となくのトレードだと、30分のつもりだったトレードが延び、含み損が増え……損切りをためらうような状況になってしまうんです。
――私も大いに経験がある失敗パターンです。
馬渕:もちろん、私もあります。エントリーの際に結末を決めておくのが合理的なトレードであって、それがないトレードは無謀なことを、身をもって知りました。2万円、3万円を狙いにいくトレードで15万円、30万円の損切りになってしまうのは、無謀なトレードがもたらした結末ということです。
――そこが、初心者と中上級者の分かれ目かもしれません。
馬渕:私は、その意味で自動売買も取り入れていますが、その他にもIFO注文でエントリーから決済までの一切を最初に決めてしまうこともできます。そのほうが人間的な感情が入り込まず、「妄想のチャート」に振り回されることもないでしょう。
機械的なトレードは楽しくないかもしれませんが、本当に楽しいのはお金が増えることのはずです。感情、メンタルをいかにコントロールするかは、損切りの習得に直結すると思います。
なかなか損切りができないFX投資家に向けて馬渕さんからのメッセージ

――最後に、なかなか損切りができなくて悩んでいるFX投資家の方々に向けて、馬渕さんからのメッセージをお願いします。
馬渕:損切りって本当に難しいんです。私自身もトレーダーの時になかなか損切りができずに困ったこともあります。うまくいっている時は問題になりませんが、その逆は致命的なダメージにつながります。
マーケットから退場になると再起できなくなりますが、ギリギリセーフであっても取り返すだけの資金はありません。まだ余力があるうちに戦略的撤退をして、元気なまま次のマーケットと勝負するためにあるのが損切りです。
機械的なルールとテクニカル分析を組み合わせることで、より合理的な損切りができるようになります。あるデータによると、この2つを組み合わせることで不要な損切りが30%ほど少なくなるそうです。
感情だけで判断するのではなく、論理的・機械的な損切りを正確にこなすことで長期的には資産が増えていくようになり、FX中上級者への道が開かれると思います。
これなら損切りできる!FOREX.comの「ノックアウトオプション」を活用してみよう!
損切りができるようになってFXで儲かるようになりたい!そんな方々に向けて、最初から損切りの設定が前提になっている「ノックアウトオプション」を紹介したいと思います。
「損切りが苦手なので悩んでいる」という方は、ノックアウトオプションを活用してみてはいかがでしょうか。
ここでは、StoneX証券のブランドサイト「FOREX.com」で利用できるノックアウトオプションを活用して解説します。
まず、「FOREX.com」について紹介します。
「FOREX.com」はStoneX証券が運営するブランドサイト

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「FOREX.com」は、アメリカのナスダック市場にも上場しているStoneXグループのFX取引サービスブランドです。外資系の証券会社ですが、日本国内でも第一種金融商品取引業者として登録済みであり、国内業者としての資格を有しています。
FXや株価指数CFD、ノックアウトオプションを取り扱っていることに加えて、世界的に広く利用されているチャートツール「TradingView」や、自動売買プラットフォームとして知られる「MT4」を利用できるなどの特徴があります。
※「TradingView」や「MT4」ではノックアウトオプションは利用できません。
他社にはない「FOREX.com」ならではのメリットが享受できる!
ノックアウトオプションを取り扱っている国内の証券会社は少ないですが、その中でも「FOREX.com」ならではメリットがあります。
・口座管理手数料、ノックアウト手数料は無料
FOREX.comは、口座管理手数料(口座を保有していることで発生する手数料)を無料でご利用いただけます。また、ノックアウト(FXでいう損切り)となった場合、証券会社によってはノックアウト手数料が発生しますが、FOREX.comはスプレッドに含まれているため手数料無料です。つまり、スプレッド以外の取引コストはありません。
・最小取引単位は1,000通貨
FXでは最小取引単位が1,000通貨となっている証券会社が主流ですが、ノックアウトオプションは1万通貨となっている証券会社が多いのが実情です。FOREX.comは1,000通貨からノックアウトオプションの取引が可能なので、FXと同じ規模感のトレードができます。
・世界的なチャートツール「TradingView」を利用可能
世界的に広く普及しているチャートツール「TradingView」は高性能ですが、無料版には機能の制約があります。FOREX.comは「TradingView」を実装しており、世界的な多機能チャートツールを無料で利用可能です。
FOREX.comのノックアウトオプションのリスクとメリット
それでは、FOREX.comのノックアウトオプションを活用して、ノックアウトオプションのリスクとメリットについて解説します。
ノックアウトオプションは、オプション取引の一種です。最初に設定した一定の価格(ノックアウトレベル)に到達するとオプションの権利が消滅する仕組みになっているため、「最初に損切り価格を設定するFX取引」に近いトレードが可能になります。
最大のメリットは、ノックアウトレベルを設定することでエントリー前に最大損失額が確定することです。急激な値動きが発生した際は「損切り注文が間に合わない」といった事態もありますが、ノックアウトオプションは「オプションの権利消滅」をもって損切りとなるため、注文が執行されずに思わぬリスクを被ることはありません。
こうしたメリットの一方で、ノックアウトオプションのエントリーは「成行注文のみで指値注文を使えない」「FXよりもスプレッドが広め」「最初に決めたノックアウトレベルをあとから変更できない」、また、後述しますがノックアウトレベルを現在の価格に近いところに設定するとコストは少なくなるものの、ノックアウト(損切り)になる可能性は高くなるため、設定するノックアウトレベルによっては何回も連続で損切りになってしまうといったデメリットにも留意しておく必要があります。
FOREX.comのノックアウトオプションを活用した高度な戦略
ノックアウトオプションのことを「最初に損切り価格を設定するFX取引」と表現しましたが、ノックアウトオプションの特性を活かすと、中上級者向けの高度な戦略も可能になります。
ノックアウトオプションのメリットの1つに、必要資金を抑えやすい点があります。FXだと少なくとも取引価格に対して4%の証拠金が必要になりますが、ノックアウトオプションの場合はノックアウトレベル(損切り価格)によってはFXの証拠金よりも少ないオプション料で取引が可能です。
オプション料を抑えた取引では資金効率が高くなるため、少額での短期売買やナンピン戦略などにおいてFXよりも機動力の高い取引が実現します。
例えば以下のように米ドル/円が上昇している局面で売りからのエントリーをし、さらに上昇したためナンピンで追加の売りを入れたとします。1回目は144.10円、2回目と3回目は144.20円をノックアウトレベルとしてエントリーをしていますが、いずれもオプション料は約2万円です。合計6万円のオプション料で3つのポジションを建て、30万通貨分の取引ができていることになるので、FXと比べるとほぼ3分の1です。

FXと同レベルの資金でこうした柔軟かつ機動的な取引ができるのは、ノックアウトオプションならではの魅力です。
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FOREX.comのノックアウトオプションをデモ口座でやってみた!
実際にノックアウトオプションとはどんなものなのか……その疑問にお答えするために、デモ口座を使ってノックアウトオプションを紹介します。FXでよく見られる3種類のトレードをノックアウトオプションで実践してみました。
FOREX.comのノックアウトオプションでのトレンドフォロー戦略
トレンドフォロー、いわゆる順張りのトレードとして、ここでは2025年5月に発生している米ドル/円の下落トレンドを利用して戻り売り戦略を実践しました。下落トレンドのなかにありながら、一時的に大きく上昇する場面がありました。
上昇によって60分足の200本移動平均線に到達しましたが、その前には移動平均線に到達して反落しているのが見て取れます。今回も意識されると見て、移動平均線が差し掛かる価格である144.10円からDOWNを発注しました。

思惑のとおり、米ドル/円は移動平均線で反落したので利益確定をしました。ノックアウトオプションは裁量による利益確定も可能で、この場合は裁量による利益確定を行いました。ノックアウトオプションでは「144.10円のノックアウトレベルとするオプション取引」をした結果ですが、FXでの「144.10円に損切りの逆指値を入れた売り注文の決済」と似た効果が得られたことになります。
ノックアウトオプションは損切りを確実に行えることがメリットの1つですが、このケースでは利益確定となり、FXよりも高い資金効率で利益が上げられるというメリットも実感できるトレードとなりました。

144.10円からのDOWNで10ロットのトレードをして25pipsの下落時点で決済をしたため、このトレードでの損益は+2,500円です。

FOREX.comのノックアウトオプションでのスキャルピング応用
次にノックアウトオプションでFXのスキャルピングに近い取引をしてみましょう。米ドル/円が短期的にレンジ相場を形成し、赤い色を付けた143.90円付近に上値抵抗帯が見て取れます。これをダブルトップと判断して2回目の高値から反落したところで143.742円からDOWNをノックアウトレベル144.10円で10ロット発注。思惑どおり下落したため、25pips下落したところで裁量で決済をし、+2,600円の利益確定となりました。


ノックアウトオプションは、ノックアウトレベルが近いほど少ないオプション料で取引ができるため、小刻みに利益を狙うスキャルピングにも適しています。ただし、その一方でノックアウトレベルを近くすると損切りが発動する可能性も高くなるため、この点については留意しておく必要があります。
FOREX.comのノックアウトオプションでのイベントトレード戦略
重要な経済指標の発表時は、FX投資家にとって「イベント」となります。ノックアウトオプションでもイベントトレードが可能なので、その事例も紹介しましょう。
2025年5月27日に発表されたアメリカの消費者信頼感指数が予想よりも好結果だったため、アメリカの景気後退懸念が遠のいたということで、市場は米ドル買いで反応しました。その結果を見越して、指標発表30分前から米ドル/円のノックアウトオプションをUPで144.019円からノックアウトレベル143.80円で発注しました。

思惑のとおり、指標発表から米ドル/円は上昇。含み益が見る見る大きくなりました。

利益が+1万1,800円まで伸びたところで利益確定。経済指標を利用したイベントトレードは、利益が大きくなりやすいですが、このケースでも短時間で1万円を超える利益となりました。
FOREX.comのノックアウトオプションの設定は簡単3ステップ!
ノックアウトオプションをやってみたい!と思われた方に、ノックアウトオプションの取引に必要な設定を紹介します。ステップはたった3つです。この3ステップをマスターすれば、今すぐノックアウトオプションで本格的な取引を始められます。
ステップ① 通貨ペアと「上」か「下」を選ぶ
最初に取引したい通貨ペアと「UP」なのか「DOWN」なのかを選びます。FXでは、通貨ペアを選んでから「買い」「売り」を選びますが、ノックアウトオプションでは通貨ペアの「上(UP)」か「下(DOWN)」を選びます。
以下は、FOREX.comのノックアウトオプションで取引可能な通貨ペア一覧です。
AUD/CAD
AUD/JPY
AUD/NZD
AUD/USD
CAD/JPY
EUR/AUD
EUR/CAD
EUR/GBP
EUR/JPY
EUR/NZD
EUR/USD
GBP/AUD
GBP/CAD
GBP/JPY
GBP/NZD
GBP/USD
NOK/JPY
NZD/JPY
NZD/USD
SGD/JPY
USD/CAD
USD/JPY
ZAR/JPY
上記の通貨ペアにおいて、「UP」と「DOWN」の取引が可能です。
例えば、「USD/JPY Nov 25 UP KO」では、米ドル/円の上昇を狙った取引ができます。「Nov 25」となっているのは、オプション取引特有の期限を示すもので、この期日になると自動的に決済されることを意味しています。「Nov 25」の場合は、2025年11月が取引期限です。
ステップ② ノックアウトレベルを設定する
通貨ペアと上下の方向を選んだあとは、いよいよエントリーです。ノックアウトオプションは、最初に損切り価格(ノックアウトレベル)を設定します。
以下のプルダウンで選択します。

こちらは、米ドル/円の下落方向を狙うノックアウトオプションのエントリー画面です。144.299円が実勢レートで、いくらになったら損切りをするのかを選びます。最も近いところで144.50円を選択すると、以下のようになります。

数量を10(10万通貨分)としたので、1pipsあたりの損益は1,000円です。144.50円に到達して損切り(ノックアウト)になると、損失は2万1,900円となります。最初にノックアウトレベルを設定するので、これ以上の損失が発生することはありません。逆に利益に制限はないので、この場合であれば米ドル/円が下落するほど利益は大きくなります。
ただし、コンバージョンレート(両替手数料)やスワップなどによって、ノックアウトによる損失を上回る可能性があります。
ステップ③ 指値を設定する
3つ目の指値については任意ですが、希望に応じて利益確定やノックアウトレベルとは別の損切り注文を入れることができます。

ノックアウトオプションは、エントリー時に損切り価格が確定します。しかし一度エントリーするとノックアウトレベルを変更することはできません。そこで、さらに近いところに損切りの指値注文を入れたい場合は、逆指値注文を利用します。
上図では、逆指値、指値ともに50pipsに設定しました。つまり、実勢レートから50pips上昇すれば損切り、逆に50pips下落すれば利益確定です。FXでは指値、逆指値の注文を入れたとしてもスリッページといって注文レートと約定レートに乖離が生じることがありますが、ノックアウトオプションにはスリッページがないため、設定したレートで確実に決済されます。
この注文が成立すると、チャート上には以下のように表示されます。

143.767円で利益確定、144.767円で損切り、そして145円がノックアウトレベルとなりました。ノックアウトレベル以外は、エントリー後も変更できるため、状況に応じて調整するとトレードの機動力がアップするでしょう。
まとめ
【馬渕さんから投資家へのアドバイス】
FXで次のステージへ進むなら、損切りは避けて通れない「成長痛」のようなもの。初めは躊躇するかもしれませんが、感情ではなく明確なロジックで損失を確定させる勇気が、投資家として強くしてくれると思います。資金と冷静さを守り、より大きな視点で市場と向き合うために、損切りを戦略的に使いこなせるとステップアップになりますね。
FX初心者が中上級者を目指すのにあたって必要な知識として、市場時間の狙い方や市場との向き合い方について経済アナリストの馬渕磨理子さんに極意をお伺いしました。そのなかでも重要と述べられていた損切りは、投資家としてのステップアップに欠かせない極めて重要な戦術です。
「なかなか損切りは簡単ではない」と感じている投資家は多いと思います。そこで後半では、最初から損切りが前提になっている投資としてFOREX.comのノックアウトオプションを紹介しました。なかなか損切りができなくて悩んでいる投資家の強い味方になるので、FX初心者脱却のためにもぜひご活用ください。