本記事は、小林 大祐氏の著書『2035年 増える富・消える富の見分け方 インフレ地獄を生き抜く資産戦略』(KADOKAWA)の中から一部を抜粋・編集しています。
2030年問題で「資産価値ゼロ」の物件が続出する
2030年前後に日本の労働力人口が激減し、多くの企業が労働力不足や競争激化、人件費上昇などの複合的な課題に直面するといわれている。いわゆる「2030年問題」だが、これは不動産の世界にも大きな影を落とすことになる。
何が起こるかといえば、都心部の不動産価格が上昇あるいは維持される一方で、地方の不動産はその大半が転がり落ちるように無価値化していく未来だ。
それ以前にも「2025年問題」や「2024年問題」が取りざたされてきた。
これらの年号ベースの問題は連続的に存在しており、その根本にあるのは“人口減少”だ。
2025年には、人口ボリュームの多い団塊の世代が全員後期高齢者となった。
今の日本では年間の出生数が70万人を割る一方で、160万人が死亡している。
この現実がある限り、不動産の無価値化は拡大し、2030年にはその影響がさらに深刻化するというのが、これらの年号問題の背景にある。その延長線上に生じる問題として、私はいずれ47都道府県を現在の形で維持することが難しくなると考えている。
人口が減れば当然住宅の需要は細り、また働く人がいなければオフィスや工場も成り立たず地域経済は確実に減衰縮小していく。地価が上昇している東京都心や中国勢が買い占めているニセコなどの一部の観光地は例外中の例外であり、大半の地方では煮ても焼いても売れない不動産が続出する未来がやってくるだろう。要するに、日本の大半の不動産は、いずれ、無価値化していくことが避けられないのだ。
これは決して、誇張ではない。現に、無価値化している土地は昔から存在している。
たとえば、山奥の土地や崖地など、物理的に活用が難しい不動産や造成が必要でその土地の利用価値に対して造成費用が高額になるような土地は、以前から開発どころの話ではなかった。マツタケも採れなければ水源もなく、相続税の物納も断られるような土地は日本中に無数にある。
こうした土地は、今後ますます増えていくだろう。不動産の価値は需要と供給で決まるので、欲しい人がいなければ、価格はゼロに近づく。
すでに「消滅可能性都市」という概念が示され、秋田や青森などはほとんどの自治体が消滅する可能性が指摘され、存続が危ぶまれている。人口が増えないエリアは自然と衰退し、行政単位としての継続が困難になり、無価値化するというわけだ。
しかも、売るに売れない無価値化した土地に対しても、固定資産税は容赦なくかかってくる。何の価値も生まず、持っているだけでお金が飛んでいくので、ますます買い手が離れていくのだ。さらに維持管理の負担も重なると、カネを払ってでも手放したいと考える人も出てくるので、さらに価値はマイナス圏へと突入する。
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