本記事は、小林 大祐氏の著書『2035年 増える富・消える富の見分け方 インフレ地獄を生き抜く資産戦略』(KADOKAWA)の中から一部を抜粋・編集しています。

2035年 増える富・消える富の見分け方 インフレ地獄を生き抜く資産戦略
(画像=metamorworks/stock.adobe.com)

思考停止人間はグレートリセットの最初の犠牲者になる

紙幣が紙切れになれば、価値を持つのはモノになる。そこで求められるのは、自給自足だ。自分で食料を生産したり、生活に必要なものを手作りしたりするスキルが、生き残るための重要な力となるかもしれない。

実際、一部の富裕層はすでにこの変化を察知し、農地を購入するなど自給自足の準備を始めている。私の知人の億万長者も、北海道で広大な農地を買い集め、親族も呼び寄せて農業を始めると言っていた。彼らは「食料を自ら確保できること」の価値を重く見ており、自給自足できる体制の構築を進めているのだ。

奇しくも、近年盛んに食料危機のリスクが叫ばれるようになっている。これは世界的な人口増加や地球温暖化に伴う異常気象が主な要因とされており、また、実際こうした背景でリスクが高まっているのだろうが、今後は経済的な要因が事態をさらに悪化させることになるかもしれない。
そしてこの事態は、「土地」「水」「食料」といった一次産業の価値が、再評価される局面の到来を示唆しているのではないだろうか。

歴史を紐解けば、1929年の世界恐慌で深刻な経済の低迷に見舞われた国々は、経済をブロック化した。これは内需拡大を図るために、自国と植民地との間で経済圏を閉じてしまおうという動きだ。
アメリカをはじめ、植民地を持っていた国々は、「自国と植民地だけで経済を回そう」「外とはなるべく取引せず、消費を内側で賄まかなって景気を刺激しよう」という政策を取った。

ところが、日本やドイツ、イタリアのように、植民地をほとんど持っていなかった国々は、各国のブロック経済で孤立し、窮地に立たされた。
経済圏から締め出され、物資も取引もままならなくなり、追い詰められた結果、生き残るために協調するようになった。それが、日独伊三国同盟へとつながっていったことは周知の通りだ。

もうお気づきの読者が多いだろうが、現在、当時とまったく同じ構図ができあがっている。トランプ大統領が掲げるアメリカファーストという考え方や、保護主義な関税政策は、ブロック経済そのものだ。

歴史は何度となく、同じ過ちを繰り返してきた。過去には戦争の引き金にもなってきたブロック経済が再び台頭している背景には、激化する米中対立がある。これが経済的な問題だけで収束するとは、もう誰も言い切れなくなっている。
グレートリセットに加えて、台湾有事も現実化するリスクは高まっており、そこから世界的な大戦に発展する可能性も否定はできない。

「人類はバカじゃないのだから、この現代でそんなことにはならないだろう」などと楽観する人もいるようだが、今この瞬間もいくつもの戦争や紛争が現実に起こっているのに、それを他人事としか考えられない人はそれこそ頭がお花畑だ。
真っ先に「有事」の犠牲になるのは、こうした思考停止した人間なのである。

2035年 増える富・消える富の見分け方 インフレ地獄を生き抜く資産戦略
小林 大祐(こばやし・だいすけ)
1976年生まれ。ホームコンサルティングソリューションズ株式会社代表取締役。大学卒業後、情報通信系企業に就職。関連会社解散後に親会社である富士ゼロックスに転籍。企業戦士となるが、「株式会社は株主のために存在すること」に気づき27歳の時に「兼業」で創業。「金なしコネなし知識なし」の全くのゼロから「総資産37億円」を築く。YouTubeチャンネル「不動産アニキの非常識な投資学」は登録者数10万人を超え、不動産投資を中心に、資産形成の実践的な考え方や国際情勢に対する独自の視点が注目を集めている。

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