親ならば、できるだけ子どもの夢を叶えてあげたいと考えるものでしょう。もし、自分の子どもが飛行機のパイロットになりたいと言った場合には、親はどのような支援を行えばよいのでしょうか。飛行機のパイロットに求められる条件から、子どもに必要な学びを考えてみましょう。

パイロットには何が必要?

(画像= gstockstudio/stock.adobe.com)

巨大な飛行機が大空に舞う姿を見て、あるいは飛行機に乗ってそのすばらしさを体感した時、パイロットになりたいと思う子どもは多くいます。しかし、多くの旅客の命を預かる職業でもあることから、実際にパイロットとして活躍するまでにはいくつかの難関が待ち受けています。

パイロットになるためには、まずは国土交通大臣から航空従事者技能証明を受けなければなりません。航空従事者技能証明を取得するには、学科試験と実地試験の両方に合格することが必要です。

さらに、パイロットとして業務にあたるためには、業務の範囲に合わせて各種操縦士の資格を取る必要があるほか、常に健康であることが求められるため、身体検査などもクリアしなければなりません。複数の難関を乗り越えてやっとパイロットになれるのです。

パイロットになるための進路は

パイロットになりたいのなら、パイロットの技能を身につけられる航空大学校に通って資格を取ってから航空会社に採用される、もしくは自社養成パイロットとして航空会社に採用される、といった方法が一般的です。ほかにも専門学校や養成学校に入るという手段もありますが、どの道を選ぶにしても、航空会社に採用されなければパイロットにはなれません。

4,000名以上ものパイロットを送り出してきた「航空大学校」とは

航空大学校は、日本で唯一の国立のパイロット養成機関です。これまで4,000名以上がこの学校からパイロットの道に進んでいます。キャンパスは全国に3つあり、それぞれ宮崎空港、帯広空港、仙台空港に隣接しています。学科試験の勉強と合わせて実機による操縦訓練が受けられます。

はじめに宮崎空港に隣接する本校で5ヵ月間学科教育を受け、帯広分校で半年の実機による操縦訓練を経た後は再び宮崎本校に戻り6ヵ月、その後に仙台分校で7ヵ月実機による操縦訓練を受けて卒業です。卒業時には、飛行機・事業用操縦士と計器飛行証明のライセンスを取得できます。

自社養成パイロットの採用は

航空会社の自社養成パイロットとして採用された場合は、正社員として訓練を受け、ライセンスを取得できます。自社養成パイロットの採用資格として、4年制の大学(または大学院)を卒業している必要がある点に注意しましょう。

「視力が悪いからパイロットになれない」は昔の話

では、パイロットとして採用されるためにはどのような能力が必要なのでしょうか。

パイロットの資格を取得する際には、「裸眼の視力がよくなければならない」というイメージがありますが、2001年10月からは、裸眼視力の条件がなくなっています。眼鏡やコンタクトレンズを使用している人でもパイロットになれる可能性があります。視力については、良いに越したことはないため、遺伝的要素や習慣などの影響について、意識しておくのが良いでしょう。

また、今後パイロットを目指すのなら、他言語の習得に目を向けるのが良いと言われています。

他言語習得は実務にも活きる

自社養成パイロットを目指すのであれば、英語教育は必須となります。自社養成パイロットの訓練は海外で行われることもあるため、TOEIC700点ほどの英語能力が必要です。
また英語だけではなく、航空会社や、航空ルートによっては英語以外の言語を習得するのも良いでしょう。
パイロットになった後も他言語習得は、実務にも活かせる能力のため、習得方法を検討しても良いでしょう。幼いころから英会話教室に通い英語に慣れ親しむことで、子どもの将来の可能性が広がります。もし、希望する進路が変わったとしても他言語は他の職業にも役立ちます。

子どもの夢を応援しよう!

子供がパイロットを目指したいと言ったら、親としては一生懸命、その夢を応援してあげたいと思うことでしょう。パイロットという職業にかかわらず、子供の夢が実現するには難しいと思えることだとしても、親が肯定的にその夢を捉え、応援する姿勢をとることが何より大事になります。子供が、夢を目指す際に必要な選択肢を検討しつつ、親として何ができるかを考えていくことをおすすめします。

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