先週から続く暗号資産(仮想通貨)価格の下落スピードは、19日に一段と勢いを増した。

ビットコインは日本時間19日の午前から価格を落とし始めると、同日22時頃には3万1000ドルほどまで下落。日本円にして340万円ほどまで下落したことになる。この価格は今年2月初旬の水準だ。

(画像=月刊暗号資産)

先週のテスラによるビットコイン決済中止の発表以降、ビットコインは続落しており、これを機に年初から好調であった市場の風向きが変わったと言える。

さらに中国における暗号資産禁止の方針の再確認や、同国におけるマイニング規制、また株式市場がリスクオフへと傾きつつあることも投資家心理を悪化させた。

立て続けにネガティブな要因が散見されたことにより引き起こされた今回の暴落だが、この余波はアルトコインにも大きく影響を及ぼした。

今月4400ドル(約48万円)まで上昇し、最高値を更新したイーサリアムは最大で約40 %下落し、一時は2000ドル(約21万8,000円)を下回った。

またバイナンスコイン(BNB)やイーサリアムクラシック(ETC)、ビットコインキャッシュ(BCH)やライトコイン(LTC)などといった今月好調な推移を見せていた暗号資産も大暴落を見せ、それぞれ40%から50%ほど下落。これら主要アルトコインによって押し上げられた他アルトコインも大きく価格を落とし、50%以上下落した銘柄も散見された。

暗号資産データ分析を行うbybtによると、一連の暴落を受け、暗号資産市場全体のデリバティブ市場では24時間で約80億ドル(約8,710億円)のポジションが精算されたという。

暗号資産市場全体の時価総額も一時約80兆円減少したことを踏まえると、今回の暴落がいかに衝撃的なものであったかがうかがえる。

また、急激な価格変動を受け各国の暗号資産取引所にアクセスが集中し、コインベースやバイナンス、クラーケンなどといった取引所で不具合が発生。国内においても、コインチェックやbitFlyerにおいて一時アクセスすることができない状況が生じた。

記事執筆時点でビットコインは4万ドル(約435万円)付近まで価格を戻しているが、この価格帯は心理的節目であるため、上値の重い取引が続いている。

アルトコインもイーサリアムなどを中心に価格を戻しつつあるが、ビットコインと比較するとその推移は鈍く映る。

今回の暴落で押し目買いに動いた投資家も多いとされているが、今後しばらくは市場全体で不安定な価格推移になる可能性が高く、株式市場やその他外的要因によってさらなる価格下落も考えられるため、十分警戒する必要があるだろう。(提供:月刊暗号資産

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