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仮想通貨の中でも断トツの時価総額を誇るビットコイン。
ビットコインの価格は、2020年の10月頃から本格的な上昇を開始しました。2021年は“第二次仮想通貨ブーム”の到来でした。2020年10月の半ば頃まで1BTC(ビットコイン)=110万円台で推移していましたが、そこから急騰を開始すると、およそ1年後の2021年11月には一時770万円を突破しています。わずか1年で約7倍に暴騰しています。
しかし、そこから急激に値を下げ始め、2022年の6月には300万円を大きく割り込む水準まで下落しました。今後、ビットコインや仮想通貨の相場は下げ続けるのでしょうか。それとも反発し、再び高値を目指すのでしょうか。暗号資産専門家の意見を交えつつ、仮想通貨の動向をお伝えします。
- ビットコインが暴落した理由
- 株式も仮想通貨もリスク資産であり、投資マネーの動向に大きく影響される
- 仮想通貨の取引を始めたい人おすすめの国内取引所はCoincheck
ビットコイン熱狂の歴史
ビットコインは2008年10月、サトシ・ナカモトを名乗る人物が提唱し、その論文をもとに2009年から運用・取引が開始されました。当初は1BTC=0.7円と、1円を下回る価格で取引されていたようです。その後、ビットコインの名前とブロックチェーン(分散型台帳)という仮想通貨のベースとなる技術が世の中に浸透していくにしたがって、段々と価格が上昇しました。2017年に10万円を突破すると、米ドルやユーロといった主軸通貨に変わる新たな決済手段になり得る将来性と、価格の変動の大きさに注目が集まり、その年の9月、10月頃にはバブル相場に突入しています。“第一次仮想通貨ブーム”を形成し、価格も一時230万円を突破しました。
しかし、ビットコインのマイニング(採掘)でトップを走っていた中国が仮想通貨の規制に乗り出すなど逆風が吹くと価格も急落しています。バブル相場による人々の熱狂も冷め、ビットコインや他のアルトコイン(ビットコイン以外の仮想通貨)もしばらくは投資の世界の表舞台から姿を消すことになりました。
ビットコインが再び脚光を浴び始めたのは、2020年も後半になってからです。世界が新型コロナウイルスによるパンデミックの深刻さに気付き始めた頃です。2020年の中頃、日・米・欧をはじめとする世界の主要国は、コロナ対策として大規模な量的金融緩和と財政出動に打って出ました。量的金融緩和とは、その国の中央銀行が刷った紙幣で金融資産を買い上げ、市中に資金を供給することを指します。金融緩和による多くの資金が金融市場に向かった結果、株式などのリスク資産は大きく上昇しています。その一部が仮想通貨市場にも流れ込み、“第二次仮想通貨ブーム”が幕を開けます。
ビットコインの価格は2020年の10月の中頃まで110万円台で推移していましたが、そこから急騰を開始しました。翌2021年の3月には600万円を突破するなど、猛烈な上昇を見せました。その後、米国の仮想通貨取引所大手のコインベースの株価暴落や、ビットコインの相場に大きな影響力を持つ米テスラ創業者のイーロン・マスクのネガティブなコメントなどを背景に一時は400万円付近まで急落したものの、再び大きく切り返し、11月には史上最高値となる770万円台を記録しました。こうした、まるでジェットコースターのような価格の乱高下が、仮想通貨の最大の魅力の一つと言っていいでしょう。投資するタイミングによっては、自分の資産を何倍にも増やすことが可能だからです。
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ビットコインが暴落した理由を解説
2021年11月、史上最高値をつけたビットコインに大きな転機が訪れます。「金融引き締め(利上げ)」時代の到来です。米国の金融政策を司るFRB(連邦準備制度理事会)は、11人のメンバーの全会一致で量的緩和の縮小を決定しました。これを受けて、世界の金融市場では金融緩和から金融引き締めへの局面の転換が強く意識されるようになったのです。
ビットコインをはじめとした仮想通貨全体の相場を押し上げた大きな要因の一つが、この「世界的な金融緩和」であることは先にお伝えしています。金融緩和から金融引き締めへの転換は、これまでマーケットに大量に供給されていた資金が市中から引き上げられることを意味します。金融引き締めの影響により、株式などのリスク資産は急落を始めますが、仮想通貨もその例に漏れず暴落を始めました。
2022年に入り、米国のCPI(消費者物価指数)の上昇が加速すると、FRBがインフレ収束に向けて利上げのペースを加速させるとの見方が強まり、ビットコインの下落にも拍車がかかります。2022年6月には一時250万円台まで下落し、一時は第一次仮想通貨ブーム後の最高値だった2021年6月の水準を下回りました。2021年11月の高値からわずか6カ月余りで約70%近くの下落という、ビットコインの歴史の中でも類を見ないほどの暴落ぶりです。
ビットコインの価格が史上最高値を記録した2021年11月時点の時価総額は約1.27兆ドル(当時の為替レートで140兆円程度)。株式の時価総額ランキング上位のフェイスブック(現メタ・プラットフォームズ)や電気自動車世界最大手のテスラを上回り、商品先物の銀の市場規模1.37兆ドルに肉薄しています。しかしこの暴落によって、その時価総額は一時50兆円を下回る水準まで減少しています。半年の間に、およそ90兆円程度が吹き飛んだことになるのです。
足元の仮想通貨急落の要因は他にもあります。2022年5月上旬、これまで仮想通貨の時価総額ランキングで10位以内を堅持していたテラ(LUNA)の価格が数日で99%以上の大暴落となりました。きっかけは、テラの決済システムを活用したステーブルコイン(価格の安定性を実現するよう設計された仮想通貨)である「TerraUSD(UST)」が下落したことです。TerraUSDは米ドルと価格がペッグ(固定あるいは連動)するように設計されていましたが、価格が米ドルから下方向に乖離(ディペッグ)したことで、世界中の投資家がUSTの安定性に不安を感じて一斉に売却しました。テラの資産価値はわずか数日でほぼゼロまで落ち込みました。
このテラの大暴落劇を背景に、5月18日~20日にドイツのボンで開催されたG7(主要7カ国財務大臣・中央銀行総裁会議)でも、ステーブルコインの規制強化や法律の整備が議題に上るなど、世界中で話題になりました。USTの米ドルとのペッグを回復するために、テラ側は保有していたビットコインを売却したとの報道を見ると、ビットコインの価格急落を加速させた一面があると言えるでしょう。
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暗号資産(仮想通貨)は「リスク資産」である
ここまで、ビットコインの乱高下の歴史を紹介してきました。乱高下には、ビットコインの半減期(マイニングで得られる報酬が半分になる時期のこと。約4年周期で訪れ、次の半減期は2024年中頃と予想されている)も関係していると言われますが、2012年から2020年の3回の半減期を見ると、価格急騰の主因とは言えない面もあるようです。ビットコインの価格に最も影響力を持つのは、やはり世界の投資マネーの動向と思われます。
その理由として、ビットコインをはじめとした仮想通貨が、総じてボラティリティ(価格の変動率)が大きく、世界的な投機マネーの動向によって価格が上下する傾向があるためです。その他、ビットコインの相場上昇が顕著となった2020年終盤以降、米国を中心とした仮想通貨の市場整備の進展やビットコインを保有する機関投資家の増加、エルサルバドルのビットコイン法定通貨化など、さまざまな上昇要因が語られてきました。しかし、現状はビットコインの価格が2020年12月の水準まで下落しており、それ以降の大幅な上昇をほぼ打ち消す格好となっています。これらのプラス要因をすべて押しのける形で下落したわけです。
その点を考えると、やはりビットコインやアルトコインの価格形成に最も影響するのは、世界の金融市場や投機・投資マネーの動向ということになるでしょう。前述のように、仮想通貨市場の中心地である米国では、インフレを抑制するための利上げが行われています。通常、利上げのペースは0.25%ずつ行われますが、2022年3月は0.25%であったものの、5月は0.5%の利上げを行いました。さらに、6月は実に22年ぶりとなる0.75%の利上げを行い、世界の金融市場にネガティブなインパクトを与えています。
この米国の利下げは、投機・投資マネーに動向に大きく左右される株式市場の大きなマイナス要因になっています。米国市場は2020年3月のコロナショック以降、世界の主要なIT・ハイテク関連企業が多く上場するナスダック市場を中心に急上昇してきました。しかし2021年11月、米国が金融緩和を縮小し、やがて金融引き締めに転換する可能性が高まると相場が急落しました。利上げによる長期金利の上昇はグロース(高成長)株にはマイナスに働くとされますが、昨年11月以降の相場ではその通説通りの動きとなっています。
金融市場では、投資マネーが株式などのリスク資産に向かう局面を「リスクオン」、反対に投資マネーがリスク資産を売却する局面は「リスクオフ」と呼ばれます。ビットコインも、短期的には他のさまざまな要因で価格が上下する局面はありますが、中・長期的な流れに関しては、リスクのオン・オフの状況によるところが大きいです。基本的に、株式市場がリスクオフの状態になれば、仮想通貨市場もリスクオフに突入すると考えて良いでしょう。株式も仮想通貨もリスク資産であり、投資マネーの動向に大きく影響されるからです。
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ビットコインが今後暴落する可能性はあるのか?
では今後、ビットコインの下落は続くのか。米国の金融政策の状況、あるいは利上げの主因となっている世界的なインフレの状態を考えると、当面はビットコインにとって厳しい状況が続くことは間違いないでしょう。実際、「当面は冬の時代が続く」と考える業界関係者が少なくないようです。
仮想通貨のほか、FX(外国為替証拠金取引)トレーダーとしても知られる加藤宏幸(ひろぴー)氏は、2022年の年初に取材した際、ビットコインの急落を予想していました。ひろぴー氏は2021年11月時点でビットコインに投じている資金の大半を引き揚げ、さらには米国の利上げを理由に、2022年中頃にはビットコインの価格がピーク時の3分の1、260万円程度まで下落する可能性を示唆していました。ここまではほぼ予想通りの動きになっています。
ひろぴー氏は2022年秋以降のビットコイン相場について、「米国は11月に中間選挙を控える。もしこのまま株式市場の下落が中間選挙まで続けば、現職のバイデン大統領にとって不利な状況になる。バイデン大統領は、なんとか8月、遅くても9月中には足元のインフレを収束させ、それ以降は株式市場にプラスに働く政策を取ってくる可能性がある。そうなれば、ビットコイン相場も反発に向かうかもしれない」と指摘。「とはいえ、あくまで8月前後のインフレの状況次第」とも話しています。
2021年、米国では多くの資産運用会社や企業が暗号資産市場に相次いで参入しました。資産運用会社で世界トップクラスのブラックロックは、ビットコインへの投資を含めたファンドを認可したほか、大手金融機関のウェルス・ファーゴは富裕層を対象にビットコインファンドを新設。さらに、ビットコインを保有する企業も増加しています。 今後も先物やETF(上場投資信託)といった仮想通貨への投資手段の多様化、それに基づいた機関投資家の相次ぐ暗号資産市場への参入、世界的な決済手段としての普及などによってビットコインの需要は確実に増えています。それを考えると、ひろぴー氏が指摘するように、何らかのきっかけでビットコイン相場が再び浮上する可能性は十分あるでしょう。
その一方で、もし急ピッチの利上げを受けても米国のインフレが止まらず、世界経済が米国を中心にリセッション(景気後退)に陥るケースも考えられます。その場合、金融引き締めと景気後退のダブルパンチを受け、世界の金融市場が極端なリスクオフ状態に突入する可能性もあるでしょう。
その点で、ビットコインや他の仮想通貨を保有している投資家は常にマクロ経済や投資マネーの動向を注視しておく必要があります。2022年は、特に米国のインフレが収束するか、利上げのペースがどうなるかをチェックしておくべきでしょう。現在、株式相場(特に米ナスダック市場)とビットコイン相場がある程度連動していることを考えると、米国相場の動向も見逃せません。
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ビットコインが暴落したらどうするべきか?
ビットコインの価格下落局面において、利益が減る、あるいは損失が膨らむのを黙ってみているのは、資産的にも精神的にも辛いものがあります。そうした負の側面をやわらげるために、何か別の投資手段に打って出たいところでしょう。たとえば損切りについてですが、投資の世界で資金効率的に最もNGな行為は、価格が下落した金融商品を売るに売れず、「塩漬け」の状態にしてしまうことです。塩漬けにするくらいなら、涙を飲んで損失を確定し、別の金融商品に乗り換えたり、もしくはキャッシュとして抱え、次の投資チャンスを待ったりするほうが、資金効率面だけでなく精神面でのストレスも小さく済みます。
押し目買いをする
やや上級者向きにはなりますが、押し目買いも有効でしょう。あくまで「マクロ経済や投資マネーの動向が改善を見せ始めた場合」「中長期的にリスクオンの状態に突入した場合」などファンダメンタルズ分析で条件を満たした際、買い値より価格が下落した保有銘柄を買い増すことで平均購入単価を下げておけば、その後の上昇でより大きな利益を得られます。
空売りを仕掛ける
さらに、下げ相場でも利益を生む方法もあります。仮想通貨にはレバレッジ取引(証拠金を担保として預け、その証拠金以上の資金で取引をする手法)ができる業者も少なからずあるので、それを活用します。買いではなく売り(空売り)を仕掛けることで、価格下落で稼ぐことが可能です。レバレッジ取引には、「失敗すると大きな借金を背負う」などという声も聞かれるが、基本的に差し入れた証拠金がなくなってしまうような値動きとなった場合、自動的にロスカットされる仕組みになっています。
大手の仮想通貨取扱い業者であれば、ほぼ間違いなくこの「自動ロスカット機能」があるため、信じられないような額の借金を背負う心配はありません。もっとも、証拠金が不足した場合には新たな証拠金を差し入れる「追加証拠金(追い証)」が発生したり、相場の急激な変動局面では自動ロスカットが追い付かず、損失が膨らんだりする可能性はあります。それを避けるためにも、証拠金の維持率には常に注意を払っておくべきでしょう。
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ビットコインの買い時をどう判断するべきか?
投資家にとってトラウマと言える「追い証」の発生はもちろん、現物取引でも大きな損失はできるだけ回避するのが望ましいです。そのためには、マクロ経済や金融市場の動向をチェックしたり、仮想通貨業界のニュースをチェックしたりといった日々の対策を心がけるたほうがよいでしょう。毎日のチェックが難しいという人は週末に一度、最低でも月に1回はそれらのチェックをしておきましょう。
また、ビットコインは株式と同様、テクニカルチャートの分析もある程度有効です。チャート分析を勉強するのは骨が折れるものの、自分の大切な資産を守るためにも、最低限のチャート分析はできるようにしておきましょう。また、インターネット上にはビットコインに関するテクニカル分析が多く配信されています。自分で一からテクニカルを学ぶのは面倒という人は、そのようなサイトを1つ2つ、定期的にチェックすると良いでしょう。
ただ、前述の仮想通貨専門家は「仮想通貨は生まれて間もない投資商品だけに値動きの歴史が浅く、テクニカル分析が通用しない局面が時々ある」と話されています。テクニカル分析は、あくまで目先の売買タイミングの補佐的な役割にとどめ、相場の大局観をつかむために経済や金融市場をチェックするというバランスが理想的かもしれません。
経済や金融の状況を勘案すると、仮想通貨市場は当面の間、低調な状況が続く可能性があります。ただ、決済手段としての有用性や投資手段の多様化、さらにはNFT(非代替性トークン)の市場拡大、メタバース(巨大仮想空間)における仮想通貨の活用など、大きな成長性を秘めているのは事実です。
今後、米国の利上げが収束し、金融環境が大きく改善するような局面が訪れれば、再び2021年11月の高値更新を目指して上昇を開始する可能性は十分あります。さらなる暴落局面に備えつつ、ビットコインが再び攻勢に転じる機会を逃さないように注力しておきましょう。ビットコインについては、以前から「10万ドル突破説」がまことしやかに語られてきました。もし2021年の高値奪回に成功すれば、次に意識されるのが10万ドルという価格であることは間違いないでしょう。
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おすすめ仮想通貨取引所を紹介
ビットコインなど仮想通貨の取引を始めたい人にとって、最初のハードルとなるのが「どこに口座を開けばいいか」でしょう。株式やFX(外国為替証拠金取引)を始める時も同様です。以下に、国内の主要な仮想通貨取扱い業者4社を取り上げておきます。この4社であれば、快適な仮想通貨ライフを送れるでしょう。いずれの業者も、口座開設の手続きはインターネット上のみ、5~10分程度で完結できます。知識や経験を積んだ後、自分のトレードスタイルに見合った業者に変更すれば問題ありません。
まず最初にランキング形式で国内取引所を紹介し、その後に個別取引所について詳細を紹介いたします。
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