確定給付年金と確定拠出年金という年金がある。確定給付企業年金と確定拠出年金は厚生年金に上乗せする3階部分という点が共通点である一方、大きな違いも存在する。確定給付年金と確定拠出年金の主な違いとしては、受給額の決定方法と運用責任の所在、掛け金の負担者、資産の持ち運びの有無がある。また、それぞれの年金についてはさらに細かく何種類かに分かれている。今回はこの二つの年金について、どういう種類があるのかに触れながら、違いがわかるように説明していく。

確定給付年金とは

確定給付年金は、加入期間や平均給与額などで年金受給額が決まるもので、確定給付年金の掛け金は企業側が負担する。確定給付年金の積立金は、会社の財産とは区分されているので、給付以外に取り崩すことはできず、万一会社が倒産しても積立金は守られるが、積み立て不足があると受給額に影響する。さらに確定給付年金の場合、資産を持ち運びができない。

確定給付年金の種類としては、例えば、国民年金、厚生年金、国民年金基金、企業年金、共済年金がある。特に、企業年金とは、会社が任意で行うもので、厚生年金基金と確定給付企業年金のことである。中でも、確定給付企業年金の運用指図は受給者が行わないことになっている。

確定給付企業年金の2つのタイプ

確定企業給付年金には規約型と基金型があり、規約型は適格退職年金の受け皿として、基金型は厚生年金基金の受け皿として創設された。もう一つの企業年金である厚生年金基金のような老齢給付の代行は行わない。

規約型は労使で合意した年金規約に基づき、契約した信託銀行などが年金資産を管理運用し、給付するが、基金型は別法人の基金を設立して、基金が年金資産を管理運用し、給付する。基金型では300名以上の加入が条件となっていて、理事会と代議員会が設置される仕組みである。確定給付企業年金は、平成26年9月初日現在、加入者が788万人で、制度数は規約型1万3522、基金型602である。このうち確定拠出年金も導入している会社は3518社ある。掛け金は会社の経費に計上でき、運用益は非課税である。この点を確定拠出年金と比較すると、確定拠出年金の掛け金は全額所得控除の対象となり、運用益は非課税である。