(写真=ZUU online 編集部)
日本版401kなど、国内でも遅ればせながら注目度が少しずつ高まりつつある確定拠出年金(DC)。その加入者に対する啓蒙にゲーミフィケーションの仕組みを活用している米フィディリティが9日、都内で開いたセミナーで取り組みを披露した。フィデリティ・インベスメンツ、FCATセンター・フォー・ゲーミフィケーションのバイス・プレジデント、チャック・ピッケルフォート氏が「米国加入者教育におけるゲーミフィケーション活用の事情」と題して講演した。
投資や年金について考えてもらうためのゲーミフィケーション
FCATはFidelity Center for Applied Technologyの略。FCATがフォーカスしている分野として、ビットコイン/ブロックチェーン、新しいインターフェース、オープンソースなどとともにゲーミフィケーションがあるという。
ゲーミフィケーションとは、日常生活などいわゆる「ゲーム」とは一見関係ないところにゲームの仕組みを持ち込むことで、利用者のエンゲージメント(積極的な関与や行動)を高めようとする取り組みだ。最近はアプリや各種サービスなど、“ついつい使ってしまう、ハマる仕組み”の裏側に活用されている。アプリなどでチェックインするとバッジがもらえる仕組みがその一例だ。
講演でピッケルフォート氏は、良いゲーミフィケーションはゲーム要素からではなく、ユーザーを惹きつけるための鍵となる要素からスタートするとした上で、その要素を「ヒューマン・フォーカス・デザイン」と定義。そこで考慮すべき要素として、「達成感、忌避感、エンパワーメント、意義、所有感、欠乏感、社会的影響、予測不可能」を挙げた。
またゲーミフィケーションの例として、設定した時間を自動的に計測してくれる歯ブラシの例を紹介。FCATが開発に関わっているアプリとして、小中学生を対象にした学びを促すゲーム「エスケープ・フロム・プラネット・ノバック」、DC加入者向けに資産の変化の可能性を示唆するツール「マイ・シミュレーテッド・ライフ」、投資初心者を対象に、投資全般への理解を促すための教育ツール「ビート・ザ・ベンチマーク」、退職後の生活に向けた資産形成のゲーミフィケーションアプリ「フューチャー・プルーフ」、コールセンタースタッフの金融知力をクイズやゲームなどで向上させる「WPSフィナンシャル・リテラシー」などを紹介、説明した。