立場が変わっても運用を続けられる
確定拠出年金は大きく2つの特徴があります。
1つめは「立場が変わっても運用を続けられること」です。「ポータビリティ(携帯性)」があるとも言われます。
もし企業型に加入していた人が会社を辞めると、その会社の企業型確定拠出年金の対象者ではなくなってしまいます。その後もし転職先に企業型があれば、新たな転職先にて資産を移す手続きをすることで運用を続けていくことができます。
転職先に企業型がない場合や自営業者等になった場合には個人型として運用していくことができます。このように途切れることなく老後資産を作り続けられるのです。
税制優遇がある
2つめは「税制優遇があること」です。確定拠出年金は「掛金をかける」「運用する」「受け取る」の3つの段階がありますが、それぞれの段階で税制優遇が受けられます。
◆「掛金をかけるとき」…
企業型は会社が掛金をかけます。この掛金は全額会社の損金となります。加入者にとっても、この掛金は毎月会社からもらっているはずなのに給与とみなされず、税金や社会保険料が引かれることなく、そのままの金額が専用口座に入金されます。
個人型は1年間の掛金累計額が全額所得控除となります。自分の老後のためにお金を積み立てると、所得税や住民税が軽減されることになるわけです。
◆「運用するとき」…
運用益はすべて非課税となっています。通常、運用益については20%税金が課税されますから、非課税ということは他の方法と比べて有利に老後資産を増やせるということです。
◆「受け取るとき」…
受け取る方法によって退職所得控除(一時金の場合)、公的年金等控除(年金受け取りの場合)が活用できます。
税制優遇は確定拠出年金の大きなメリットです。
宮一 幸子(みやいち・さちこ)
ファイナンシャル・プランナー。CFP、FP技能士(1級)、キャリアコンサルティング技能士2級、DCプランナー1級、DCアドバイザー(DC協会)、住宅ローンアドバイザー(住宅金融普及協会)。宮一FP事務所 会社URL:http://miyaichi3.jimdo.com/
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