DC,個人型確定拠出年金

(写真=PIXTA)

節税にはいろいろな方法があるが、はじめから税制上優遇された金融商品がいくつかある。今回は、その一つである「個人型確定拠出年金」について解説する。

個人型確定拠出年金とは

公的年金に上乗せして年金を受給できる制度のひとつに「確定拠出年金」がある。確定拠出年金には、企業が行う「企業型確定拠出年金」と、個人が行う「個人型確定拠出年金」があり、今回は、個人が行う「個人型確定拠出年金」を取り上げる。

「確定拠出年金」は、支払うお金は一定で、受け取る年金は運用次第という年金だ。これに対し、「確定給付年金」は、一定の掛け金を支払えば、決まった額を受け取れるという年金である。たとえば、公的年金や国民年金基金などだ。

確定拠出年金は、アメリカの確定拠出年金制度(401k)を参考に設計されたことから、「日本版401k」と呼ばれている。また、「Defined Contribution Plan」を略して単に「DC」などとも呼ばれる。確定拠出年金の特徴は、拠出者の判断で比較的自由に資金を運用できるということである。そのため、高いリターンを求めて株式等に投資してもよいし、安全な運用を目指して債券で運用することもできる。

確定拠出年金の受給の種類とは?

確定拠出年金の受給の種類としては、老齢給付金、障害給付金、死亡一時金、脱退一時金の4つがある。老齢給付金は、原則60歳になった段階で受け取れるものである。年金で受け取る場合には、5年から20年の有期年金となる。障害給付金は一定の障害を負った時、死亡一時金は死亡した場合に支給される。脱退一時金は、資産額が15,000円以下など、ごく例外的に脱退が認められた場合に支払われるものだ 。

この個人型確定拠出年金に加入できるのは、自営業者と、会社員で勤め先に企業年金のない人(約6割)である。勤め先に企業年金がある場合には、そちらを利用することができるので対象外となっている。もっとも、現在、改正が検討されており、専業主婦や公務員、企業年金がある会社員も個人型確定拠出年金に加入できるようになる見込みである 。

運用は市場の状況に応じて変更が可能

運用の種類としては、国内外の投資信託への投資が可能である。若い人であれば、ハイリスクハイリターンの投資も可能なわけである。途中での運用内容の変更も可能なので、市場の状況に応じて運用方法を変更することができる。逆に、運用が面倒と思う人や運用リスクが怖いという人もいると思うが、そういう人は、預貯金も対象なので、預貯金を選べばほぼ無リスクで節税効果を受けることができる。