心のままに描いた樹木の様子から心理状態をはかるテスト「バウムテスト」が改めて注目されている。これはドイツの心理学者コッホが考えだしたとされる心理学のテスト法で、自分の心を知ることで揺るぎない心を取り戻し、生活や仕事の迷いを解消、本来の能力を引き出せるという。果たしてどんなものなのだろうか。

迷いを引き起こす見えない「心のトゲ」は何?

(写真=PIXTA)

心のどこかに刺さったトゲ。それは、昨日上司に叱られたことかもしれないし、夫婦関係の問題かもしれないし、あるいは、子どものころに親に言われた一言かもしれない。どんなものであれ、そのようなトゲから目を反らし続けていると、それは心の奥底に潜在しつつ、感情の問題や迷いを引き起こす。仕事面でも、それにより本来の能力を発揮できなくなってしまう。

今問題となっている「トゲ」を知ることに役立つのは「バウム(樹木画)テスト」だ。これはいろいろな心理療法の技法の中でも、心理状態を解読する点において優れており、特にその人が成長の過程で負った心の傷と、成長力そのものを判断する上で最適といわれる。

やることは単純で、「本人が描きたいように樹木の絵を描く」だけだが、その絵には驚くほど各人の内面が表われる。自由に絵を描くという行為はその人の情動を深く揺さぶるので過去の感情の解放にもつながり、それ自体での癒し効果も期待できるという。

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絵を描くことを通じて自分自身に向き合う

樹木の画の描き方を説明しよう。1本の木を10~20分かけて丁寧に描く。このときHBの鉛筆を用いる。途中で消しゴムを使って修正してもよい。絵の上手さを判断するわけではないので、気負わずに自分が思ったように描いてほしい。ただしマンガ的表現や抽象的すぎる表現は避けること。

次に絵を判断するポイントを解説する。描き上げてから先に読み進めてほしい。