(写真=Thinkstock/Getty Images)
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従業員のストレスチェックの義務化がスタートした。メンタルヘルス対策を企業に強制する格好だが、ほかにも「健康経営」の推進を後押しする動きが活発化してきている。政策的な後押しを受けるだけではなく、従業員の健康を経営資源だと捉えれば、生産性の向上や、優秀な人材の確保も優位に進められるからだ。

さらには昨今、実利的な側面からも、従業員の健康を増進からメリットを得られる環境も整いつつあるのだ。全社的な健康への取り組みが、経済合理的にもなりつつある。そんな状況を概説する。

「タニタ食堂」で火が付いた健康ブーム

「従業員の健康増進」への取り組みとして象徴的なのは、タニタの例だ。体重計などの計測器の製造・販売を手掛ける同社は、健康に配慮した社食「タニタ食堂」を立ち上げ、さまざまな話題を巻き起こしたことも、まだまだ記憶に新しい。健康ブームの火付け役だったとも言えるが、現在では関連商品も数多く販売されている。その結果、現在では「健康」を扱う企業という位置づけになっている。

さらに、タニタは社内に「健康プログラム」を導入するなど、従業員の健康をさらに増進していく姿勢を鮮明化。メタボリックシンドロームなどを経営の新たなリスクだと位置付け、事業経営の観点からも重視されている格好だ。

同社の政策との協調も進む。2008年4月の特定健康診査・特定保健指導スタートを受けて、タニタは社内に「健康プログラム」を導入。食事・運動・休養のサイクルを保ち、健康的な体づくりを目指す。歩数計や体組成計、血圧計で体の状態をチェックし、計測データーを基に個別指導などに活用して、健康を後押しする。

健康ビジネスを展開するタニタにとって、社員の健康管理は必須であり、メタボリックシンドローム対象者は企業経営の新たなリスクになるという認識から進む対策だといわれている。

タニタに代表されるような「従業員の健康増進」の取り組みは、費用抑制効果も現れてきている様子だ。2012年度の一人あたりの医療費が公になっているが、医療費は前年度比で12.3%のマイナスとなり、12万9292円にに低下したという。タニタ全体でも、2012年度の医療は前年度比で267万7620円の低下に繋がるなど、コスト削減の効果もあるといえるだろう。