この記事は2025年7月10日(木)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「神田卓也氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。

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2025年7月10日(木)の午前10時時点に外為どっとコム総合研究所の神田卓也さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。
神田卓也
株式会社外為どっとコム総合研究所取締役調査部長上席研究員。1987年福岡大学法学部卒業後、第一証券を経て、1991年メイタン・トラディション入社。インターバンク市場にて、為替・資金・デリバティブ等の取引業務を担当し、国際金融市場に対する造詣を深める。2009年7月外為どっとコム総合研究所入社。
現在の為替相場の傾向や相場観
昨日9日(水)の為替市場で目立ったのはブラジルレアルの急落であった。
トランプ米大統領がブラジルに対し8月1日から50%の関税を賦課すると発表したことを受け、対ドルの下落率は一時3%に迫った。
一方、昨日9日(水)の米ドル/円は米長期金利の低下(米債買い)を背景に前日比-0.2%の小幅安。 米10年債利回りが6bp(0.06%)低下した割には底堅い動きであり、ユーロに対するドル売りも限定的だった。
ブラジルレアルに対するドル高が影響したと考えられる。
こうした動きに加えて、昨日9日(水)は米国株も上昇しており、トランプ関税が「米国売り」を招くとの思惑は金融市場から概ね消滅したと考えられる。
現在の為替相場の戦略やスタンス
本日10日(木)日本時間未明のFOMC議事録に関してだが、ほとんどのメンバーがトランプ関税による物価高を警戒していることが明らかになっており、米金利先物が織り込む7月の25bp利下げ確率はわずか5~6%にとどまっている。
これは、ドルを売り持ちにすると、少なくとも次々回9月FOMCまでは重い金利負担に耐えなければならない公算が大きいということでもあるだろう。
海外勢中心と見られるドル売り勢力にとって、苦しい時間帯がしばらく続きそうだ。
▽米ドル/円 日足チャート

(画像=羊飼いのFXブログ)
※当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。