この記事は2025年7月30日(水)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「西原宏一氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。


FXトレード戦略
(画像=Artful Stock/stock.adobe.com)

2025年7月30日(水)の午前10時すぎに、現役トレーダーの西原宏一さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。

西原宏一
青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行にて為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラーなどを歴任後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。

現在の為替相場の傾向や相場観

今週に入っての注目はユーロ/米ドルの反落。

ユーロ/米ドル反落のきっかけは、米国とEUの関税合意が欧州にとって「服従を選択」と批判の声が上がっていることだ。ただ、前回のメルマガで紹介したように、ECB当局のユーロ高牽制コメントも効いている。

-----1.20ドルまでのユーロ高見過ごせる、それ以上は複雑=ECB副総裁(7月1日)-----

欧州中央銀行(ECB)のデギンドス副総裁は1日、対ドルで1.20ドルまでのユーロ高は無視できるが、それ以上の水準は複雑になるとの見方を示した。ブルームバーグTVのインタビューで「1.17ドル、1.20ドルでさえ、見過ごすことができない水準ではない」と指摘。「それ以上になると、かなり複雑になる」と述べた。また追加利下げは「経済を助けることにはならない」とし、貿易やその他の政策に関する確実性が必要だと語った。(出所:ロイター)

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ユーロ/米ドルのテクニカルをチェックするとが、調整に見えるがそれはまだ日足程度。ドイツがゲームチェンジしている中、ユーロ/米ドルが再びパリティを目指すとは思えないのでユーロ/米ドルの下落はあくまでも調整だと考えている。

現在の為替相場の戦略やスタンス

ユーロに対してのドル高の影響もあり、米ドル/円は148円台まで回復している。

日米関税交渉が合意との報道で、米ドル/円は145円台後半まで下落する局面もあったが、日経平均が一時42,000円台まで回復する局面での円高は限定的だと考えていた。しかし、本日30日(水)午前9時30分前後時点では、米ドル/円は148円台後半まで反発。

日経平均が40,000円レベルで底固めして反発するようであれば、米ドル/円は150円台回復もあると想定している。よって戦略的には米ドル/円の押し目買いで臨みたい。

▽米ドル/円 日足チャート

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(画像=羊飼いのFXブログ)

*:当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。