本記事は、下間 都代子氏の著書『今すぐ! 思わず! もう一度! 人前で話したくなる声と話し方』(日本実業出版社)の中から一部を抜粋・編集しています。
人前で話すときに大切な4つのこと
ここまで読み進め、実践することができたあなたは、すでに人前で話すことが「楽しい」と感じ始めているはず。
では、さらに上を目指していこう。
ここからはある程度、人前で話すことに慣れている人が、より印象的、かつ伝わる「内容」で話すために大切なことを深掘りしていく。
人前で話すとき、まず大切なのが「内容」だ。聞き手にとって面白く、有用で、最後まで聞き飽きない内容が理想といえる。そんな内容を考えるとき、改めて次の4つをまず意識して欲しい。
- テーマが明確
- 伝わる内容
- 面白さがある
- 説得力がある
これらを盛り込むことで、人の心に届く内容となる。テーマが明確であり、面白くかつ伝わる内容で、信頼感や説得力を感じる話は、聞いたあと「なるほど、そういうことか」と腑に落ちたり、感動を呼んだり、聞き手に満足感を与えることができる。
では具体的にどうすればそれぞれを網羅し、聞き手に「さすが」と思わせる内容にできるかについて、説明していこう。
■1つ目の大切なこと「テーマが明確」
一番重要であるが、これさえ決まってしまえばあとは簡単といえる。
どんなテーマで話せば良いのかについては、繰り返しになるが、「場面・対象者」をきちんと捉えた上で決めていきたい。この「テーマ」はスピーチマップの上で重要な「話のメイン道路」と密接に繋がっている。
毎年、正月に開催される箱根駅伝。舞台となる道路に大勢の応援者が集まって声援を送っているのを一度はテレビで見たことがあるだろう。
スピーチマップ上でも、その場所に多くの人が集まり、声援を送りたくなる「テーマ」にしたい。
その際に重要なのが「場面」「対象者」である。年齢層、男女の割合、職業など「対象者」に合わせて何がいいかを考えてみよう。加えて「時間帯」も考慮してテーマを決める。
「スピーチテーマのジャンル10選」を参考にした上で、「場面」「対象者」「時間帯」を考えて選ぼう。
■2つ目の大切なこと「伝わる内容」
「伝わる」とひとくちにいっても難しい。伝えるためには、わかりやすい内容、かつ、わかりやすい言葉遣いや言い回しを心がけたい。そのためにはボキャブラリーを駆使して表現していく必要がある。
自分はボキャブラリーが足りないと思う人が多いが、今の時代、インターネットやAIが言葉を教えてくれるので、慌てて「本を読んで勉強します!」など、自力で増やす必要はない。もしもボキャブラリーが少なかったとしても、よほど専門的な分野の対象者でない限り、子どもでもわかるレベルの言葉のほうが理解してもらえるし伝わりやすい。
その際、自分なりの言葉で「たとえ話」を取り入れると、より伝わり、聞き手の想像力を掻き立てることができる。
■3つ目の大切なこと「面白さがある」
「笑える」面白いも良いし、「興味深い」という意味での面白さがある内容でも良い。この面白さは、聞き手にとって「意外性」を感じさせることで引き出される。また、話し手の感情が乗っていること、共感できる内容であるとなお良い。
面白さには、話す側の頭の回転の速さが必要なので、これを聞くと「自分には無理だ」と思ってしまうかもしれないが、事前に準備することでクリアできるので安心して欲しい。
特に準備したいのが話の「オチ」で、構成力によって「オチ」が生きるか生きないかが決まる。せっかくの面白いネタでも構成が下手だと話がつまらなくなることもある。
■4つ目の大切なこと「説得力がある」
どれだけ良い話をしても根拠がなかったら心に響かない。説得力のある内容にすることで、聞き手を唸らせたり、納得させたりすることができる。
そのためには、データを盛り込んだり、事例を紹介したりするなど、根拠の明示が必要だ。さらに、だらだらと話すのではなく時間の制限がある中で、的を射た話にすることも重要。「たとえ話」は、この「説得力」に直結する。
そして一番重要なのが「結論」がしっかりあること。色々な裏づけのもとに「結論」を明示することで説得力が増す。「結論」はスピーチマップのゴール、目的地となる。
以上の4つの大切なことを押さえてスピーチ内容を作る。
まずはそれぞれを分けて考え、あとで構成、つまり「スピーチマップ」の道順を考える。
思い付くままに並べてしまうと、せっかくの面白い話がつまらなくなる可能性が高い。
では、昔ながらの起承転結が良いのかというと、それではただの作文になる。
人前で話をするときの内容は、相手の心をつかまねばならず、起承転結の構成とは限らない。
ときには「結」から始まったり、「転」から始まったりする場合でも面白くなることがある。
「スピーチマップ」上ではどのように目的地(ゴール)を目指しても構わない。話のメイン道路に戻ってきさえすればそれでいい。場合によって、寄り道話スタートもありだが、まずは王道のやり方で作ってみよう。
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