本記事は、下間 都代子氏の著書『今すぐ! 思わず! もう一度! 人前で話したくなる声と話し方』(日本実業出版社)の中から一部を抜粋・編集しています。

今すぐ! 思わず! もう一度! 人前で話したくなる声と話し方
(画像=One/stock.adobe.com)

自己紹介の練習「声」と「話し方」7つのステップ

緊張せずに人前で話せるようになるためには、技術面の強化が大切である。練習せずに上達することはまずないので、今までは「苦手」と決めつけて避けてきた人も、今回こそは頑張って欲しい。
人前で話すとき、最も緊張する必要がないのが自己紹介だ。というのも、前にも言った通り、正解はあなたしか知らないことだからだ。内容に間違いなどないので、自分のことが伝わる内容の原稿が仕上がったなら、あとは自信を持って話すだけ。
ところが、多くの人が自信なさげに他人の反応を気にしながら話してしまう。これは兎にも角にも練習不足が原因。次に挙げる順番で練習し、自信をつけて欲しい。
なお、この練習方法は、自己紹介以外の内容でも使えるので基本の練習となる。

まず用意するものは、鏡・プリントアウトした、あなたの自己紹介原稿。

① 鏡に自分を映す
立っていても座っていても構わないので、上半身が映るように鏡に正対しよう。喜怒哀楽の表情を作ってみて、顔が上手く変えられないときは頬をマッサージしたり、目を閉じたり開けたりして顔の筋肉をほぐす。
② 原稿を手に持って読む
次になるべく大きな声で、自分の声を自分の耳で確認しながら読み上げていく。ひと言ひと言、口をしっかり動かして、ゆっくり読み上げる。
③ 句点「。」で頷く
次はゆっくり読み上げながら、句点「。」のあとに「」を入れる。「間」は、聞いている人にとって、とても大切な理解と呼吸のポイントなので、聞き手が頷いてくれているイメージを持ちたい。まずは自分自身で、句点のあとに「うん」と頷いてみよう。このとき、声には出さず、頷くだけにする。自分で「うん」と声に出す癖が付いてしまわないように注意しよう。
④「」をとる
先ほどうなずいた句点「。」の箇所を、今度は頷くリアクションをとらずに、ただの「間」とする。聞いてくれる誰かをイメージし、相手が頷いている「間」をとってから次の文章を読むようにすると良い。
⑤ 鏡の中の表情をチェックし、文末だけ顔を上げる
自分の表情をチェックする際、文章の終わり、つまり文末だけ顔を上げて、鏡の中の自分に向かって話しかけるようにする。例えば「です」「ます」「ました」など。
先の私の自己紹介の場合、「下間都代子です」「担当しています」などである。明るい内容であれば笑顔で、深刻な内容であれば真剣な表情が良い。とにかく無表情ではいけない。このように文末だけでも顔を上げて、句点「。」までは、鏡の中の自分に向かって話すことで、たとえカンニングペーパーを持ったまま話していたとしても、まるで暗記しているかのように見える。また、④の「間」も効果的に取り入れよう。
⑥ 肩書きと名前、キャッチコピーは覚える
肩書きと名前、キャッチコピーだけはなるべく覚えよう。そして、鏡の中の自分の表情をチェックしながら声に出す。肩書きや名前、キャッチコピーを言うのに、下を向いていては自信のないのがあらわになってしまう。ここだけはぜひとも顔を上げて、笑顔で大きな声で届けたい。これを繰り返し練習する。
⑦ 最後のチェック
自己紹介の最後はほとんどの場合「よろしくお願いします」で終わる。この一文は原稿を見なくても言えるはずなので、顔を上げて、鏡の中の自分に向かって元気に声をかけよう。そしてお辞儀をして終了となる。

この練習を繰り返していくのだが、当然、やっているうちに飽きてくるし、これでいいのかどうかわからなくなってくる。
そこで次にやって欲しいのが、客観的に自分を見る練習。引き続き説明していこう。

自己紹介の練習最後の砦、「自分と向き合う」こと

人前で話すのが苦手な人は、周りからどう思われるのかが気になってしまう傾向がある。そもそも自分の声や、緊張しながら話している姿を見るのも嫌いで、目を背けがちになる。自分の声を録音したものを聴くこと、自分の映っている動画を見ることを極力避けて生きてきたはず。
しかし、人前で話すのが怖い、自分と向き合うのが怖い人は、練習を繰り返すことで徐々に自信もついてくるので、ここは一念発起。自分の姿を客観的に見るという最後の砦を乗り越えて欲しい。
おすすめは動画収録なのだが、スマホで自撮りして、というと、想像しただけで拒否反応を起こす人も多い。そこで、今の時代だからこそ、の良い方法がある。
それが1人Zoomミーティング。Zoomといえば、普通は会議やセミナーなど複数人で使うものだが、これを1人で立ち上げる。自撮りは嫌いでも、Zoomミーティングは昨今、仕事上、多くの人が使っており、これならなんとなくハードルが下がるのではないだろうか。
Zoomを使った1人ミーティングの良いところは次の通り。

❶ 自分の顔をしっかりチェックできる
❷ ビデオ設定で、顔の色を明るくしたり、肌質を綺麗に見せたりするエフェクトが使えるので自分の顔を直視するときの気持ちが楽になる
❸ 動画のレコーディング(有料版、無料版によって異なる)ができるのであとで見直せる

1人Zoomミーティングをして、アーカイブで確認。顔の表情と声の表情をチェックするほか、肩書きや名前、文末などで、きちんと顔を上げているかどうかを確認しよう。
このとき、パソコンのカメラを見るのではなく、最初は画面に映っている自分の顔を見ながら練習する。そうしないと顔の表情が変えられないからだ。これを繰り返すことで、表情の変化が自然と身に付いてくるので、できるようになってからカメラ目線にしてチャレンジしよう。この1人Zoomミーティングの練習方法は、より聞き手を惹き付ける話し方になるための練習にも向いている。

今すぐ! 思わず! もう一度! 人前で話したくなる声と話し方
(画像=今すぐ! 思わず! もう一度! 人前で話したくなる声と話し方)

人前で話すことが苦手な理由を知り、自己紹介マップを使った練習により、少しは自信が付いたところで、次は人前で話すときの話材「ネタ」の見つけ方に進んでいく。そして「スピーチマップ」によって、話のアウトラインが決まり、安心して人前で話す準備が整うだろう。イメージしてみよう。多くの人があなたを見つめる中、あなたはどんな内容の話をするのだろうか?
職場での朝礼、商品のPRや、企画のプレゼンテーション、お祝いのスピーチ、社員への訓示、講義、講演、あなたの人生を語る、所信表明演説など。より伝わる内容で、より心をつかむネタを見つけるにはどうすれば良いのか?

その鍵は2つの話のネタ「もらいもの」「もらわないもの」。

今すぐ! 思わず! もう一度! 人前で話したくなる声と話し方
下間 都代子(しもつま・とよこ)
株式会社下間都代子コミュニケーション研究所代表。声の総合プロデューサー。フリーアナウンサー・ナレーター。元FM802アナウンサー。現在フリーのアナウンサー、ナレーターとして報道情報番組やCMほか声の仕事で多方面に活動。また話し方、コミュニケーション、発声の講座や個人コンサルの講師としても活躍中。阪急電鉄の車内放送などで関西では特に著名。指導歴としてはボイストレーニングや話し方の講師、日本ナレーション演技研究所はじめ声優・ナレーター養成所などの講師を歴任。30年以上の経験を持つ。これまでに4,000名を超える声優・ナレーターを業界に送り出してきた。また、より朗読の神髄を極めるためナレーター槇大輔氏のもとで10年に渡り学び、朗読や朗読劇などの舞台に出演。朗読家としてイベントに招かれている。音声SNS“clubhouse”の番組「耳ビジ★耳で読むビジネス書」では年間60冊超のビジネス書を朗読。「映像が浮かんでくる」「心に届く」「元気になる」などの声を著者やリスナーからもらっている。デビュー作は、フライヤーとグロービスが主催する人気イベント「読者が選ぶビジネス書グランプリ2025」ビジネス実務部門で2位になった。

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