この記事は2026年3月6日にSBI証券で公開された「株価波乱で買い好機!?好業績・好配当の「3月優待銘柄」」を一部編集し、転載したものです。

株価波乱で買い好機!?好業績・好配当の「3月優待銘柄」
(画像=SBI証券)

目次

  1. 株価波乱で買い好機!?好業績・好配当の「3月優待銘柄」
    1. 3月相場は波乱に~好条件銘柄の株価も低迷?
    2. スクリーニング条件
    3. 株主優待の注意点
  2. 一部掲載銘柄を解説!
    1. ソフトバンク(9434)~安定したキャッシュフロー等を背景に高水準の配当性向を継続
    2. 平和不動産(8803)~都市部の優良物件に集中。今期予想1株配当金を上方修正
    3. 日本航空(9201)~2026年3月期は業績好調。株主優待は「国内線運賃50%割引」

株価波乱で買い好機!?好業績・好配当の「3月優待銘柄」

3月相場は波乱に~好条件銘柄の株価も低迷?

2026年の東京株式市場は、1月から2月にかけて上昇基調となりました。日経平均株価の本年2月末終値は、昨年末比で16.9%上昇しました。上場企業の好決算や、総選挙における与党の大勝が追い風となりました。

それに対し、3月の東京株式市場は一転して荒れ模様となっています。日経平均株価は3/2(月)~3/4(水)の3営業日で、4,604円(7.8%)も下落しました。2/28(土)に米国とイスラエルがイランを攻撃し、イランの最高指導者であるハメネイ師の死亡が確認されました。中東情勢への不透明感から、市場は一気にリスクオフモードへ傾きました。

日経平均株価の2/6(金)の高値54,253円に対し、2/9(月)の安値は55,018円であり、チャート分析上は「54,253円~55,018円に窓が開いている」とみなされます。

日経平均株価は2/26(木)の高値59,332円から3/4(水)には一時53,618円まで下落しました。日経平均株価は「窓開き」以下の水準まで下落したことで、「窓埋め」になったとみなされます。「窓埋め」は、株価の下落がいったん終わる可能性を示唆する形状であると理解されています。3/5(木)の日経平均株価は4営業日ぶりに反発しましたが、チャート分析上の底入れを意識した面もありそうです。

そもそも、軍事力の面で米国・イスラエル間とイランの間には大きな格差があるとみられるうえ、イランは防空システムが機能していない可能性があり、予想外に紛争が短期間で収束する可能性もあります。仮に今回の紛争が収束した場合、中東の地政学的リスクが大きく後退するとみられることから、反発が急になる可能性もありそうです。

東京株式市場は、あと少し波乱の余地を残しているかもしれませんが、基本的には次第に落ち着きを取り戻すと期待されます。

中長期的には、日本株の上昇は続くのではないでしょうか。緩やかなインフレが定着しつつあることがひとつの理由です。また、上場企業による株主優待制度の導入が増えてきたことや、配当の増加等により、株式投資の魅力が増してきたことも重要な要因と考えられます。前者については2021年を底に導入企業数が増加し、SBI証券の株主優待検索サイトで検索可能な銘柄は1,663銘柄(3/5時点)に達しています。後者については、上場企業の配当総額が2026年3月期に20兆円を超え、過去最高記録に達する見通しです(2026年1月4日の日経報道)。

「株主優待」「配当」の充実は、むしろ上昇相場の一方の主役になっているのかもしれません。

スクリーニング条件

今回の「日本株投資戦略」では、3月に株主優待の権利が確定する銘柄をご紹介します。

業績好調で、一定水準以上の配当が見込めるうえに、株主優待実施も予定される「好条件」銘柄の抽出を試みました。株式市場が波乱となったため、こうした「好条件」な銘柄も株価面で上値が抑えられ、投資好機になっている可能性もありそうです。

スクリーニング条件は以下の通りです。

・東証プライム市場に上場
・3月決算銘柄
・3月末株主(権利付最終日は3/27)に対し株主優待・配当を実施予定
・時価総額1千億円超
・証券・商品先物取引業を除く
・市場予想1株配当金をベースとした予想配当利回りが東証プライム市場の予想配当利回り2.26%(3/4時点)を超過
・直近四半期(2025年10~12月期)の純利益が前年同期比で増益
・直近四半期累計(2025年4~12月期)の純利益が前年同期比で増益
・第3四半期決算発表時に2026年3月期会社予想純利益が下方修正されていない
・2026年3月期・2027年3月期の市場予想純利益(Bloombergコンセンサス)が増益予想
・取引所または日証金、当社による信用規制・注意喚起銘柄を除く

掲載銘柄は上記条件をすべて満たしています。掲載の順番は、3/4時点で予想配当利回りが高い順になっています。

株主優待の注意点

なお、「3月に権利が確定する株主優待銘柄」のほとんどが3/27(金)を権利付最終日としています。この場合、3/30(月)の権利落ち日以降に買い付けができても、配当および株主優待の権利を確保することはできませんので、ご注意ください。

また、権利付最終日に優待実施銘柄を買い、権利落ち日に売ることで、効率良く株主優待の権利獲得を考える投資家の方もいらっしゃるのではないでしょうか。ここで注意すべき点は、買い付ける時の株価が予想外に高くなったり、売る時の株価が予想外に安くなったりなど、相当額の売却損が出てしまうケースです。配当取りも同様で、権利落ち日には配当実施分だけ株価が下がることが多くなっています。ノーコスト・ノーリスクで株主優待や配当を享受することは難しいでしょう。

それでも、コストやリスクを軽減して、株主優待の権利を確保する方法はあります。ひとつは、複数銘柄に投資をし、リスク分散を図る方法です。

もうひとつは「つなぎ売り」を活用した取引です。「つなぎ売り」で株主優待をお得に活用する方法については、SBI証券のWebページでご紹介していますので、参考にしてください。ただし、制度信用売りを利用した場合、株主優待品の価値を上回る逆日歩が発生する可能性があるため、注意が必要です。一般信用短期の在庫がある場合は、逆日歩が発生しないこちらの利用をご検討いただくことがよいと考えられます。また、「つなぎ売り」をした場合、信用取引の「売り」により、配当調整金を支払う必要が出て、実質的に配当を受け取れなくなるなど、重要な注意点*(下記脚注の詳細参照)があります。メリットとデメリットを十分理解した上でのご利用をお願い申し上げます。

重要な注意点 ~つなぎ売りを利用した場合の「配当金(現物と信用)受け払いの差額」~
※権利付き最終日の大引け時点でつなぎ売りをしている場合、現物については税金が差し引かれた配当金(配当金の約80%)を受取り、一般信用売り建玉については配当落ち調整金(配当金の100%相当)をお支払いいただきます。したがいまして、配当金の約20%相当の差額をお客さまにご負担いただくことになります。
※権利付き最終売買日と権利落ち日をまたいで信用売建玉がある場合、権利落ち日に予想配当金相当額(予定配当調整金)をあらかじめ委託保証金現金から拘束させていただき、配当金が確定後に拘束金から支払いを行います。信用売建玉に対する支払予定配当金相当額合計(予定配当調整金合計)は、ログイン後ページ内「口座管理」>「口座(円建)」>「信用建余力」>「建余力・追加保証金」の「増担保・配当調整金」に表示させていただいております。

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(画像=SBI証券)

一部掲載銘柄を解説!

ソフトバンク(9434)~安定したキャッシュフロー等を背景に高水準の配当性向を継続

◎携帯電話サービスが中核。LINEヤフー、PayPay他が傘下

ソフトバンクグループ(9984)が議決権の40.1%を保有(2025年12月末時点)しています。携帯電話サービス等の「コンシューマ」(2025年3月期売上構成比45%)を中心に、「メディア・EC」(同25%)、「ディストリビューション・その他」(同12%)、「エンタープライズ」(同14%)等を展開。LINEヤフー(4689)、PayPay、アスクル(2678)、ZOZO(3092)などが傘下(間接保有を含む)です。このうち、PayPayが3月にも米NASDAQ市場に上場する見通しであることが報道されています。個人株主拡大に向け、2024年4月に株主優待新設を発表し、同年10/1(火)付で1株→10株の株式分割を実施しました。配当政策は特に目標を定めていませんが、携帯電話サービス等で安定したキャッシュフローが期待でき、2016年3月期以降の配当性向は76%~85%と高い水準で推移しています。

◎業績予想を上方修正。好配当利回り継続の見通し

2026年3月期第3四半期(2025年4~12月期)は売上高5兆1,953億円(前期比8%増)、営業利益8,841億円(同7.6%増)と好調。これを受け会社側は、2026年3月期(通期)の会社予想営業利益を1兆円→1兆200億円(前期比3.1%増)に上方修正しました。市場(Bloombergコンセンサス)では予想年間1株配当金を8.84円と想定しており、3/4(水)終値210.7円で計算される予想配当利回りは4.19%と計算されます。

◎1,000円相当の「PayPayマネーライト」付与

3月末、および9月末に100株以上を1年以上継続保有した株主に対し1,000円相当の「PayPayマネーライト」が付与されます。また、株主への特典として、イベントやキャンペーンへの参加機会が抽選で用意されます。

平和不動産(8803)~都市部の優良物件に集中。今期予想1株配当金を上方修正

◎証券取引所ビルのオーナー。兜町・茅場町、札幌の再開発を推進

東京、大阪、名古屋、福岡等の証券取引所ビルのオーナーとして1947年に設立されました。設立後は取引所の賃貸に加え取引所所在地を中心にビル賃貸等に進出することで事業を拡大しました。2014年以降は東京兜町・茅場町の再開発に注力し、また札幌においても再開発事業を推進しています。

◎「大都市集中」が強み。保有土地の時価は増加傾向

売上高(2025年3月期)の90%が「ビルディング事業」(開発、賃貸他)で、残りは「アセットマネジメント事業」となっており、リート投資法人の資産運用等を行っています。賃貸収益(同)の構成比はオフィス56%、取引所13%、商業18%で、取引所が存在する都市を中心に展開しているため、東京、大阪、名古屋、福岡、仙台、札幌等の大都市に集中しています。保有不動産の時価は2021年3月期3,768億円から2025年3月期は4,398億円(うち含み益が1,284億円)と増大しています。

◎業績・配当予想を上方修正。株主優待としてはカタログギフト(長期保有特典あり)を贈呈

2026年3月期の業績は好調です。1/30(金)には2026年3月期業績予想について、売上高490億円→505億円(前期比20%増)、営業利益139億円→148億円(同12.2%増)に上方修正され、予想1株配当金も88円から93円(普通78円+特別15円)に上方修正されました。3/4(水)終値2,450円から計算される予想配当利回りは3.79%です。3月末に200株以上保有の株主に対し、WEBカタログギフト4,000円相当(3年以上継続の場合は5,000円相当)、500株以上保有の株主に対し、同6,000円相当(3年以上継続の場合は8,000円相当)が贈呈されます。

日本航空(9201)~2026年3月期は業績好調。株主優待は「国内線運賃50%割引」

◎日本を代表する航空大手の一翼を担う

1951年に設立され、ANAホールディングス(9202)と並び航空大手の一翼を担っています。設立時は国内線の運航から開始し、1954年には戦後初の国際線定期輸送を開始しました。1983年には国際線定期輸送実績第1位を確保し、1987年に完全民営化となりました。2010年に会社更生手続きを申し立て経営が破綻する局面がありましたが、2012年に東証に再上場を果たし、その後は回復過程を歩んでいます。

売上収益構成比(2026年3月期第3四半期累計)は国際旅客37.4%、国内旅客30.7%、マイル/ 金融・コマース+その他12.2%、貨物郵便9.5%、LCC4.9%です。国際旅客収入に占める地域別構成比(同)は米大陸線が41%、アジア・オセアニア線28%、欧州線17%、ハワイ・グアム線8%、中国線6%です。日中間の旅客減少が気になるところですが、構成比をみる限り、業績全般への影響は限定されそうです。

◎2026年3月期は業績・配当予想を上方修正

2026年第3四半期累計(2025年4~12月期)の売上収益は1兆5,137億円(前年同期比9.2%増)、純利益は1,137億円(同24.9%増)と増収増益になりました。全セグメントが増収となり営業費用の上昇を吸収しました。3/2(月)取引時間終了後には業績・配当予想の上方修正を発表。2026年3月期の売上収益は1兆9,770億円→2兆円(前期比8.5%増)、純利益は1,150億円→1,230億円(同14.9%増)、1株配当金は92円→96円に上方修正されました。

配当政策としては「配当性向35%」が目安とされます。会社側の修正後予想1株配当金96円および3/4終値2,761円から計算される予想配当利回りは3.47%(上記の表は市場予想ベース)です。

◎株主優待は株主割引券(国内線運賃50%割引)

(1)3月末および9月末の株主に対し、保有株式数に応じてJALグループの国内定期路線の株主割引券(50%割引)が発行されます。

3月末株主に対する保有株式数ごとの発行枚数は以下の通りです。

・100~299株 1枚
・300~499株 2枚
・500~699株 3枚
・700~899株 4枚
・900~1,099株 5枚
・1,100~99,999株 5枚+1,000株超過分500株ごとに1枚
・100,000株以上 203株+100,000株超過分1,000株ごとに1枚

9月末株主に対しても異なる条件で、株主割引券(50%割引)の発行があります。

(2)3月末および9月末の株主に対し、旅行商品の割引(3%~8%割引)もあります。

(3)3月末および9月末まで、3年以上継続保有した場合は、株主割引券の追加発行があります。

▽当ページの内容につきましては、SBI証券 投資情報部長 鈴木による動画での詳しい解説も行っております。東証プライム市場を中心に好業績が期待される銘柄・株主優待特集など、気になる話題についてわかりやすくお伝えします。

鈴木 英之
鈴木 英之
SBI証券 投資情報部長
・出身:東京(下町)生まれ埼玉育ち
・趣味:ハロプロの応援と旅行(乗り鉄)
・特技:どこでもいつでも寝れます
・好きな食べ物:サイゼリヤのごはん
・好きな場所:秋葉原(末広町)
ラジオNIKKEI(月曜日)、中部経済新聞(水曜日)、ストックボイス(木曜日)、ダイヤモンドZAIなど、定期的な寄稿も多数