この記事は2026年8月7日にSBI証券で公開された「キオクシア、太陽誘電に続くか!?大幅増益の「AI・半導体」銘柄」を一部編集し、転載したものです。

キオクシア、太陽誘電に続くか!?大幅増益の「AI・半導体」銘柄
(画像=SBI証券)

目次

  1. キオクシア、太陽誘電に続くか!?大幅増益の「AI・半導体」銘柄
    1. 日経平均株価はボトムを打った可能性も
    2. スクリーニング条件
  2. 一部掲載銘柄を解説!
    1. キオクシアホールディングス(285A) ~市場は業績拡大を予想も株価は乱高下。今後はどうなる?
    2. パナソニックホールディングス(6752) ~2027年3月期、第1四半期を最高益でスタート

キオクシア、太陽誘電に続くか!?大幅増益の「AI・半導体」銘柄

今回の「日本株投資戦略」では、今後の株式市場のリード役として期待できる「AI・半導体」関連銘柄について、選別を試みました。 東証プライム市場で決算発表を終了した「AI・半導体」銘柄の中から、前年同期比の増益率が高く、今後も高成長が期待される銘柄をご紹介したいと思います。スクリーニング条件の詳細は図表の脚注に示しました。

日経平均株価はボトムを打った可能性も

日経平均株価は当面のボトムを打った可能性が大きいと考えられます。テクニカル的に、7/29終値が25日移動平均線からマイナス8.9%乖離しましたが、通常はマイナス7~8%を超える下げは「下げ過ぎ」を示唆すると考えます。

主力半導体株の一角を占めるアドバンテスト(6857)が7/29(水)に2027年3月期業績予想を上方修正しました。7/30(木)の東京株式市場ではこれを好感し、同社株が買い先行となりました。これまでは、好決算を発表しても売られる銘柄が多かった現実がありますが、好決算銘柄の株価上昇は地合いの好転を印象付けています。

アドバンテスト(6857)やキオクシアホールディングス(285A)の7/30(木)終値はともに、2026年3月期の本決算発表日の株価を下回っていました。日経平均株価への寄与度の大きい半導体関連銘柄でリスク要因の織り込みが進み、将来への期待が織り込まれない形になったことで、日経平均株価は上昇しやすくなったとみられます。

キオクシア、太陽誘電に続くか!?大幅増益の「AI・半導体」銘柄 キオクシア、太陽誘電に続くか!?大幅増益の「AI・半導体」銘柄 キオクシア、太陽誘電に続くか!?大幅増益の「AI・半導体」銘柄
(画像=SBI証券)

スクリーニング条件

(1)東証プライム市場上場
(2)時価総額1,000億円以上
(3)事業内容が半導体、半導体製造装置、AIデータセンター、フィジカルAIに関連
(4)7/21(火)~8/5(水)に決算発表
(5)3月決算銘柄
(6)予想EPSを公表しているアナリストが3名以上
(7)2027年3月期第1四半期(2026年4月~6月期)の純利益が前年同期比50%超の増益、または黒字転換
(8)今期(2027年3月期)、来期(2028年3月期)の市場予想純利益(Bloombergコンセンサス)がともに前期比10%超の増益予想
(9)取引所または日証金、当社による信用規制・注意喚起銘柄を除く(空売り規制銘柄は除きません)

掲載銘柄は上記条件をすべて満たしています。掲載の順番は2027年3月期第1四半期の純増益率(前年同期比)が大きい順(黒字転換を優先)です。

一部掲載銘柄を解説!

キオクシアホールディングス(285A) ~市場は業績拡大を予想も株価は乱高下。今後はどうなる?

◎「NAND型フラッシュメモリー」を発明。サンディスクグループとの合弁を合わせれば世界トップ級

NAND型フラッシュメモリーの製造大手企業です。設立母体である東芝が1987年に発明し、次第に用途を拡大してきました。フラッシュメモリー自体に加え、同メモリーを用いた次世代記憶装置であるSSD※、メモリーカード等が製品です。「NAND型フラッシュメモリー」の市場シェアは、同社単独ではサムスン電子、SKハイニックスに次ぐ第3位グループとみられますが、米サンディスクグループとの製造合弁を合わせると、2025年3月期の生産量シェア(記憶容量ベース)は29%と世界トップ級(同社「統合報告書」)になります。

※SSD(Solid State Drive)は、主にパソコンやスマホ、データセンターなどで使われる「データを保存する装置」で、主にNAND型フラッシュメモリー、コントローラー、DRAMで構成されます。なお、DRAMを搭載しないSSDもあります。

◎市場は業績拡大を予想も株価は乱高下

2027年3月期第1四半期(2026年4月~6月期)の売上収益は1兆7,671億円(前年同期比415%増)、営業利益は1兆2,700億円(前年同期は448億円)でした。「SSD&ストレージ」の売上収益の6割超を占めるデータセンター・エンタープライズ向けが旺盛なAIサーバー向け需要を受けて物量・販売単価とも増加・上昇しました。スマホ向け等も単価が上昇し、販売単価は全体で前四半期比70%上昇しました。

会社側は第2四半期(2026年7月~9月期)の売上収益を2兆3,900億円(前年同期比433%増)、営業利益を1兆8,900億円(前年同期の859億円から大幅増)と計画しています。9/29を権利落ち日とする株式分割(1株→3株)と自社株買い枠設定(2026/8/3~10/30・株式数最大3,000万株・取得価額最大8,000億円)も発表しています。

株価は、本決算を発表した5/15(金)終値で44,450円でした。この決算発表を契機に同社の業績拡大と株価上昇に対する期待が高まり、6/22(月)には112,700円まで急騰しました。しかし、その後株価は急落し、7/30(木)には一時36,020円まで下落。下落率は68%(いわゆる半値八掛け二割引)に達しました。

株価急落の背景は、急騰の反動に加え、米大手クラウド業者のデータセンター投資の持続性に疑問が生じたこと、メモリー価格の高値維持に対する疑問が生じたこと等があげられます。しかし、同社のビジネスがパソコンやスマホの販売動向に左右されるモデルから、クラウド業者等との長期契約に基づき販売単価を安定させるモデルへ変わる可能性はありそうです。2027年3月期第1四半期(2026年4月~6月期)決算では営業利益が市場予想を下回りましたが、一時費用等を控除しないNon-GAAP営業利益ベースでは会社側のガイダンス(5/15発表)を上回っており、過度の不安は不要でしょう。市場(Bloombergコンセンサス)では、同社の営業利益について、2026年3月期8,703億円(実績)から2027年3月期7.8兆円、2028年3月期10.3兆円を予想しています。このシナリオが現実味を帯びてくれば、株価は再び本格的に上昇する可能性もありそうです。

パナソニックホールディングス(6752) ~2027年3月期、第1四半期を最高益でスタート

◎日本の家電業界を長年リード。近年は構造改革に注力

「経営の神様」と称えられる松下幸之助が1918年に大阪市で配線器具を製造する会社として創業。その後は長く、日本の家電業界を牽引する企業として君臨してきました。現在は、白物家電・電池・空調機器・電材など多角的な事業を持つ総合電機メーカーで、2022年4月から持株会社体制に移行し、事業ごとに子会社を分けて経営しています。

ここ数年は「構造改革」が最大のテーマです。2024年12月に車載機器事業(PAS)を投資ファンドへ譲渡して連結対象から外し、2026年3月には住宅設備事業を担うパナソニック ハウジングソリューションズの株式80%をYKK側へ譲渡し、同社を持分法適用会社としました。テレビや一部の産業デバイス、キッチン家電なども「課題事業」に位置づけ、中国シフトや事業縮小・撤退を進めています。さらに2026年春からは中核のパナソニック株式会社を解体し、HVAC&CC・エレクトリックワークス・パナソニックの3社に分割する再編も発表されました。

◎「最高益が視野」をどうみるか

業績は拡大期に入ってきました。2027年3月期第1四半期(2026年4月~6月期)は、AIインフラ関連事業に加え、データセンター需要の恩恵を受ける周辺事業が想定以上に伸長し、営業利益が1,824億円(前年同期比110%増)と、第1四半期としては1985年以来41年ぶりとなる過去最高益の更新となりました。これを受けて会社側は2027年3月期の予想営業利益を400億円引き上げて5,900億円(前期比149%増)としました。通期予想営業利益5,900億円は1984年に記録された過去最高(5,757億円)を上回る水準で、42年ぶりの通期過去最高益更新が視野に入っています。AI関連需要の拡大とその波及効果を踏まえ、コネクト・インダストリーを中心に業績が拡大傾向です。

株価は7/1(水)に過去最高値4,770円まで上昇し、その後はやや調整しています。しかし、7/30(木)に発表された決算・業績予想上方修正で最高益が視野に入ってきました。市場(Bloombergコンセンサス)では2028年3月期に営業利益7,411億円が予想されています。

▽当ページの内容につきましては、SBI証券 投資情報部長 鈴木による動画での詳しい解説も行っております。東証プライム市場を中心に好業績が期待される銘柄・株主優待特集など、気になる話題についてわかりやすくお伝えします。

鈴木 英之
鈴木 英之
SBI証券 投資情報部長
・出身:東京(下町)生まれ埼玉育ち
・趣味:ハロプロの応援と旅行(乗り鉄)
・特技:どこでもいつでも寝れます
・好きな食べ物:サイゼリヤのごはん
・好きな場所:秋葉原(末広町)
ラジオNIKKEI(月曜日)、中部経済新聞(水曜日)、ストックボイス(木曜日)、ダイヤモンドZAIなど、定期的な寄稿も多数
根津真由子
根津 真由子(ねづ まゆこ)
SBI証券に新卒入社。現在は投資情報コンテンツの企画・発信を担当。
初心者や若い世代に寄り添った視点で、投資の基本やマーケットの情報をわかりやすく伝えることが目標。読者と一緒に学び、成長していけるようなコンテンツづくりを目指している。 特技は空手。