高金利通貨の状況を動画で解説

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高金利通貨「メキシコペソ・南アフリカランド・トルコリラ」の状況をギュッと要約

IMF成長見通しと各国の状況

IMFが発表した2025年成長見通しで、メキシコは0.5%引き上げられて0.2%、南アフリカは1.0%で据え置き、トルコは0.3%引き上げられて3.2%となった。メキシコとトルコには良いニュースだが、南アフリカは外交問題により経済が停滞している。

メキシコペソの堅調な推移

メキシコペソは今月首位だったが、今週ドルに抜かれて2位となった。年間では3位の強さを維持している。

9週連続陽線だったが今週は陰線となり、10週連続は困難な状況だ。7月前半のインフレは低下したが、コアインフレは4%以上で推移している。今日のGDPは縮小予想で、アメリカの関税問題があるもののUSMCAの恩恵により影響は限定的とみられる。

南アランドの外交リスク

南アフリカは年間6位だったが後退した。最大の要因はアメリカとの外交悪化で、アメリカは大使を本国召還した。BRICS加盟、中国との軍事演習、イスラエルへの訴訟などが要因で、アメリカ外交委員会では制裁が決定され議会に送られた。

インフレ抑制は成功しており3-6%目標の下限に到達、明日の政策決定会合では0.25%利下げ予想だ。インフレターゲットを2-5%に下方修正する議論もある。

トルコリラの安定化と課題

トルコリラは1ドル40リラ台で安定している。10年前の1ドル3リラから13倍のリラ安だが、輸出業者はさらなるリラ安を要求している。中銀は長期的には徐々なリラ安方針を維持している。

ムーディーズが格付けを引き上げ、政策金利は3%引き下げて43%となった。インフレは年末までに30%を下回る見通しで、今後も利下げが予想される。貿易赤字継続によりリラのじり安傾向は続く見込みだが、円対比では3.60円前後で安定しており、スワップ取引に利用可能な状況だ。

メキシコとトルコには好材料が出た一方、南アフリカはアメリカとの対立が続くため注意が必要だ。

外為マーケットビュー
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

外為市場に長年携わってきたコメンテータが、その日の相場見通しや今後のマーケット展望を解説します。

野村雅道
野村雅道氏
FX湘南投資グループ代表 1979年東京大学教養学部を卒業後、東京銀行(現三菱UFJ銀行)入行。82年ニューヨーク支店にて国際投資業務(主に中南米融資)、外貨資金業務に従事。85年プラザ合意時には本店為替資金部でチーフディーラーを務める。 87年米系銀行へ転出。外資系銀行を経て欧州系銀行外国為替部市場部長。外国為替トレーディング業務ヴァイスプレジデントチーフディーラーとして活躍。 財務省、日銀および日銀政策委員会などの金融当局との関係が深く、テレビ・ラジオ・新聞などの国際経済のコメンテイターとして活躍中。為替を中心とした国際経済、日本経済の実践的な捉え方の講演会を全国的に行っている。現在、FX湘南投資グループ代表。

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