本記事は、永谷 顕氏の著書『非IT人材で成果が出る DX成功ルール』(あさ出版)の中から一部を抜粋・編集しています。

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(画像=Andrii Yalanskyi / stock.adobe.com.jpeg)

[成功ルール]
分析ツールを導入し、蓄積したデータを積極活用する

集めたデータは、分析・活用してこそ武器になる

現在、多くの企業がデータを活用して業務の効率化や売上の向上を目指しています。

中小企業において、データ分析ツールの導入は、経営の改善や競争力の強化に役立ちます。

データ分析ツールを使うと、「市場の動向」「顧客のニーズ」「会社の現状」などをデータから読み取ることができるため、素早く適切な経営判断ができるようになります。

当社では、社内データをキントーンで集中管理していますが、それらの情報を十分に分析・活用できていませんでした。そこで、データを多角的に分析して業務改善に役立てるために、株式会社キーエンスが提供するデータ分析プラットフォーム「KI」を採用しています。

KIなら、キントーンに集約したデータを詳細に分析できます。KIとキントーンを組み合わせることで、データの一元管理と高度な分析が可能となり、意思決定の質の向上が期待できます。

【KIのおもな特徴】

  • オールインワン機能 …… グラフやダッシュボード(ひとつの画面にさまざまなデータをまとめられるビジネスツールのこと)の基本機能に加え、要因を深掘りできる

「要因ツリー」、AIが分析を支援する「AIアシスト」、プログラム不要でデータを整える「ワークフロー」など、ビジネスに必要な機能をひとつにまとめています。

  • 専門知識不要の簡単操作 …… 高度なデータ分析スキルがなくても、直感的な操作で日常的にデータを活用できます。

  • カスタマーサクセスチームの支援 …… 経験豊富なカスタマーサクセスチームが、データ活用のノウハウを提供し、導入から活用まで伴走します。

  • 課題抽出とアクションへのつなげやすさ …… 現状把握から課題発見、施策実施、振り返りまでのプロセスを日常的に回せるよう工夫されています。

  • 幅広い業界・部門での活用 …… DX、IT、経営企画、営業、マーケティング、製造、物流、経理、人事など、幅広い業界や部門で利用されています。

情報が集約されていなければ、分析ツールは期待できない

KIを活用することで、これまで個別に存在していたデータをひとつにまとめ、必要な形に整えることが可能です。

たとえば、キントーンに蓄積されたデータを加工し(マトリックス分析やツリー表示、色分けやグラフ作成などの可視化)、さまざまな情報と結びつけて、詳細なレポートを作成することができます。

基幹システムにデータが集約されているなど、情報が適切に集められているほど、KIはその力を大きく発揮します。情報を豊富に持ち、そのデータを集約・分析することで、データにもとづいた仮説の構築と検証が容易になるのです。

[成功ルール]
KIを導入し、データを立体的に捉える

ミヨシテックが分析ツールにKIを選んだ理由

ミヨシテックがKIを導入した理由は、大きく3つあります。

【KIを導入したおもな理由と効果】

①データサイエンティストの育成

データ分析の専門家を外部から招いた場合、「コストがかかる」「社内にノウハウが蓄積されない」という課題がありました。しかしKIの導入により、社員自らがデータ分析の手法や考え方を学び、実践することで、社内の分析力を高めることが可能となります。

キーエンスが提供するユーザー専用「サクセスサイト」には、ビジネスでのデータ活用に必要とされる知識やスキルに関する豊富なコンテンツが掲載されています。これらのリソースを活用すれば、社員はデータの見方や分析手法、情報の抽出方法などを体系的に学ぶことができます。それによって、データの分析をし、その結果をビジネスに活用する「データサイエンティスト」を社内人材から育成することも可能です。KIの導入・運用コストは、社内の「研修費用」とみなすことができます。

②データ活用の次なるステップへの挑戦

当社では、キントーンを活用してデータの収集・集約を行っています。しかし、データを蓄積するだけでなく、そこから有益な情報を引き出し、業務改善や戦略立案に活かすことが重要だと考えています。

KIの導入により、データの分析・分類、管理が容易になり、データを効果的に活用する体制を整えることができました。

当社では、データ活用のプロセスを以下のように構築しています。プロセスを明確にしたことで、データにもとづく業務改善が円滑になりました。

【組織でデータを活用するための5ステップ】
(1)収集・集約:キントーンを用いてデータを一元的に収集・集約します。
(2)分析・分類:KIを活用して、収集したデータを多角的に分析・分類します。
(3)管理:分析結果を適切に管理。KPI(重要業績評価指標/プロジェクトの目標達成度を評価するための具体的な指標)をチェックし、行動管理を行います。
(4)成果(整理):データを体系的に整理。求める結果を得るために、データを活用します。
(5)効率化:将来的には、KIの機械学習機能を活用して、業務のさらなる効率化を図る予定です。

③ノウハウの習得

KIの導入を通じて、高収益企業として知られるキーエンスの高度な営業ノウハウや分析手法を吸収できることも期待しています。「どのようなデータ項目を収集・分析すべきか」「どのように営業活動に活かすか」といった実践的な知識を習得することで、社員1人ひとりのスキル向上を図っています。

社員全員がデータ分析の基本を理解し、日々の仕事で活用することで、会社の成長につながると考えています。

『DX成功ルール』より引用
永谷 顕(ながたに・けん)
株式会社ミヨシテック代表取締役社長
1973年、兵庫県西宮市出身。1996年、神戸商船大学(現・神戸大学海洋政策科学部)卒業。1998年、神戸商船大学大学院修了。同年、株式会社ミヨシテック入社。
2008年より現職。
「決めた目標に脇目もふらず突き進む」「必要であれば、既存のシステムを容赦なく壊す」ことから、「ブルドーザー社長」と呼ばれる。島根県松江市観光大使。
株式会社ミヨシテックは非IT人材のみでDX化を推進し、2022年7月「DX 認定」、「kintone AWARD 2022」ファイナリスト、「DXセレクション2024」優良事例企業に選定される。同社のDX 化の取り組みを学ぼうと、国内外から視察が絶えない。

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