本記事は、永谷 顕氏の著書『非IT人材で成果が出る DX成功ルール』(あさ出版)の中から一部を抜粋・編集しています。

鍵
(画像=Sergey Nivens / stock.adobe.com.jpeg)

[成功ルール]
システム移行をスムーズに成功させるポイント

新旧システムを並列で動かす

DX化を進めるといったとき、既存のシステムがある会社も多いはずです。その際、いきなりシステムをすべて刷新するのではなく、現行システムを使いながら、徐々に新システムに移行する方法が効果的です。

現行システムと新システムを同時に使う期間を設けることで、移行にともなうリスクを最小限に抑えることができます。

【新旧システムを並列で動かす理由】

  • リスクを減らすため

一斉に切り替えると、予期しない問題が起きた場合、業務全体に大きな影響を及ぼす可能性があります。

しかし、現行システムと新システムを同時に使う期間を設けることで、問題が発生しても現行システムで業務を続けることができます。

ミヨシテックでも、全社一斉にシステムを切り替えるのではなく、まず一部の部署やチームで試験的に運用を開始することがあります。

試用中に得られたフィードバックをもとにシステムの調整を行って、運用が安定した段階で全社展開を進めています。

  • ユーザーが慣れやすい

人は変化を嫌う傾向があり、新しいシステムへの急な移行は現場の混乱を招くことがあります。

並行して運用する期間を設けることで、ユーザーは新システムに徐々に慣れることができ、結果的にスムーズな移行が可能となります。

  • 問題を段階的に解決できる

新システムの導入初期には、思わぬ問題や改善点が見つかることがあります。

並行運用期間中にこれらの課題を順番に解決することで、システムの安定性を高めることができます。

現行システムと新システムを一定期間並行して運用することで、業務の継続性を確保しながら、スムーズなシステムの移行が実現できます。

『DX成功ルール』より引
(画像=『DX成功ルール』より引)

[成功ルール]
デジタル技術の進歩は速いため、見直しや改善を続ける

一度システムを構築したら終わりではない

DX化は一度システムを構築すれば完了するわけではなく、常に見直しや改善を続けることが大切です。

システムをアップデートし続けることで、会社は変化に適応し、継続的に成長を続けることができます。

【システムを改善し続けるおもな理由】

(1)市場やお客様のニーズは常に変わる
世の中の流れや、お客様の求めるものは変化しています。たとえば、数年前にはなかった新しいサービスや商品が登場することがあります。DX化を継続的に進めることで、時代の変化に柔軟に対応し、会社の競争力を保つことができます。
(2)市場やお客様のニーズは常に変わる
技術は日々進歩しています。新しいツールやシステムを取り入れることで、仕事の効率が上がったり、新しいサービスを提供できるようになります。常に最新の技術を取り入れることで、業務の効率化や生産性の向上が期待できます。
(3)古いシステムでは対応できない
長い間使っているシステムは、修理や維持に手間や費用がかかることがあります。また、古いシステムでは新しいやり方に対応しにくいこともあります。
定期的にシステムを見直し、必要に応じて新しいものに換えることで、こうした問題を未然に防ぐことができます。
(4)社内の働き方や考え方が改善される
DX化を進めることで、社員の働き方や会社の文化も変わっていきます。新しいツールを取り入れることで、社員の中に、「デジタル技術を活用して常に改善を目指す姿勢」が育まれます。

デジタル技術の進歩はとても速いため、常に最新の情報をキャッチアップし続けることが重要です。

『DX成功ルール』より引用
永谷 顕(ながたに・けん)
株式会社ミヨシテック代表取締役社長
1973年、兵庫県西宮市出身。1996年、神戸商船大学(現・神戸大学海洋政策科学部)卒業。1998年、神戸商船大学大学院修了。同年、株式会社ミヨシテック入社。
2008年より現職。
「決めた目標に脇目もふらず突き進む」「必要であれば、既存のシステムを容赦なく壊す」ことから、「ブルドーザー社長」と呼ばれる。島根県松江市観光大使。
株式会社ミヨシテックは非IT人材のみでDX化を推進し、2022年7月「DX 認定」、「kintone AWARD 2022」ファイナリスト、「DXセレクション2024」優良事例企業に選定される。同社のDX 化の取り組みを学ぼうと、国内外から視察が絶えない。

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『非IT人材で成果が出る DX成功ルール』
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