本記事は、永谷 顕氏の著書『非IT人材で成果が出る DX成功ルール』(あさ出版)の中から一部を抜粋・編集しています。

RPA
(画像=WrightStudio / stock.adobe.com.jpeg)

[成功ルール]
成功するRPA導入のための6つのステップ

RPAの効果を最大化するために、適切な手順を導入する

RPAを導入すると、指定したタイミングでRPAツールが自動で作業を行います。

とくに、コピー&ペーストや集計作業、帳票作成といった単純な反復作業の効率化が得意です。

ただし、やみくもに導入しても期待した効果を得ることは難しいため、適切な手順を踏むことが重要です。

【RPA導入の6つのステップ】

ステップ(1) …… 現状分析
まず、現在の業務プロセスを詳細に分析します。

各業務の流れや手順を可視化し、「どこに無駄があるのか」「どの部分がボトルネックになっているのか」を明らかにします。

この際、現場の担当者からのヒアリングや実際の業務データの収集が重要です。現状を把握することで、RPAを導入すべき業務や改善の余地があるプロセスを特定できます。
ステップ(2) …… 目標設定
現状分析の結果をもとに、RPA導入の具体的な目標を設定します。

たとえば、「データ入力作業を80%自動化する」や「月次報告書の作成時間を50%短縮する」など、定量的で測定可能な目標を掲げます。

目標を設定することで、導入後の効果を評価しやすくなります。
ステップ(3) …… ツールの選択
設定した目標や自社の業務内容に適したRPAツールを選定します。選定時には、導入コスト、操作の容易さ、ベンダー(製品やサービスを販売する事業者)のサポート体制、将来的な拡張性などを考慮します。

選定の際には、複数のツールを比較・検討し、自社のニーズにもっとも適したものを選ぶことが重要です(多くのRPAツールで無料トライアルを実施しています)。

ミヨシテックでは「Robo-Pat(ロボパット)」を導入しています。

◎ロボパット/FCEプロセス&テクノロジー

ロボパットを利用すると、プログラミングや専門知識を必要とせず、簡単にロボットを作成できます。

現場の担当者が自ら自動化プロセスを作成・運用できるよう設計されており、直感的な操作性を備えています。

RPAは、オブジェクト認識型など、ウェブサイトやアプリの内部構造や要素を使用するものもあり、そういったものは「導入の難易度が高い」と思われがちです。しかし、ロボパットは、

「操作キーがイラストでも表示されているので直感的である」
「英語の知識やプログラミングの知識がなくてもロボットをつくることができる」
「純国産のRPAであり、説明が日本語で分かりやすい」
「ロボパット講師が開いている講習を無料で受けることができる」

などの特徴から導入の難易度が低く、幅広いユーザーが利用しやすいツールです。

【ロボパットにできること/一例】

  • 入力業務 …… エクセルやCSVデータを各種業務アプリ・サービスへの入力が可能。
  • 集計業務 …… ウェブ上の数字やテキスト情報をエクセルなどにコピー&ペース
  • データ加工 …… 複数のファイルからひとつのファイルに取りまとめたり、異なる表に加工することが可能。
  • メール送信 …… 作成したファイルをメールに添付し送信することが可能。
  • ファイル保存 …… 作成した資料データやメール添付で送られてきたデータを社内のファイルサーバーや外部クラウドサーバーに保存可能。
ステップ(4) …… 試験運用
選定したツールを用いて、限定的な範囲で試験運用を行います。具体的には、特定の部署や業務プロセスを選び、RPAの効果や問題点を検証します。
この段階で、技術的な課題や運用上の問題を洗い出し、必要に応じてプロセスの調整やツールの設定変更を行います。
試験運用を通じて、RPA導入の効果や課題を事前に把握します。
ステップ(5) …… 導入後の効果測定
本格導入後、設定した目標に対して実際の効果を測定します。たとえば、作業時間の短縮度合いやコスト削減の金額など、具体的な数値を収集・分析します。
効果測定により、RPA導入の成果を客観的に評価し、さらなる改善点を見つけることができます。
『DX成功ルール』より引
(画像=『DX成功ルール』より引)
ステップ(6) …… 業務プロセスの見直し
導入後も定期的に業務プロセスを見直し、RPAの運用状況をチェックします。
新たな課題や自動化の余地がある業務を発見した場合、RPAの適用範囲を拡大したり、プロセスを再設計します。継続的な改善を行うことで、RPAの効果を最大限に引き出すことができます。

以上のステップを順に進めることで、RPA導入の成功率を高めることができます。

『DX成功ルール』より引用
永谷 顕(ながたに・けん)
株式会社ミヨシテック代表取締役社長
1973年、兵庫県西宮市出身。1996年、神戸商船大学(現・神戸大学海洋政策科学部)卒業。1998年、神戸商船大学大学院修了。同年、株式会社ミヨシテック入社。
2008年より現職。
「決めた目標に脇目もふらず突き進む」「必要であれば、既存のシステムを容赦なく壊す」ことから、「ブルドーザー社長」と呼ばれる。島根県松江市観光大使。
株式会社ミヨシテックは非IT人材のみでDX化を推進し、2022年7月「DX 認定」、「kintone AWARD 2022」ファイナリスト、「DXセレクション2024」優良事例企業に選定される。同社のDX 化の取り組みを学ぼうと、国内外から視察が絶えない。

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