この記事は2025年7月31日(木)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「神田卓也氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。

2025年7月31日(木)の午前10時時点に外為どっとコム総合研究所の神田卓也さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。
現在の為替相場の傾向や相場観
FRBは本日31日(木)日本時間未明まで開催したFOMCで、政策金利であるFF金利の誘導目標を4.25-4.50%に据え置いた。ボウマン副議長とウォラー理事は25bpの利下げを主張し、据え置きに反対した。
これらはいずれも市場の想定通りで為替相場への影響は限定的だったが、パウエルFRB議長が会見で早期の利下げに慎重な見解を示したことから9月利下げの織り込みが後退すると、米ドル/円は約4カ月ぶりに149円台半ばへと上伸した。
FOMCを消化し、市場の関心は日銀に移る。日銀も本日31日(木)までの金融政策決定会合で政策金利を0.50%に据え置くことがほぼ確実視されており、焦点はやはり植田総裁の会見となる。
現在の為替相場の戦略やスタンス
日米の関税合意によって日本経済を巡る「不確実性」が低下したとの見方から、一部には総裁が年内の追加利上げに前向きな姿勢を示すとの期待があるようだ。ただ、植田総裁は2023年4月の就任以降、市場の利上げ期待を裏切るケースが目立ち、それに伴い円売りが優勢となることも多い。
なお、植田総裁就任以降の18回の会合のうち、米ドル/円を日足ベースで押し下げた会合はわずか4回しかない。
植田総裁の就任後、日銀金融政策決定会合当日の米ドル/円は18分の14=7割7分8厘という驚異の高確率で陽線引けを示現したことになる。
もちろん、14回の陽線引けが全て日銀のせいというわけではない。しかし、年内の追加利上げを足元の金利市場が8割がた織り込んでいることを踏まえると、今回も総裁会見後に失望の円売りに傾く可能性が高いと考えられる。150円台の回復も見込めそうだ。
少なくとも、7割7分8厘の高確率は逆張りの円買いを行うにはあまりにも危険が大きいと考えるべきだろう。
▽米ドル/円 日足チャート

※当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。