(写真=ZUU online編集部)

「疲れた時には甘いものが欲しくなる」——。
オフィスで小腹が空いた時など、ついついデスクに保存していたお菓子に手を伸ばしてしまうという人は多いのではないだろうか。「太るかも」と気にしながらも、「忙しいと脳が甘いものを欲しがるから」と自分に言い訳して食べてしまう。果たして、甘いもので本当に疲れは取れるのだろうか?

オフィスでお菓子が人気の理由

さまざまなオフィスで「リフレッシュボックス」がはやって久しい。江崎グリコの「オフィスグリコ」が有名な、置き薬ならぬ置き菓子だ。代金を入れる箱があり、お金を入れて食べたい物を取る仕組みで、100円前後の商品が並ぶ。東日本大震災の際にオフィスで緊急食として代用されたことでも評価を高めた。

中でも人気なのは仕事しながら一口で食べられるチョコレートや飴。健康志向が強いOLにはドライフルーツ、ナッツなども人気が上昇している。

お菓子が人気の理由は、もちろん糖分補給のためということもあげられる。その他にもお菓子が目の前にあることで「この仕事が終わったらお菓子を食べよう」というモチベーションアップ、お菓子を食べることでのリフレッシュ効果ということもあるようだ。

栄養学的に正しい「疲れが取れるお菓子」とは

チョコレートにはカリウム、鉄分、マグネシウム、亜鉛、リン、食物繊維などの栄養素がバランスよく含まれている。テオブロミンという成分には、集中力・記憶力・思考力を高める効果があり、フラボノールには、脳の血流を高める働きがある。仕事の合間に食べるお菓子としては抜群だ。ただし、糖質の少ないダークチョコレートを選ぶことと、食べるのは適度な量であるということがポイントのようだ。

OLにも人気なナッツ類や種実類。オメガ3脂肪酸、オメガ6脂肪酸、葉酸、ビタミンE、ビタミンB6が豊富に含まれている。これらはポジティブな思考に役立つことと、記憶力向上にも効果的といわれている。

甘いものがいい理由と良くない理由

甘いものがいいと言われる理由は、ブドウ糖が不足するといわれるからだ。その不足したブドウ糖を一気に補給するには、身体の中ですぐにブドウ糖に変化する「甘いもの」が効果的だと言われているのだ。

甘いものを食べた直後は、脳がスッキリした気分になるが、その効果はあまり持続しないということを感じている人も多いのではないだろうか?

なぜスッキリしたように感じるかといえば、血糖値が急激に上がるからだ。笠井奈津子さんの著書『甘い物は脳に悪い』によると、血糖値の急上昇で疲れがとれたように錯覚するとのこと。

この急上昇は身体にいいとはいえない。なぜなら急に上がった血糖値を抑えるために膵臓が大量のインシュリンを分泌。そしてしばらく経つと、食べる前よりも血糖値が下がってしまうのだ。極端にいえば、その結果で脳は不安定な状態に陥り、集中力も衰え、疲れやイライラの原因となってしまう。

甘いものとの正しい付き合い方

それではどうしたらいいのだろうか。本来は、朝食や昼食でしっかりと腹持ちの良い食事をとり、間食に甘いものをとらないのが理想のようだ。普段の食事から精製された白砂糖や白米を食べるのではなく、なるべく未精製の玄米や全粒粉などを選ぶことも効果的だ。理想をいえば、良質なたんぱく質を食事から摂取するというのが、正しい糖分の取り方なのだ。ちなみに炭水化物は体内ですべて糖に変わるが、たんぱく質は一部しか変わらない。

しかし、どうしても食べたい時には、先ほど「疲れが取れるお菓子」で紹介したダークチョコ、ナッツ類などがおすすめ。また洋菓子よりは、小豆などが使われている和菓子の方がおすすめ。いずれにせよ、我慢しすぎるよりも、自分へのご褒美として軽く一口食べることで、リフレッシュできるならそれでいい。

「甘いもの」のすべてが悪いという訳ではない。どんなお菓子をどれくらい、どういうタイミングで食べるかを考えながら、リフレッシュと仕事の効率化につなげたい。 (ZUU online 編集部)