現金決済の代わりにカード決済ができるVisaデビット。クレジットカードのような審査が不要で、利用分が即座に引き落とされるなど、メリットが多いと言われています。今回は、Visaデビットについてわかりやすく解説するとともに、特典やサービスを紹介します。

Visaデビットとは?

Visaデビット
(画像=PIXTA)

Visaデビットとは、現金の代わりに支払いができる支払い方法のことです。Visaマークのある世界中のVisa加盟店で決済手段として使うことができます。使い方はクレジットカードと同じで、レジでカードを手渡すだけです。最近では自分でカードを端末に挿入したり、タッチ決済も普及してきました。また、ネットショッピングで利用することもできます。

Visaデビットで決済すると、使った金額がその場で口座から引き落とされます。そのため、リアルタイムで何にお金を使ったかを把握できるうえに、残高以上にお金を使い過ぎてしまう心配がありません。

また、Visaデビットは銀行口座と紐づいているため、カードに現金をチャージしなくても、そのまま決済手段として利用することができます。口座残高が不足しない限り、チャージ等の手間が一切かからないのもVisaデビットという決済手段の魅力といえるでしょう。

クレジットカード・キャッシュカード・プリペイドカードとの違いは?

Visaデビットカードは、クレジットカード・キャッシュカード・プリペイドカードとは何が違うのでしょうか?それぞれの違いについて、簡単に解説します。

Visaデビットカードとクレジットカードとの違い

現金の代わりにカードで支払いをするといえば、クレジットカードを思い浮かべる人が多いでしょう。

Visaデビットカードとクレジットカードの最も大きな違いは、即時払いか後払いかという点です。Visaデビットカードでは、使ったその瞬間に口座からお金が引き落とされます。

たとえば、銀行口座に1万円の残高があり、1日に500円のお菓子を買い、10日に1,000円の食事をしたとすると、普通預金通帳等の入出金明細には下記のように記載されます。

VISAデビット


1回の取引ごとに入出金明細に記載され、その都度使った分を差し引いた残高を確認できることがVisaデビットカードの特徴です。一方、クレジットカードの場合、締め日までの1ヵ月間に利用した合計額が、翌月の引き落とし日にまとめて引き落とされます。

たとえば、15日締め翌月10日引き落としのクレジットカードの場合、1日に500円のお菓子を買い、10日に1,000円の食事をしたとすると、普通預金の入出金明細には下記のように記載されます。

VISA

1つ1つの取引は銀行の普通預金の入出金明細に記載されず、クレジットカード明細で確認することになります。また、翌月まとめて引き落とされるため、締め日を過ぎて請求額が確定するまで、利用分を差し引いた実質的な残高がわからなくなります。

そのため、クレジットカードと比較した際のVisaデビットカードのメリットは、明細を見なくても取引が1つずつ記載されてわかりやすいこと、残高を超えて使ってしまう心配がなく常に正確な残高を把握できることと言えるでしょう。

一方、クレジットカードのメリットは、引き落としが1回に集約されるため普通預金通帳等の銀行の入出金明細がスッキリすることと、残高を超えて利用することができるという点は、上記と矛盾するようですがある意味メリットでしょう。また、Visaデビットカードとは違い、分割払いやリボ払いを選択できる点も、メリットと言えるでしょう。

Visaデビットカードとキャッシュカードとの違い

Visaデビットカードは、ショッピングの際に支払い(決済)を行うもの。キャッシュカードは、主に普通預金の現金による入出金に使うものです。

双方とも「普通預金口座の残高から即時に出金する」という機能は同じなので、キャッシュカードにVisaデビットの機能を追加した「Visaデビット機能つきのキャッシュカード」というものもあります。このVisaデビット機能つきのキャッシュカードは、「デビット一体型」と呼ばれることもあります。

Visaデビット機能つきのキャッシュカードの場合、キャッシュカードとしてATMからお金を引き出すことができる上に、Visaデビットカードとしてレジでの決済に利用することもできます。1枚で2役なので、使い勝手がよく、財布がかさばる心配がありません。

Visaデビットカードとプリペイドカードとの違い

プリペイドカードとは、事前に資金をチャージして使用するカードのことです。チャージの方法には、銀行振込、コンビニ払い、ポイント移行、クレジットカードからの入金などさまざまな種類があります。

プリペイドカードなら、Visaデビットカードと同様、残高が不足していると決済ができませんが、逆に残高を超えてお金を使い過ぎてしまう心配はありません。一方で、事前にチャージしなければならないという不便な点もあります。

Visaデビットカードを利用する3つのメリット

続いて、Visaデビットカードを利用するメリットについて解説していきます。

メリット1.審査なしでキャッシュレス決済ができる

後払いであるクレジットカードは、信用に基づいて発行されます。そのため、「後払いでも問題なく支払ってくれるか否か」をクレジットカード会社が審査します。この審査に落ちてしまうと、クレジットカードを受け取ることも、利用することもできません。

しかし、「即時払い」のVisaデビットカードなら、「後払い」ではありませんから審査なしで簡単に発行できます。クレジットカードと比べると、手続きも簡単で発行までにかかる時間も短く、クレジットカードより低いハードルで作れることが、Visaデビットカードのメリットといえるでしょう。

メリット2.使い過ぎる心配がない

クレジットカードの請求金額を見て、「いつの間にこんなに使っていたんだろう?」と焦った経験がある人も多いでしょう。クレジットカードの場合、利用した分がリアルタイムで残高に反映されるわけではないことから、ついお金を使い過ぎてしまうことがあります。

しかし、即時引き落としで常に正確な残高を把握できるVisaデビットカードなら、知らない間にお金を使い過ぎてしまう心配はありません。

メリット3.家計管理に活用できる

家計簿をつけようと思っても、レシートの整理や保管が苦手で挫折してしまった経験を持つ人は多いでしょう。レシートをもらい忘れたり、なくしてしまったりすることが続くと、家計簿をつけるのが苦痛になってしまいます。

しかしVisaデビットなら、利用した日付と金額が自動で普通預金の入出金明細に記載されます。そのため、スケジュール帳などと照合すれば、何にお金を使ったかあとからでもわかりやすく、管理しやすいと言えるでしょう。

Visaデビットで何ができる? うれしい特典やサービスも紹介

続いて、Visaデビットの機能や特典について紹介していきます。

国内外のVisa加盟店で利用できる

Visaデビットは、日本だけでなく海外のVisa加盟店でも利用できます。そのため、Visaデビットカードを携帯しておけば、多額の現金を持ち歩かなくても食事や買い物を楽しむことができます。

海外では、日本より治安が悪い国や地域もあることから、現金を持ち歩くことに抵抗感がある人も多いでしょう。Visaデビットなら、現金よりも安全に持ち歩くことができます。

ただし、一部の露店などでは、Visaデビットを利用できないケースもあります。Visaデビットを利用できるかどうかを事前に調べ、必要に応じて現金を持ち歩くようにするとよいでしょう。

キャッシュバックなどお得な特典がある

Visaデビットは多くの銀行で発行でき、銀行ごとにさまざまな特典が用意されています。新しくVisaデビットを申し込んで条件を満たすとキャッシュバックを受けられるキャンペーンや、利用額に応じてキャッシュバックを受けられる仕組みなどがあります。

たとえば、ある銀行が発行するVisaデビットカードは、利用額の最大1%分のキャッシュバックを受けられます。この銀行では、利用額に応じて還元率が上昇するので、半年で60万円(1ヵ月に10万円)以上利用すると、最大の1%分のキャッシュバックが受けられることになり、年間では1万2,000円ものお金を受け取ることができます。Visaデビットカードを作る時は、高還元率かどうかはしっかりチェックしておくべきでしょう。

優待サービスを利用できる

Visaデビットを発行する銀行によっては、お得な優待サービスを利用できる場合があります。旅行代金や宿泊代金の割引、レストランや旅館でのワインサービス、人間ドックや引っ越し代金の割引など、優待サービスにはさまざまな種類があります。

Visaデビットが不正利用されたら? 補償について知っておこう

Visaデビットの利用状況については、24時間365日モニタリングされています。また、もし万一、不正利用が発生した時も、不正であることが明らかであれば、原則補償を受けることができます。

ただし、カードの管理がおろそかだった場合や、他人にカードを利用させていた場合などでは、補償されないケースもあるため注意が必要です。きちんと明細を確認し、怪しい動きがあった時は、すぐに利用を停止するようにするべきです。

Visaデビットを使うには? 作り方や手続きの流れを解説

Visaデビットを使おうと思ったら、Visaデビット機能つきのキャッシュカードかVisaデビット機能単体のカードを発行している銀行に申し込む必要があります。

すでに銀行で口座開設が完了している場合は、カードの申し込み手続きだけで簡単に発行することができます。口座開設が終わっていない場合、まずは口座開設からスタートする必要があります。

口座開設の手続きは、インターネット上で行う方法と、窓口で行う方法があります。ネット銀行などは窓口を設置していないこともあり、インターネット上での手続きとなります。口座開設には、本人確認書類が必要です。

Visaデビットカードを作る際の、手続きのことだけを考えるなら、すでに口座を持っている銀行でカードを発行したほうが楽かもしれません。しかし、せっかくなら預金金利を比較して、金利の高い銀行を選ぶというのも1つの選択肢でしょう。

Visaデビットカードと紐づけて口座を利用するには、一定の残高を維持しておく必要があります。預金金利は0.001%(税引前)から0.2%(税引前)までさまざまで、受け取れる利息の金額が最大200倍違ってくることもあります。せっかくVisaデビットカードを発行するなら、銀行口座はきちんと選ぶようにするとよいでしょう。

また、Visaデビットカードは、年会費がかかる場合があります。年会費や利用限度額は、銀行ごとに設定されているため、カードを申し込む際にはきちんと確認しておくようにするとよいでしょう。

Visaデビットでキャッシュレス化の波に乗ろう

2020年現在、日本でもキャッシュレス化が進みつつあります。キャッシュレス後進国といわれていた日本でも、今後ますますキャッシュレス化の流れは加速していくでしょう。

Visaデビットカードを持っておけば、国内外のVisa加盟店で利用でき、キャッシュバックや優待サービスも受けることができます。クレジットカードのように、審査を受ける必要もなく、取引がすべて普通預金の入出金明細に記載されることから、家計管理に活かすこともできます。

Visaデビットカードを賢く活用すれば、キャッシュレス化の波も上手に乗りこなすことができるでしょう。

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