mansion
(写真=PIXTA)

マンション投資は、購入する物件の「寿命」を考えて選ぶことが大切です。

不動産投資では、継続して家賃収入を得ることが一番の目的です。その物件の寿命が長ければ長いほど、継続して収入を得やすくなるのです。マンションの寿命をチェックするには、構造や工法だけでなく維持管理や修繕計画なども確認する必要があります。そこで今回は、マンションの寿命をどのようにチェックすればいいのか、さまざまな視点から説明します。

マンションの寿命はどのくらい?

国土交通省がまとめた研究資料によると、コンクリートの寿命については諸説あるものの、その耐久性は100年を超えるといわれています。しかし、マンションにはコンクリート以外にも外壁タイルや配管などの建材が使われており、他の建材の耐久性も加味しなくてはなりません。実際は20〜30年で建て替えが必要となる場合が多いのです。

そこで、マンション寿命を調べるうえで重要な3つのポイントを紹介します。

1. 耐震基準
まず、耐震基準です。耐震基準は1981年(昭和56年)に法律が改正されました。そのため、今あるマンション物件は建築された時期によって、現在の新しい耐震基準を満たしている「新耐震」の物件と、昔の基準で建築された「旧耐震」の物件に分けられています。

旧耐震基準に基づいて建設されたマンションは、現在も約106万戸存在しています。そのうちの6~8割は、「新耐震」基準を満たしていないといわれています。耐震補強工事が出来たものは、わずか1割程度にとどまっているのが現状です。

躯体のコンクリートに100年の耐久性があったとしても、旧耐震マンションは、鉄筋との「かぶり厚」の基準や原材料の規定が新耐震と異なるため、マンションの寿命はもっと短くなる可能性があります。新耐震基準をクリアできるように、補強工事や建て替えが出来れば良いのですが、上述した通り補強工事も建て替えもできないマンションが大半です。マンション投資の際、短い寿命のマンションに投資することを避けるために、耐震基準の確認は必須です。

2. コンクリートの品質
続いて、コンクリートの品質です。1970年代、マンションやビルなどが大量に建築されました。そんな建設ラッシュの時期には、コンクリートの原料である川砂が足りなくなり、海砂が使用されたことがあったようです。塩分を含んだ海砂を使うと、コンクリートの品質は落ちてしまうため建物に欠陥が生じやすくなります。

こうしたマンションが築後30年を超えてきました。すべてのマンションのコンクリートが劣悪だというわけではありません。しかしリスクがあることは確かです。コンクリートの品質リスクも念頭に置いておきましょう。

3. 維持管理・修繕
近年、建築されたマンションでは、外壁や廊下など共用部分の修繕計画が策定されています。そして、その計画を元に「修繕積立金」が徴収されています。しかし、1970年代のマンションでは、こうした修繕計画を作成していなく、修繕積立金を徴収していないケースもあります。その場合、外壁や共用廊下が劣化・老朽化していても修繕できず、結果的に建物の寿命を縮めてしまうこともあるのです。

修繕計画が策定されているマンションでも、10~15年という短いスパンでの計画であったり、修繕計画自体が甘かったりする場合があります。投資物件の修繕計画が25~30年という長期的スパンで策定され、細部の修繕まで定められているかどうか、購入前に必ず確認しましょう。綿密な修繕計画はコンクリートやその他部材の劣化を防ぎ、マンションの寿命を延ばすことにつながります。

まとめ

マンションの寿命を正確に把握することはできません。しかし、マンションの寿命は様々な要素から推測することができます。まずはコンクリートの構造(かぶり厚)を調べてみましょう。新築時の資料や、設計図書と言われる竣工時の図面が保管されているはずです。築年数が経ったマンション、特に1970年代のマンションについては、建物の品質を落とさないための修繕計画が用意されているかどうかを必ず確認してください。

マンション投資で成功するには、「立地」「価格」「商品」が鍵を握っています。「商品」としての部屋の広さ、間取り、設備仕様など、購入の際には、しっかりと確認していると思いますが、今後は商品の「寿命」についても意識してチェックしてください。 (提供: フォーランドリアルティネットワークジャパン

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