世界大学ランキング「World University Rankings 2016-2017」が発表され、米国東海岸のエリート私立大8校・アイビーリーグを筆頭に世界各国から競合がズラリを顔をそろえた。ランキングを見ると今回はあの名門がハーバードを押さえて、ほぼ100点満点の状態で1位となった。

ランキングは大学を多角的に評価できるよう6つのカテゴリーに分かれて採点を行い、それぞれの最高得点100点満点とするものである。基準となるカテゴリーは「学問・学術・専門分野の評価」「教授陣の評価」「スタッフ・学生及び研究生の評価」「業績・表彰者の数」「国際性」「留学生の評価」--だ。

気になるのは日本国内でのトップ校、東京大学や京都大学。一体何位にランクインしているのか想像しながら、総合得点ランキングのトップ30をご紹介しよう。

(写真=PIXTA)

30位からカウントダウン

30位 マギル大学 (カナダ) 84.1点
29位 マンチェスター大学 (英国) 84.8点
28位 カリフォルニア大学バークレー校 (米国) 85.2点
27位 香港大学 (香港) 85.4点
26位 ノースウェスタン大学 (米国) 85.7点
24位 デューク大学 (米国) 86点
24位 清華大学 (中国) 86点
23位 ミシガン大学 (米国) 86.4点
22位 オーストラリア国立大学 (豪州) 87.3点
21位 キングス・カレッジ・ロンドン (英国) 87.7点

20位 コロンビア大学 (米国) 88.6点
19位 エジンバラ大学 (英国) 88.9点
18位 ペンシルベニア大学 (米国) 89点
17位 ジョンズ・ホプキンズ大学 (米国) 89.3点
16位 コーネル大学  (米国) 90.1点
15位 エール大学  (米国) 90.9点
14位 スイス連邦工科大学ローザンヌ校 (スイス)  91点
13位 南洋理工大学 (シンガポール) 91.4点
12位 シンガポール国立大学 (シンガポール) 91.5点
11位 プリンストン大学 (米国) 92.8点

10位 シカゴ大学  (米国) 93点
9位 インペリアル・カレッジ・ロンドン (英国) 94.1点
8位 チューリッヒ工科大学 (スイス) 94.2点
7位 ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(ロンドン大学連合)(英国) 95.6点
6位 オックスフォード大学 (英国) 96.8点
5位 カリフォルニア工科大学 (米国) 96.9点
4位 ケンブリッジ大学  (英国) 97.2点
3位 ハーバード大学 (米国) 98.3点
2位 スタンフォード大学 (米国) 98.7点
1位 マサチューセッツ工科大学 (米国) 100点

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オール満点の1位はMIT(マサチューセッツ工科大学)

ハーバード大学やスタンフォード大学を押さえ、文句なしの1位に輝いたのはMITで知られるマサチューセッツ工科大学だった。もともと、米国でも屈指の名門校として有名だったが、6つのカテゴリーでオール満点を獲得したのは奇跡に近いほどである。ハイテク時代の波に上手に乗った感も否めない。

科学・工学系の研究分野では世界最高峰の超エリート校であるが、社会研究やビジネス分野においても常に上位を占め、不動の位置を確立している。

創立当初は社会人であるエンジニアや熟練工などが通う職業訓練校で、評価も乏しいものだったそうだ。しかし、第二次世界大戦の頃、兵器開発で国に対して著しく貢献したことがきっかけとなり大きな好機が訪れた。今では世界的栄誉であるノーベル賞受賞者がハーバード大学を上回っている。

アジアトップはシンガポールの2校

アジアトップでランクインしたのが12位シンガポール国立大学と13位南洋理工大学の2校だ。共に国立大学でシンガポールでは双璧と称される超一流校である。

シンガポール国立大学が、見事アジアトップの大学として名声と共に知名度もあげた。学内は学生や教職員共に国際色豊かなのが特徴で、交換留学協定を前向きに進めているインターナショナルな大学である。

南洋理工大学は200ヘクタールという世界最大級を誇る敷地面積を誇る工科大学である。エンジニアリング、メディカル、ヒューマニティ、アート&ソーシャルサイエンスなどの部門で構成されている。早稲田ビジネススクールの教授陣とネットワークがあるので、日本人留学生にとっても有益なプログラムで勉学に臨めるだろう。

東京大学は学問・学術分野で100点満点!しかし……

気になる東京大学の位置付けは総合点で34位ながら、カテゴリー別で見ると「学問・学術・専門分野での評価」で100点満点を獲得している。

しかしながら、学生の中から世界をうならせるような業績や表彰者が少なく、国際性の低さから64.4点という結果になった。国際性で思うように点数が伸びなかったのは、教職員や教授陣の8割り以上が日本人であることや、海外からの留学生が少ないからであったようだ。

気になる韓国!ソウル大学の総合評価は?

韓国の名門・ソウル大学は、東京大学に続く35位。総合得点が東京大学と0.5点差という貧差の勝利。学問・学術・専門分野や教授陣の評価では高ランクだったが、その他が26点~82点と及ばなかった。

韓国は教育熱が最も高い国だというのは、ご存じの方も多いだろう。子供たちの多くがソウル大学のような一流大学を目指し、死に物狂いで勉強をする。親たちも然り。大学受験を目の前に寺院を訪れ、魂を抜けたかのように一心不乱で子供たちの合格を祈る光景は伝説ではない。親たちの努力を評価するなら韓国の大学がトップを独占するに違いないだろう。

腕利きの医師軍に恵まれ100点 ベイラー医科大学

総合ランキングでは圏外であるものの、教授陣や教職員の得点で100点を獲得している米国・テキサス医療センターにあるベイラ-医科大学。医学部分野では常に上位を占める常連校である。米国で最先端医療技術に触れられることと、実際の現場でOJTが体験できる環境は、医療従事者を志す若者が求めるシチュエーションでもあるだろう。

米国では生々しい手術現場や最新の医療機器を撮影に用いた医療ドラマが豊富である。人気ドラマ「グレイズ・アナトミー」は恋愛を交えたコミカルな演出で大旋風を起こした。

救う命、諦める命、脳裏にある苦悩と絶望、希望と未来を赤裸々に表現していることが、医療を目指す若者たちへのストレートなメッセージになっているのに違いないだろう。

2017年、ランキングの行方は?

2016年世界大学ランキングでは米国大学がほとんど占める形となったが、シンガポール、英国、スイス、カナダなどからも評価の高い大学がいくつか登場し、上位校にひしひしと追いついている様子である。

そうは言いながら、MITについては神様のようなオーラを発し続けているのも事実。現在のところはどの大学も脅かすことのできない存在となっているようだ。(ZUU online 編集部)

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