(写真=PIXTA)

私立の学校で求められる「寄付金」。払うかどうかは任意だが、納めなかった場合子供に影響がないのか心配するのが親心だろう。

その影響のほどは不明だが、個人が支払った一定の寄付金には、必要経費算入ではなく、所得控除という形で税負担が軽減される措置が設けられている。ここでは寄付金をせざるを得ないとき、もしくは子供が通う学校への思いを込めて寄付をしたときの税制上の優遇をご案内する。

対象の寄付金とは

たとえば子供の私立学校の入学に際し、寄付を求められたとする。この場合にまで税金が安くなったのでは、制度の趣旨に反する。そ

こで税負担が軽減される寄付金は次のものに特定され、その意味で寄付金控除の対象になる支出は「特定寄付金」と呼ばれている。

私立学校の場合、国税庁の特定寄付金の範囲に掲げられている特定公益増進法人への寄付金に該当する。これは、公共法人などのうち、教育又は科学の振興、文化の向上、社会福祉への貢献その他公益の増進に著しく寄与するものと認められた特定公益増進法人に対する寄付金のこと。その法人の主たる目的である業務に関連するものに限られる。

私立学校に寄付した場合の税優遇

2016年度の租税特別措置法改正で、個人が、一定の要件を満たした学校法人へ寄付金を支出した場合、寄付金について、税額控除できるようになった。今までは所得控除しか認められなかったが、税額控除が認められるようになったわけだ。

税額控除制度は、所得控除制度に比べ、特に小口の寄付金支出者への減税効果が高いことが特徴だ。しかし、既存の制度である所得控除制度と新たに導入された税額控除制度のうち、寄付者(納税者)の選択により、どちらか一方の制度を活用することが認められている。

寄付金を支出した場合は、所得控除制度が適用され、総所得金額(総所得金額の40%を上限とした寄付金額)から2000円を差し引いた額が課税所得から控除される。

さらに、個人が一定の要件を満たした学校法人などへ寄付金を支出した場合は、税額控除制度の適用を受けることができようになり、総所得金額の40%(所得税額の25%を上限)を所得税額から控除することができる。

確定申告はどうなる?

確定申告には、日本私立学校振興・共済事業団発行の「寄付金受領書」が必要である。この受領書は、寄付した私立学校を経由して自宅に送付される。すでに「ふるさと納税」をしている人なら、同じ要領で寄付したあと「寄付金申込書」が送付される同様の流れである。ただし、私立学校でも文部科学省から特定公益増進法人の証明を受けていることが前提だ。

一部の自治体では住所地の都道府県・市区町村が条例で指定した寄付金を支出した場合は、住民税(翌年度)において寄付金税額控除を受けることができる。この寄付金税額控除を受けるには、原則として所得税及び復興特別所得税の確定申告または住所地の市区町村に簡易な申告書による申告をする必要がある。所得税の確定申告をした場合は不要だ。

このように寄付金には税制上の優遇もあるが、寄付をするかどうかは、その意味と目的を考慮に入れて決めるべきではないだろうか。

眞喜屋朱里 (税理士、眞喜屋朱里税理士事務所代表)

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