老後のマンション購入は、主に2つの目的から取り組む方が多いといえます。1つは人に貸すことで家賃収入を得るため、もう1つは自分自身が住むためです。それぞれの目的に応じたマンションの購入について、メリットとデメリットを検討していきましょう。
資産運用として老後にマンションを購入!
まず、資産運用としてマンションを購入する場合を考えていきましょう。これは人に貸すことで家賃収入を得る、つまり家賃収入を年金代わりに受け取ることが目的といえます。
家賃収入を老後の生活費に充てる計画をするケースも、少なくありません。仮に入居者が継続して住んでくれるのであれば、安定して家賃収入が入ってくることから、老後の生活費に充てることは可能です。そして、マンションは資産となるため、仮にまとまった資金が必要となった時には、売却すればある程度の資金を確保できます。
マンションを購入して、人に貸すことで家賃収入を得る選択肢を取った方が、資産の保有と資金の確保ができるため、一石二鳥という考え方もできるでしょう。
マンション経営のリスクとは
資産運用として、老後にマンションを購入することにもリスクもあります。
その一つが「空室リスク」です。入居者が退去し、その後に新しい入居者が入らなければ、家賃収入は途絶えてしまいます。家賃収入が途絶えれば、老後の生活資金が確保できないおそれもでてきます。そのため、マンション投資を行う場合には、駅から近い、住環境が良いなど入居者がつきやすい地域を選んだ方が空室リスクをおさえられるでしょう。
また、家賃に関しても継続して同じ金額が入るとは限りません。築年数が古くなるにつれて、家賃も下がっていくのが通常です。こうした見積もりを行ったうえで購入される場合はよいですが、そうではない場合には想定外の老後資金不足に陥る可能性があります。
この他にも、毎年固定資産税がかかる、インターホンなど付帯設備が故障した場合には修理代はオーナー持ちになるなど、意外に費用が掛かる点もあります。こうした点に注意したうえで、マンション経営を行う必要があります。
老後はマンションに住む?戸建てに住む?
それでは住む家という観点から、マンションを購入する場合はどうでしょうか。マンションのメリットは、管理をプロが行ってくれるため、草むしりなど一戸建てでは必要となる作業を省くことができることでしょう。老後にこうした負担を減らしたい方には、マンション居住が向いているといえます。
また、周辺環境としても、大規模なマンションであれば周辺にスーパーやコンビニなど、生活するうえで利便性の高い施設が多く存在します。一方、一戸建ての場合、車がないと不便といったケースも少なくなく、老後に生活するには負担がかかることも多いことでしょう。そのため、老後の生活の利便性という観点では、マンションの方がメリットは多いといえるかもしれません。
なお、老後にマンションを購入する場合には、その後の老後資金を確保できているかどうかを考慮しなければなりません。老後資金の確保ができていないにもかかわらず、マンションを購入するのでは、その後の生活が立ち行かなくなる可能性があります。こうした場合には、既に住んでいる家をリフォームするなどして対応できないかどうかを検討していく必要があります。
自身の購入目的を明確にし、メリットとデメリットを比較
まずは、自身のマンション購入の目的、それぞれのメリットとデメリットを比較しましょう。メリットの方が多いと感じられるならば、資産運用・居住いずれの面からも購入を検討されることは悪くないといえます。