「JK」「JY」と聞いて何を思い浮かべるだろうか?

別にJKは「女子高生」のことではない。これらは駅ナンバリングにおいて路線を表すコードであり、「JK」は京浜東北・根岸線を、「JY」は山手線をそれぞれ表している。

「聞いたことがない」という人もいるかもしれないが、車内やホームで聞こえるアナウンスで必ず触れられているので、注意して聞いてみてほしい。

駅ナンバリングとは、アルファベットと数字の組み合わせなどにより、各駅にナンバーを割り当てることを指し、たとえば、京浜東北線・根岸線の大船駅なら「JK 01」、大宮駅なら「JK 47」、山手線の東京駅なら「JY 01」、有楽町駅なら「JY 30」となる。

この駅ナンバリングは、2004年に東京メトロ・都営地下鉄で導入されたことから全国に広がり始め、2017年現在、日本の大手私鉄では全社に導入。JRグループではJR東海・JR九州を除く4社で全面的、あるいは部分的に導入されている。

それぞれの駅名には歴史があり、鉄道ファンならその名称へのこだわりもあると思うが、なじみのない土地で電車を利用する際には、駅名はなかなか頭に入りにくいもので、旅行や出張では乗り間違いや、下車しそこねるなどのトラブルも少なくない。

その点、路線と駅順が一目で把握できるこの駅ナンバリングは、いったん記号の意味するところがわかってしまえば、これほど便利なものはなく、慣れない土地での移動時には特に効力を発揮することだろう。

路線コードは路線名のローマ字表記から取られる

(写真=konicabook/Shutterstock.com)

首都圏在住者にはなじみの深い東京メトロと都営地下鉄を例に、駅ナンバリングの便利さについて説明しよう。

この両事業者では、駅ナンバリングの路線コード(英字1文字)と路線カラーが重複しないよう配慮されており、複数路線が乗り入れている駅では1つの駅に複数の駅ナンバリングが施されている。たとえば、目黒駅は南北線としては「N 01」、都営三田線としては「I 01」といった具合である。

路線コードには通常、ローマ字表記の頭文字が用いられるが、ほかの路線と重複する場合には途中の文字が採用される。今の目黒駅の例でいうと、南北線は「Namboku」の「N」、都営三田線は「I」となる。「M」は丸ノ内線本線に充てられているので、「Mita」の2文字目の「I」が採用されているのだ。

一見、覚えにくそうに思える駅ナンバリングだが、このあたりの法則性が頭に入っていると、使いこなすのは意外と難しくはない。

たとえば、丸ノ内線の東京駅(M 17)から、銀座駅(M 16)で銀座線銀座駅(G 09)に乗り換え、虎ノ門(G 07)まで行く場合、記号だけ覚えていればそれだけで乗り換えに十分支障なく、さらに、駅数も直感的にわかるという利点がある。

*東京メトロ・都営地下鉄の路線コードの一例
日比谷線 (H) 、東西線 (T) 、千代田線 (C) 、有楽町線 (Y) 、半蔵門線 (Z) 、副都心線 (F) 、浅草線 (A) 、新宿線 (S) 、大江戸線 (E)

【保存版】2019年、知らないと損する「お金のはなし」
相続対策に失敗した「元富裕層」の悲惨な末路

JR東日本では空港コード風の3文字駅名コードも

JR東日本でも、2020年の東京オリンピック・東京パラリンピック開催を前に、首都圏エリアの特定区間において、2016年8月から駅ナンバリングを順次導入している。

路線コードはアルファベット2文字で、「J」の次に路線名の頭文字などが入るが、例外的に東京モノレールは「MO」、りんかい線は「R」1文字となる。また、ナンバリングの枠線には従来の路線カラーが用いられ、複数路線が乗り入れる駅では各路線ごとにナンバリングされる。

ちなみに東京駅はJT 01(東海道線)であり、JO 19(横須賀線・総武線快速)でもあり、JK 26(京浜東北線・根岸線)でもある。その他発着の路線すべてにそれぞれのナンバーが振られているわけだ。

さらに東京駅や新宿駅など大きな乗換駅では、空港コードに似た3文字の駅別コードも付与される。たとえば、東京駅は「TYO」、秋葉原は「AKB」、上野は「UEN」、新宿は「SJK」、渋谷は「SBY」という具合だ。JRが秋葉原の略称を正式に「AKB」としたのは、ある種、逆らえぬ時流に乗ったということだろうか。

すでに駅名の外国語表記(英語・中国語・韓国語)は普及しているが、このような駅ナンバリングにより、外国人観光客にとって駅名の把握はより容易となるだろう。たとえば、「新宿=shinjuku」と覚えるよりも、「SJK」と覚えたほうが外国人にとっては頭に入りやすいはずだ。

(画像=JR東日本プレスリリースより)

*JR東日本の路線コードの一例
東海道線 (JT) 、横須賀・総武快速線 (JO) 、中央本線 (JC)、中央・総武線各駅停車 (JB) 、横浜線(JH)、南武線(JN)、埼京線(JA)、武蔵野線(JM)

多摩都市モノレールは「TT」 続々広がる駅ナンバリング

そのほか、今年6月30日には、多摩都市モノレール線にも駅ナンバリングの導入が発表された。それによると、路線コードは「TT」となり、多摩センター駅「TT 01」から順にナンバリングされるという。

駅ナンバリング制度は東京だけではなく、全国各地で採用されている。普段使っている路線、駅のコードやナンバーが分かるという人はどれくらいいるだろうか? 知っていると今後何かと役に立つかもしれない。(ZUU online 編集部)

【保存版】2019年、知らないと損する「お金のはなし」
相続対策に失敗した「元富裕層」の悲惨な末路

【関連記事】
「定価」と「希望小売価格」の違い分かりますか? 価格の意味を理解し、賢い消費者になろう
増税で手紙・はがきが値上げ 古い値段のはがきや切手は使える?
世界の時価総額TOP20をチェック!上位企業の特徴は?
日本の三大財閥「三菱・三井・住友」グループの全ぼうとは
日本人の貯金と投資の割合は?ビジネスパーソンの約4割が資産運用を実践