牛丼チェーンの牛丼「すき家」が値上げを検討しているとのニュースが11月8日に複数のメディアで報じられた。牛丼の値上げで株式市場がどのように反応したかを振り返ることで、株式相場の動きがよく分かるので参考にしたい。

すき家の牛丼 値上げするのであれば2年ぶり

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(写真=Takamex/Shutterstock.com)

すき家の値上げは報じられただけであり、まだ検討段階のようだ。外食業界は人手不足と人件費の高騰に慢性的に悩まされている上に、米や牛肉などの値上がりで採算的に厳しくなっている。他社動向を見ながら、年内にもメニューの一部を値上げしたい考えなのだろう。出来れば並盛り350円は据え置き、大盛りやサイドメニューを上げる予定だ。

もし、すき家が値上げするなら15年4月に並盛り291円を350円に値上げして以来となる。

すき家を運営しているのはゼンショーホールディングス <7550> だ。前17年3月期のゼンショーの売上5440億円のうち牛丼部門が1943億円と売上の約36%を占める同社の主力部門である。

ゼンショーの牛丼部門には「すき家」とかつて買収した「なか卯」が含まれている。牛丼以外ではレストラン部門(約24%)で「ジョリーパスタ」や「ココス」、ファーストフード部門(約23%)で「はま寿司」などを運営している。

牛丼ではすき家は業界トップだ。大手3社は、吉野家 <9861> 、松屋フーズ <9887> 。前期の牛丼売上はゼンショーが1943億円、吉野家が972億円、松屋が779億円となっている。かつてのトップ吉野家を出店攻勢となか卯の買収で抜いた。

ゼンショーは決算発表後に急落も値上げで一旦下げ止まる