木造住宅に使用される木の種類はさまざまです。木は種類によって性質が異なりますから、木の家を建てる場合には、使用する木の種類によって香りや効果も変わります。上記のことから、木の家を建てるのであれば、その材料となる木の種類は慎重に選びたいものです。今回は、住宅の建材にもなり日本三大美林に選ばれている木曽ヒノキの特徴について見ていきましょう。
日本三大美林について
日本三大美林とは、全国の林の中でも特に美しく優れている林のことです。日本三大美林に数えられているのは、秋田の天然秋田スギ、青森の青森ヒバ、そして長野の木曽ヒノキとなっています。木曽ヒノキは急斜面に生え、冬には深い雪に覆われるなど厳しい環境の中で育ちます。厳しい環境化でゆっくりと育つ木曽ヒノキは、「年輪が細かい」「耐久性に優れている」「くるいが少ない」と三拍子そろった高級建材として重宝されています。
木曽ヒノキの林は、先人たちが手入れを行うことでその美しさを維持してきました。そして、手入れをしながら活用することで、300年以上も保たれているといいます。木曽ヒノキに携わる地域の人々は、木曽ヒノキを大切にする独自の文化の中で生活を営んでいました。
住宅に使われる三大美林の木
三大美林で産出される木は、いずれも建材として利用されています。天然の秋田スギは、年輪が細かく木目が美しいことから、柱や天井板に利用されていました。青森ヒバは、青森県内の神社仏閣の建材として使われてきました。木曽ヒノキは、平安時代から重要な建築物に利用されていたといわれています。伊勢神宮や姫路城も木曽ヒノキで作られています。
古くから神社仏閣や城の建築に利用されていたのは、その時代の人々が木曽ヒノキのすばらしさを実体験で知っていたからに違いありません。
時代を超えても選ばれてきた
木曽ヒノキは、時代が変わっても「良質な建材」として活用されてきました。江戸時代には、「火事による焼失からの復旧」「築城」といった目的で盛んに利用され、一時は林が急激な現象の危機に瀕したほどです。昭和の時代には、戦後の復興のために木曽ヒノキが伐り出されています。
木曽ひのきの美しさ
木曽ヒノキが建材として重宝されているのは、細かく美しい木目と豊かな香りを持っていることも要因の一つといえます。経年によって独特なツヤと輝きをまとうのも、木曽ヒノキの特長です。建材以外にも、家具や風呂桶などの材料としても選ばれています。
美しい森を歩いているような気分の家になる
天然の木材は、人の健康にいい影響を与えることが科学的に証明されています。木を使った住宅は、ストレスや疲労を軽減し、リラックス効果を与えてくれるというのです。森林浴を行うと、自律神経が整い、ストレスが軽減されてリラックス効果が得られるといいます。毎日木の家で生活をしているだけで、森の中を歩いているようないやし効果を体感できるでしょう。
天然の木は、その木ならではの独特の香りを有しています。特に日本の木の家に多く使われているスギやヒノキの香りは、そのにおいをかぐだけで心地よさを感じることもあるでしょう。実際に、スギのチップのにおいをかいだことで、「森林浴と同様に血圧が低下したり、ストレスが抑制されたりした」という研究結果もあります。
さらに、「ヒノキのにおいの成分が、人の免疫細胞の働きを上昇させた」という報告もあるそうです。豊かな木の香りが感じられる住宅は、人の健康にもよい住宅なのです。これらの効果を得られる家を建てたいのであれば、構造材としてだけでなく、天井や壁、床にも木曽ヒノキをはじめとする天然木を使用するとよいでしょう。
美しい木曽ヒノキで体によい家建てよう
日本三大美林から産出される木々は、古くから建材として重宝されてきたことが分かりました。特に木曽ヒノキは、厳しい自然環境の中で生育したからこその特長が数多くあります。高級な建材には、その理由があるのです。人の体にもやさしい木曽ヒノキで家を建てて、木の香りに囲まれた生活を送ってみてはいかがでしょうか。(提供:MORIZOU online)
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