資産1億円以上の国内富裕層はわずか2%。
「1億円の壁の向こう側」にいる富裕層はどういった人たちなのか、どれだけ凄い提案をプライベートバンクから受けているのか、どうやって富裕層になっていったのか……疑問は尽きない。
プライベートバンカーとして超富裕層ビジネスに携わり、『プライベートバンクは、富裕層に何を教えているのか?――その投資法と思想の本質』(ダイヤモンド社)の著者でもあるZUU代表冨田に話を聞いた。
プライベートバンクの視点から富裕層の世界を覗く特集第1回目は、富裕層が富裕層であり続けるために兼ね備えている「バランスシートベース思考」について。(聞き手:押田裕太)
冨田 和成
神奈川県出身。一橋大学在学中にIT分野にて起業。2006年大学卒業後、野村證券株式会社に入社。本社の富裕層向けプライベートバンキング業務、ASEAN地域の経営戦略担当等に従事。2013年3月に野村證券を退職。同年4月に株式会社ZUUを設立し代表取締役に就任。
目次
まず、富裕層ってどんな人なのか?
――日本の富裕層は近年増加傾向にあると聞きました。具体的にどのくらいいるのでしょうか?
フランスのキャップジェミニ社が発表した「World Wealth Report 2018」によれば日本の富裕層(金融資産1億円以上)は316.2万人、米国の528.5万人に次ぐ、世界2位とのこと。
野村総合研究所(NRI)の調査によれば、日本には投資可能な金融資産が1億円をこえる富裕層は、2015年時点で122万世帯いると推測されています。富裕層は(1億円以上、5億円未満)が、114.4万世帯、超富裕層(5億円以上)が7.3万世帯。総世帯数の割合でいうと、富裕層が2.16%、超富裕層は0.14%となっています。つまり、家が50軒あれば、そのうちの1軒が「1億円の壁」を突破してことですね。そして、2013年と比べると世帯数は20%増、金融資産総額は13%増となっていて、ともに増加していることがわかります。
――具体的に富裕層というとどういった人たちのことを言うのですか?